2016年
申年を迎えた1月8日0:00、THE YELLOW MONKEYの再集結とアリーナツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016」開催を発表。2月には15年ぶりの新曲「ALRIGHT」を配信リリースした。ツアーの1曲目では、解散前のラストシングルとしてリリースされライブでは一度も演奏されていなかった「プライマル。」を初めて演奏した。
1月デヴィッド・ボウイが死去
4月熊本地震が発生
ALRIGHT(アルバム「9999」に収録)
「何よりもここでこうしてることが奇跡と思うんだ」。ファンとメンバーとの強い絆を織り込んだ歌詞が新しい季節の始まりを告げる、再集結第1弾楽曲。アレンジやメロディは吉井和哉ソロ楽曲の延長線上にあり、四つ打ちを取り込んだダンスビートも2010年代ならではの洗練されたクールな佇まい。だが菊地英昭のギターリフやソロはあの頃の匂いを強く漂わせ、THE YELLOW MONKEYが本当に帰ってきたことを強く印象付けた。
砂の塔(シングル「砂の塔」、アルバム「9999」に収録)
テレビドラマ「砂の塔~知りすぎた隣人」主題歌として書き下ろされた楽曲で、サスペンスめいたシュールな歌詞もドラマの内容に寄り添ったもの。華麗なストリングスアレンジを手がけたのは巨匠・船山基紀で、吉井の得意とするメランコリックな歌謡曲調のメロディとの相性は抜群。歌を聴かせるオーソドックスなアレンジゆえにバンドらしさの主張は薄めだが、展開の合間にギターやベースの短いソロを入れるなど、細かい聴きどころには事欠かない。
2017年
3月17日に新曲「ロザーナ」を発表。デビュー25周年記念日の5月21日には2013年発売のベストアルバム「イエモン-FAN'S BEST SELECTION-」収録曲を再レコーディングしたアルバム「THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST」をリリースした。
1月ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任
ロザーナ(アルバム「9999」に収録)
ほぼワンコードのファンキーなグルーヴで押し通す前半から、自然なコードチェンジを経てぐっと高揚してサビのメロディへ。ピアノとパーカッションを加えたシンプルな演奏は例えば「Rubber Soul」期のThe Beatlesのようでもあり、現代的なダンスロックのようでもある。年代不詳の魅力をたたえた曲。「不思議の国のアリス」めいたシュールでサイケデリックなイメージの歌詞も、聴くたびに万華鏡のように聞こえ方が変わって面白い。
11月には2016年開催のツアーに密着したドキュメンタリー映画「オトトキ」が公開された。12月には17年ぶりの東京ドーム公演「THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2017」を2日間にわたって開催し、10万人を動員した。
9月桐生祥秀が陸上男子100m走で日本人史上初の9秒台を記録
2018年
2月平昌オリンピック開幕。フィギュアスケートで羽生結弦選手が2連覇達成
天道虫(アルバム「9999」に収録)
激しい頭打ちのドラム、禍々しく歪んだギター、エフェクトをかけて潰れた吉井のボーカルと、とことん攻撃的な姿勢に貫かれた煽情的ロックチューン。ガレージロック的な迫力とグラムロック風の艶やかさの混合は、若いバンドには絶対に出せない迫力にあふれている。主題歌に起用された「天 天和通りの快男児」が麻雀ドラマということで、テンパる、ツモるなど専門用語をちりばめた遊び心あふれる歌詞が楽しい。ちなみに吉井は麻雀はやらないらしい。
2019年
I don't know(アルバム「9999」に収録)
テレビドラマ「刑事ゼロ」主題歌で、「記憶」をモチーフにした歌詞もドラマに沿ったものだが、「どこまでも続く 魂の葛藤」など随所に吉井らしさが色濃く漂う。LAレコーディングによるサウンドは実に生々しく、吉井が狙ったガレージロックやパンクの手触りを持った同時代のUSロックのニュアンスをしっかりと伝える。ブンブンうなるベースが底辺を支え、陰影のニュアンスに富んだギターリフ、隠し味のアコースティックギターも実にいい味を出している。
Balloon Balloon(アルバム「9999」に収録)
90年代からの絶対的な得意技である歌謡ロック路線を踏襲する哀愁あるメロディと、テカリを抑えた艶消しの質感を持つソリッドなロックロールとの見事な融合。間奏でさりげなく挟まれる転調も気が利いている。アルバム「9999」のサウンドの共通点として、奥行きのないダイレクトな音像は迫力満点だが耳に痛くはない。洋楽ロッククラシックスからのいくつかの引用を含む歌詞も意味深で、Baloon=風船が何を意味するか解釈はあなた次第。
Changes Far Away(アルバム「9999」収録)
これまでありそうでなかった、ソウルフルでメロディアスな傑作バラード。吉井は曲調の共通項としてエルトン・ジョン、Queen、The Bandなどの名を挙げているが、こうしたレジェンド級のロックバラードを堂々とやって様になるバンドは日本では非常に希少だ。「愛だけを支えにしてここまでなんとか歩いてきたんだ」。そんな歌詞を今こそまっすぐに歌えるTHE YELLOW MONKEYの歩んできた長く曲がりくねった道を思うと感動を禁じ得ない。
