渡辺淳之介が説く、BiSH以外の各グループの現状
~GANG PARADE編~
渡辺 まずギャンパレですが、いいですよね。1月1日に復活発表をしてブーストがかかった状態。人数が増えて13人になり、グループにとっても、WACKにとっても新境地に踏み込んでいった。もはや狭いライブハウスのステージだとパフォーマンスできるのかというくらい。その昔、中野heavysick ZEROでやったときは7人体制でしたけど、13人になったらどうなるんだろう。7人のときも「どんなライブになるんだろう?」というワクワク感があったので、今はそういう昔の状況と重なって見える部分もある。当時より集客の面でも規模が大きくなってるのはいいことだけど、維持することがすごく大変で。ギャンパレは僕を何度もキレさせるから(笑)。上層部(初期メンバー)は怒られ慣れてるはずだし、僕のキレるポイントをもうわかってるはず。それをちゃんとわかったうえでの対処ができていればもっとうまくいったのにと思うことは数知れず。でも今年の再始動からメンバーが増えた流れもいい感じで来ていると思うし、次こそジャンプアップできるはず。経験は宝だよ。何回も怒らせないでほしいね(笑)。
ヤママチ すみません……。私たち自身も現状の流れはすごくありがたい状況だなと思っていて、分裂前はチケットをソールドさせることができなかったライブハウスも埋まるようになっていたり、遊び人の熱量も以前よりすごく高いように感じています。
トギー 怒らせるって、何があったんですか?
ヤママチ いろいろあるの!
渡辺 びっくりするくらいピンポイントでキレポイントを突いてくるんですよ、ギャンパレは。でも本当にがんばってほしいなって思ってます。
ヤママチ 気を付けます! でも確かに、10人で再始動してからナルハワールドが戻ってきて、アイナスターがWAggから昇格し、オーディションを経てカ能セイが入ってきてくれて、13人の大家族感は今、いい形になっていると思います。一体感が生まれているのも確かだし、お客さんにも伝わりやすくなってます。でも現段階だと個人の力がまだ弱いです。WACKの中では大所帯の13人であるということをわかりやすく強みにできているんですけど、個人の力がGO TO THE BEDSとPARADISESに分裂する前からすごく弱い。そのアプローチをもっとできるようにしないといけないなっていうのはずっと思っています。新しく入って来たメンバーたちがもたらしてくれているいい雰囲気を、グループの新たな一面として知ってもらえたらいいなと思います。ジャンプアップできるようにがんばります!
渡辺 メンバーそれぞれについてはいろんな話を聞くのよ。
トギー ギャングだから大丈夫なんですよね?
ヤママチ 悪目立ちが多い……。そういうところで今まで挫けてきてるので。反省し続けていきます!
~ExWHYZ編~
渡辺 ExWHYZはmidorikoが活動休止中というところを除いて、いい状況ですね。「元EMPiREなりのラストツアー」のファイナルは本番直前まで5人でやるか、6人でやるかを考えながら、どう転んでも成立するようにやれてたのは、心の切り替えがしっかりできていたからで。そういうことができるグループの今の状態があるから、midorikoが戻ってくるまでいい状況で持っていけたらいいよね。
mayu そうですね。どりちゃん(midoriko)が帰ってくることを常に念頭に置きながら、5人でExWHYZの活動を進めないといけないから、5人でどこまでできるかが試されてますね。まだいつ戻ってこられるか、確定的なことは言えませんけど、いなくなって気付いたことがたくさんありました。物足りないっていうか(笑)。パフォーマンスの面でも、どりちゃんがいないだけで全然違うし、彼女がグループの大事なスパイスになってたんだなって改めて思います。
──mayuさんは理想とするExWHYZ像は描けているんですか?
