ナタリー PowerPush - THIS IS FOR YOU - THE YELLOW MONKEY TRIBUTE ALBUM
祝・結成20周年! 伝説のバンドの魅力を語り尽くすトライセラ吉田×椿屋中田対談
最近はセクシャルなことを歌うバンドが少ない
──中田さんはTHE YELLOW MONKEYとの最初の出会いって覚えてます?
中田 最初は中2、14歳のときに、友達のお姉ちゃんが「すごくいいロックバンドがいる」ってTHE YELLOW MONKEYにハマってて。俺はもうその頃はバンドをやり始めて曲も作ってたんですけど、AEROSMITHとかMÖTLEY CRÜE、あとMr.Childrenが好きだったかな。で、ちょうどその頃にTHE YELLOW MONKEYの「smile」(1995年発売の4thアルバム)を貸してもらって聴いたら、すごい衝撃的だったんです。年齢的には少しずつ性的なことに興味を覚える年頃だったんですけれど(笑)、最初のインパクトとしては激しすぎる歌詞で。あんまり意味がわからなかったんです。
吉田 ああ、性の目覚めの時期に(笑)。
中田 すごくそこに対して好奇心は旺盛だったので(笑)。
一同 (笑)
中田 で、それも関係してるのかどうかわからないんですけど、すごくカッコよくて。それまで曲作りはミスチルやチャゲアスの影響を受けてたりしてたんですけど、THE YELLOW MONKEYを聴くようになってからリフ中心の曲作りに変わって。ロックの基本の部分とか、基本のカッコよさやたたずまいは、日本のバンドとしては俺にとって最初の原体験だったんですよね。だから俺にとってはもう、THE YELLOW MONKEYはアイドルなんです。
吉田 本当にど真ん中ってことだよね。それだけTHE YELLOW MONKEYにはインパクトがあったと。
中田 ありましたね。当時全盛だったヴィジュアル系がいい悪いって話じゃないんですけれど、そういうジャンルにはない何かがイエモンにはあって。当時は歌謡曲っぽいとか言われてたんですけど、洋楽からの影響をごまかさずに出してたバンドだなと思ってました。
吉田 グラムロックの影響が色濃く出てる感じがするよね。日本のヴィジュアル系は世界的にも“ヴィジュアル系”というジャンルとして確立してるじゃない。グラムロックというよりも、もっと洗練されてる感じで。だけど、THE YELLOW MONKEYは地に足が着いてるというか、人を感じるところがあるんですよ。そういう意味では、性の目覚めにハマったというのも納得ですね。
中田 そういう出会い方した人、結構多いと思いますよ(笑)。最近はセクシャルなことを歌うバンドが少ないし、今の14~5歳の子たちが初めて聴くロックにそういう匂いがあまりないのは問題かなって。はけ口がないというか、こう……むっつりな方向に行ってしまうような。
吉田 それが、今の少子化を生んでるってことだよね?
中田 はい、そう思います(笑)。
吉田 “精”が弱くなってるってことでしょ?