4月からはアルバムを携えたアリーナツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-」を全27公演にわたり開催。各地で4種類のセットリストによるパフォーマンスを披露し、20万人を動員した。
ツアー終了後の10月30日には結成30周年を祝した新曲「DANDAN」を配信リリース。30周年記念日の12月28日、ナゴヤドームより初のドームツアー「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR」をスタートさせる。
5月皇太子徳仁親王が天皇に即位。元号が令和に改元
7月京都アニメーション放火事件が発生
9月ラグビーワールドカップ日本大会開幕。日本代表がベスト8入り
10月消費税が10%に増税
DANDAN
原点でもあるブリティッシュグラムロックに回帰したとびきりのハッピーチューン。ご機嫌なホーンの音も、全員そろって歌われる「HEY!」のコーラスも実に楽しげ。歌詞に登場する「ビリー」は彼らのファンクラブ「BELIEVER.」にちなむもので、30周年の感謝を込めたファンへのプレゼントであり、メンバーへのご褒美曲でもある。「どんな夢も叶えるバンドができたよ」というフレーズは、最高のバンドによる最高のキャッチコピーだ。
2020年
ファンクラブ会員向けに発表されていた楽曲「未来はみないで」を3月13日に配信リリース。4月に東京ドームで予定されていたドームツアーファイナル公演を新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止した。中止となったドーム公演に代わり、11月からは東京ドーム、横浜アリーナ、東京・国立代々木競技場第一体育館、日本武道館でのライブが開催された。
3月東京オリンピック・パラリンピック2020の延期が決定
4月新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令
7月将棋の藤井聡太七段が史上最年少タイトル奪取
10月「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」公開。日本歴代興行収入第1位を記録
2021年
2月3日にドームツアーのライブ音源を収録したアルバム「Live Loud」をリリース。3月10日にはドームツアーの模様を収めた映像作品「30th Anniversary THE YELLOW MONKEY SUPER DOME TOUR BOX」をリリースした。
1月ジョー・バイデンがアメリカ大統領就任
7月東京オリンピック・パラリンピック2020開幕
2022年
メジャーデビュー30周年を記念し、1月8日に過去の代表曲を網羅したベストソング集「30Years 30Hits」の配信がスタート。4月14日にはメジャー1stアルバム「THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE(夜行性のかたつむり達とプラスチックのブギー)」のデラックスエディション、5月11日には2004年開催の横浜アリーナ公演を完全収録した映像作品「SPRING TOUR "NAKED"」がリリースされた。7月20日には2019年開催の「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-」から4公演を収録したボックスセットが発売される。
- THE YELLOW MONKEY(イエローモンキー)
- 1989年に吉井和哉(Vo)、菊地英昭(G)、廣瀬洋一(B)、菊地英二(Dr)の現メンバーで活動開始。ハードロックとグラムロック、歌謡曲を融合させた独自の音楽性で人気を集める。1995年1月にリリースされたシングル「Love Communication」 がスマッシュヒットを記録し、その名を一気に広めた。「JAM」「楽園」「LOVE LOVE SHOW」「BURN」といったヒットソングを次々と送り出すも、2001年1月の東京ドーム公演「メカラ ウロコ・8」を最後に活動休止状態に。そして2004年7月に解散を発表した。解散後のメンバーはそれぞれソロで活躍していたが、2016年1月に再集結を発表。5月よりアリーナツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016」を開催した。2019年4月に19年ぶりのアルバム「9999」を発表し、全国アリーナツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-」を開催。2019年末にスタートした結成30周年記念の東名阪ドームツアーは新型コロナウイルス感染拡大の影響により途中で中止を余儀なくされたものの、2020年11月に東京・東京ドーム公演のリベンジ開催を果たしている。
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