mayu 現時点(※取材は9月末に実施)ではまだライブもしていないのでこれからですね。EMPiRE時代の話になりますけど、もともとWACKとavexのプロジェクトとして始まり、私はその当時のWACKに興味を持って、入りたいと思ったんです。でもいざ始動したEMPiREは当時のWACKの中でちょっと雰囲気が違ったので、これまでのWACKになかった方向性の新しいグループになることに戸惑いがありました。実際、「思ってたのと違う」「WACKっぽくない」とかさんざん言われたし、しかもWACKの中だとわりと陽気というか元気なメンバーが集まってるんです。そういうWACKにいるからこそ感じる“元気コンプレックス”もあったし、「EMPiREはエモくならないだろ」とか思われることもあった。でもBiSHを見てきて、BiSHメンバーこそ「BiSHらしくやるにはどうしたいいか」を考えて進んできた人たちだと思うんです。私たちもBiSHを目指すというより、事務所のカラーに囚われすぎないで、自分たちに何ができるかを模索するようになりました。WACKだからできることも含めてバランスを探りながら、自分たちにしかできないことを常に考えて。結局、EMPiREは解散しちゃったんですけど、同じメンバーでExWHYZを結成してから新しい曲を準備しています。これまで事務所の中でどうあるべきかということばかりをメインに考えていた節はあるので、ExWHYZではもっと外にも届けられるようにしたいです。ExWHYZを知ったその先にWACKという事務所があるということをわかってもらえるような存在になれたらなって。
渡辺 mayuが一番WACKっぽいからな。
mayu ExWHYZの中で一番WACK的な要素を担ってるのはわかってるんです……。とりあえず迷ったら行動とか、失敗したらそのとき考えるみたいな動きがほかのメンバーより多いので。
渡辺 ExWHYZとして1曲しか出てない状態でツアーがほぼほぼソールドアウトするって、お客さんはなんとなくの期待を持って、チケットを買ってくれるわけよ。ギャンパレの話の続きにもなるけど、個というものは本当に大事にしないといけないし、個が突き抜けない限り、BiSHを超える何者かにはなれないんだよ。だからExWHYZもそう、懐疑的なところがありつつもTikTokをやってみたり、いろいろやるわけじゃん。豆柴の大群のTikTokだって5万8000人以上もフォロワーがいて、100万回以上再生されてがんばってるわけよ。意外にも立派なインフルエンサーなのよ。ミユキだって楽しそうにやってるじゃん(ミユキのTikTok動画を眺めながら笑う)。
ミユキ トレンドに乗っかってやってるんですよ!
~豆柴の大群編~
──ちなみに各グループ同士の結び付きは、メンバーの数が多くなったことで昔より薄まったと感じますか?
渡辺 薄まってるとは感じてないですね。なぜならもともと僕が採っている女の子たち自体、人付き合いが苦手な子ばかりなので。だって友達いないもんね?
トギー はい。多そうなのはミユキちゃんだけ。
渡辺 そうね。ミユキは僕じゃなくて、クロちゃん(安田大サーカス)が選んだメンバーだからかな。
mayu そんな悲しいこと言わないでくださいよ(笑)。
ミユキ 豆柴メンバーだとカエデとハナエ以外、渡辺さんに合格をもらってないんですよ(笑)。今、合格をください!
渡辺 メンバーチェンジしちゃうかもしれないからなあ。
ミユキ めちゃくちゃ怖い(笑)。でもそうなんです……。豆柴の大群は新メンバーのオーディションをする企画「MUST CHANGE PROJECT」をやっていて、現役メンバーは成績によってはソロデビューできるし、成長できなかったメンバーは脱退することになるかもしれないんです(参照:豆柴の大群に新メンバーが!オーディション合宿開催決定)。だからがんばらないと。
渡辺 豆柴の大群は今、いい感じですよ。でも「MUST CHANGE PROJECT」の結果によっては誰かが辞めなきゃいけない可能性もあるから、崖っぷちな状況でもある。活動していく中で「こうしたいからこれは嫌だ」って思う部分があると思うけど、納得している部分もあるでしょ。そういうところをどうやって乗り越えるのか、プロになるにはどうしたらいいを考える機会になりそうだね。クロちゃんがこの企画発表のときにイキイキしてたのは、豆柴が今、面白いと感じてるからだと思うので。
ミユキ はい。目がバッキバキでした(笑)。
渡辺 グループの活動について、真剣に考えられるいい機会だと思う。脱落も出さず、誰も辞めずにいけることが一番なのでがんばってほしいです。新メンバーオーディションはすでに応募が続々とあるんですけど、それもいつものWACKと違って面白いですよ。最近のWACKメンバー募集では集まらないような人たちから応募があって、それは豆柴が全方位的に活動してくれているおかげだから。
ミユキ 応募者がいて安心しました(笑)。新メンバーオーディションもあるから、幕張のイベントでも豆柴がどういうグループであるかをしっかり示したいです!
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