中田 僕はトライセラも性の匂いがするんですけど、やっぱり好きだからなんですかね。
吉田 あ、そう? 俺はそんなことないけど、ボーカルの和田唱は精は強いよ(笑)。
イエモンの話をするときはセックスの話は外せない
吉田 これは吉井さんが言ってたんだけど、例えば楽器や歌と性は直結してるらしいんだって。
中田 ギター、バイオリンとか楽器は女性の形を元にしてるってよく言われますよね。
吉田 うん、だからその人のやってる音楽やそのスタイル、奏でる音のトーンで、この人がどういうエッチをするかだいたいわかるって。
中田 あー、何かわかりますね(笑)。
吉田 ドラムが一番直結してるみたいだよ。吉井さんに「ドラムを叩くのなんてセックスしてるのと同じだ」って言われたし。
中田 でも吉田さんのドラムすっごいセクシーだと思いますよ。
吉田 ああいうセックスするってことじゃない?(笑)
一同 (爆笑)
中田 でもすごいカッコいいと思います。
吉田 ありがとうございます。何だかセックスを褒められてるみたいだ(笑)。すみませんね、脱線しまくりで。でも半分くらいは合ってると思いますよ。
中田 THE YELLOW MONKEYの話をするときって、もうそこは絶対に外せないんですよね。
吉田 言われてみて気づいたけど、僕らも含めて最近の若いバンドには性のキツめなやつってないもんね。
中田 地下に潜ってる感じがします。
吉田 やっぱり草食系なんて言葉が流行ってたりするし、そういう時代なのかなという気がするな。だってイエモンなんて思いっきり肉食じゃん。
中田 生肉とか似合いますよね。
吉田 今の吉井さんはもうちょっと大人になって上品なのかなと思ったけど、この間のZeppツアーなんてぜんぜんそんなことなかったね。もうそのまま牛にかじりついてんじゃないかって勢いで(笑)。
DISC 1
- WELCOME TO MY DOGHOUSE / SCOOBIE DO
- LOVE LOVE SHOW / 奥田民生
- SUCK OF LIFE / 毛皮のマリーズ
- SPARK / 秦基博
- JAM / TRICERATOPS
- 空の青と本当の気持ち / 星羅
- SEA / 山田孝之
- BURN / 椿屋四重奏
- カナリヤ / tacica
- 4000粒の恋の唄 / あがた森魚
- PUFF PUFF (instrumental) / MORGAN FISHER
DISC 2
- FOUR SEASONS / フジファブリック
- パール / 黒猫チェルシー
- TVのシンガー / 9mm Parabellum Bullet
- 楽園 / KREVA
- SHOCK HEARTS / metalmouse
- 球根 / THE BACK HORN
- 追憶のマーメイド / ムック
- 離れるな / 金子ノブアキ
- SO YOUNG / シュリスペイロフ
- メロメ (instrumental) / MORGAN FISHER
- バラ色の日々 / Nothing's Carved In Stone
- プライマル。 / フラワーカンパニーズ
収録内容
- メカラ ウロコ・7
(1996年12月28日 日本武道館) - メカラ ウロコ・9
(1998年12月28日 日本武道館) - メカラ ウロコ・10
(1999年12月28日 日本武道館) - メカラ ウロコ・8
(2001年1月8日 東京ドーム)
特典
- BONUS DISC
- メカラ ウロコ・15パンフレット縮刷版付
収録内容
- オリジナルの音源のデジタル・リマスター盤 Blu-spec CD™仕様。
- 渡英前にレコーディングされた未発表デモ・トラックス音源。
- 日本でのデモ・レコーディング、ロンドン・レコーディングの秘蔵映像を収録したDVD。
THE YELLOW MONKEY
(いえろーもんきー)
1989年12月に吉井和哉(Vo)、菊地英昭(G)、広瀬洋一(B)、菊地英二(Dr)の4人で本格始動。グラマラスなビジュアル&サウンドと歌謡曲にも通じるキャッチーなメロディを武器に、渋谷La.mamaを拠点に精力的なライブ活動を行う。1991年にはインディーズから初のアルバム「Bunched Birth」をリリース。翌1992年5月にはシングル「Romantist Taste」でメジャーデビューを果たす。その後も着実に知名度を高め、1995年4月には日本武道館で初のワンマンライブを実現。「太陽が燃えている」「JAM」「SPARK」といったヒットシングルを連発し、5thアルバム「FOUR SEASONS」は初のチャート1位を獲得する。その後も「FUJI ROCK FESTIVAL '97」への出演や海外公演、野外スタジアムツアーなどを実施。1998年から1999年には、計112本を1年がかりでまわるロングツアーも敢行し、トップバンドの名を欲しいままにする。しかし、2000年11月に活動休止を突如発表。翌2001年1月の大阪ドーム(現・京セラドーム大阪)&東京ドームでのライブをもって、長期間の充電に突入する。多くのファンから復活を熱望されていたが、2004年7月に正式に解散を発表。現在もなお、伝説のロックバンドとして多くのロックファン、ミュージシャンからリスペクトされている。