音楽ナタリー Power Push - Thinking Dogs
デビュー5カ月で積み重ねた経験と見付けた答え
Thinking Dogsが2ndシングル「3 times」をリリースした。
彼らは6月にデビューシングル「世界は終わらない」をリリースして以降、自主企画イベント「DOG'S PARTY」の開催や数々のフェス出演、毎週あらゆる企画にメンバーが挑戦するYouTube番組「Thinkin Dogsチャンネル」の配信などさまざまな活動を繰り広げてきた。今作はどんな道のりを経て、どのような思いで作られたのかをメンバーに聞いた。
取材・文 / 鵜飼亮次 撮影 / 新井潔
デビューから今まであっという間
──デビューから5カ月。振り返ってみていかがですか?
わちゅ~(B) 怒涛の日々で、最初はホントにわからないことだらけなところから始まって、もう付いていくのに必死でしたね。最初はレコーディングや撮影、8月からはライブで地方を回って……充実した日々だったので「まだこれだけしか経ってないんだ」という感じです。
Jun(G) 僕は初めてのことばかりで、そこで結果を残さなきゃいけないっていうプレッシャーを感じました。
TSUBASA(Vo) 夏フェスやイベント出演、インストアライブを全国各地でやらせていただいたことが多くて、目の前のことに必死に取り組んだ結果、あっという間に5カ月が過ぎたなって印象です。
大輝(Dr) うん、ホントにあっという間。常に何か予定が入ってて、頭の中は常にバンドのことや音楽のことでいっぱいで。いろいろ考えてたら5カ月すぐに過ぎちゃったなって思います(笑)。
──デビューしてさまざまなメディアにバンドが露出して、夏はフェスへの出演をはじめいろんなところでライブも行って。経験を積むことでパフォーマンス面など、ご自身の成長を実感したのでは?
大輝 成長というか、僕たちは逆に一度自分たちのパフォーマンスの方向性を見失ってたんです。それで「なんか違うな」って迷走したというか、どうしようと思った時期があって。
わちゅ~ いろんなお話をいただいたり撮影をしたりする一方で、僕たち自身のコミュニケーションは取れてなかったんです。どうやって自分たちがこのバンドをよくしていこうかという密な話し合いをすることに時間を割けなかった。
──そんな時期が。
わちゅ~ はい。そんな中でスタッフの方々がいろいろアイデアを練ってくださっても、自分たちで確固たるものを持たないとブレてしまうと思ったので、芯を持ってやっていこうって改めてメンバーで話をして。
大輝 うん。今やっと「楽曲のよさをちゃんと伝えよう」という考えを軸にライブをするっていうところに着地した感じです。
わちゅ~ 結局僕らは自分たちが今芯に置くべき事柄が何か見えてなかったんです。そこで話し合った結果、挑戦するっていう意味も含めて8月からはライブでお客さんを盛り上げることに重きを置くとか曲のよさを伝えるとか、いろんなバリエーションのパフォーマンスをしました。その結果、やっと自分たちのよさがわかって。
──それはどんな部分ですか?
わちゅ~ 曲そのもののよさですね。それを伝えることに意識を向けてライブをしていこうということになりました。
TSUBASA そのあとは全員でアイデア出しなどをしながら、それをスタジオで試してライブに持ち込んだり。この夏のイベントやフェスのステージでバンドをいい方向に進ませられるような挑戦ができたんじゃないかと思ってます。
Jun 自分たちの中でどこに重きを置くかがわかってからはずっと精神衛生上クリーンで。1つひとつの取り組まなきゃいけないことに対してもみんなで同じ方向を向いて迎えることができてますね。
単独イベント「DOG'S PARTY」を振り返って
──10月に東京・Morphで初めての単独イベント「DOG'S PARTY」を開催しました。もうそのときには壁を乗り越えていたんですか?(参照:Thinking Dogs、ファンの前で2ndシングル曲初披露)
TSUBASA はい。その頃にはもう。
──あの日皆さんはのびのびとライブをするだけでなく、トークコーナーを展開するなどいろんなことに挑戦してましたね(笑)。
わちゅ~ 企画が盛りだくさんでした。
──改めて振り返ってみると何点くらいですか?
TSUBASA リーダー、あれ何点?
大輝 え、俺がつけるの?(笑) まあ自分が一番気にしてたのは、企画のところで……。
Jun そこは僕もです。
──大輝さんとJunさんが進行したト―ク企画の部分ですね。
大輝 はい。そこの時間が押しに押したっていうのがちょっと……あれでいろいろな人に迷惑をかけてしまったので。
TSUBASA 内容は100点だったと思うんですけど、時間的なところのマイナスがあったかもですね(笑)。
Jun でも僕たちとしては、初めてちゃんとお客さんからお金をいただいた有料単独ライブができたという点ではよかったなと。初めて企画を立てて自分たちの空間を作ることができ、支えてくださるファンの方への恩返しができたので、いい結果を出せたかなと思ってます。
TSUBASA 地方の夏フェスやイベントにも東京からファンの方が来てくれるとか、僕たちがファンに支えられてきたのがわかったので、みんなへの感謝を詰め込もうと思って企画したライブだったんです。バンドとしての感謝を伝えなきゃダメだろう、っていう思いがあったんですよね。
次のページ » 配信番組出演とバンド活動のバランス
- 2ndシングル「3 times」 / 2015年11月18日発売 / Sony Music Records
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1620円 / SRCL-8907~8
- 通常盤 [CD] / 1080円 / SRCL-8909
CD収録曲
- 3 times
- もしもあなたが…
- ごめんね、キャサリン
- 3 times -Instrumental-
- もしもあなたが… -Instrumental-
- ごめんね、キャサリン -Instrumental-
初回限定盤DVD収録内容
- あと100マイル(MUSIC VIDEO)
Thinking Dogs(シンキングドッグス)
TSUBASA(Vo)、わちゅ~(B)、Jun(G)、大輝(Dr)の4人からなるロックバンド。前身のバンドで2014年夏に行われた野外フェスティバル「イナズマロック フェス 2014」連動型オーディション「イナズマゲート 2014」 に出場し、そのライブパフォーマンスが評価されて準グランプリを獲得。“伝説のプロデューサー”サイモン利根川に見いだされメンバーチェンジを経て改名。2015年6月にデビューシングル「世界は終わらない」をリリースし、夏は「SUMMER SONIC 2015」「イナズマロック フェス 2015」など数々のイベントでライブを繰り広げた。11月には2ndシングル「3 times」を発表。