音楽ナタリー Power Push - the telephones

12組が魂込めた「We are DISCO!!!」解説&4人が振り返る武道館

10. Odoru~朝が来ても~ / Yogee New Waves

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テレフォンズのみんながいくつかの候補の中から、僕らにこの曲を指定したのには何かしらの意味があると思ってる。この曲の歌詞を覗けばどんなバンドやどんなグループ、もしくは運命共同体を誓ったなにかに必ずあると言っていいほどのストーリーが綴られている。
この曲はいわば石毛さんからのメンバーへのラブレターなのだなと僕は解釈しているよ。
僕らがこの熱情に溢れかえっている歌詞を歌うことには深い意味があるとさえ思う。
重い重いバトンのようにも思えれば、飲みにいった帰りの別れ際にゆってのける冗談のようにも感じる。
僕らは何を感じて何を表現するのか、はたまたこの歌詞を読んだあなたが何を感じてどう生きるのか。この曲はそんな決意を僕らにさせてくれた大切な曲だと思っている。

熱い熱いアーティストってのは、いつだって本音を歌詞にのせがちなもんだよね。どんな人でどんな事を考えているかすぐ分かっちゃう。だからこそ音楽は面白いのだなと思うよ。
帰ってくる頃には僕ら、テレフォンズをツアーに誘えるようなバンドになっていたいな。感謝してます。ありがとう。

角舘健悟(Yogee New Waves)

石毛 コメントが健悟っぽいなあ。ウルっときちゃうねえ。

長島 この文自体が歌詞みたいだね。

──ヨギーはどんな存在ですか?

石毛 友達からYogee New Wavesっていうバンドがいるって薦められて聴いたらめちゃくちゃカッコよくて衝撃を受けたんですよ。対バンはしたことがないんですけど、ライブを観に行くようになって、仲良くなりたいなと思って話しかけて。すごくファンです。

岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek)

岡本 Yogee New Wavesは前からずっと聴いてて、今年の頭にThe fin.の企画のときに初めて観てすげえなって思った。

石毛 彼らはちゃんと今の時代の音を鳴らしていて、それでいてすごく個性的なので好きですね。トリビュートに参加してくれた人みんなに言えるんですけど、絶対自分に歌えない歌を歌ってる。特に健悟は歳下でこの歌を歌えるのはマジですげえなと思って心底惚れているアーティストですね。

──「Odoru~朝が来ても~」は石毛さんのリクエストだったんですか?

石毛 みんなで話して、ヨギーには「Odoru~朝が来ても~」がハマるということで意見が一致しました。まずヨギーに歌ってもらうときに日本語詞でというところが念頭にあったので。「Odoru~朝が来ても~」はBPMが遅い曲で、歌詞もこういう内容だし、これを歌ってくれるのは健悟しかいないと思った。アレンジもガッツリやってくれてるし、歌詞も足してくれて。うれしいメッセージが込められてますね。

11. Fire, Fire, Fire / VOLA&THE ORIENTAL MACHINE

VOLA&THE ORIENTAL MACHINE

ベースの涼平君が自分の愛弟子である事からVOLA&THE ORIENTAL MACHINEを代表して私、有江がコメントさせていただく事になりました。自分はレッスンを通じて、そしてライブを通じてthe telephonesのメンバーが音楽と真摯に向き合っていく姿を沢山見せつけられました。胸が熱くなって感動して悔しくなるくらいに。

僕らは「ダンスロック」という言葉もまだない時から(あなた達はカテゴライズされるの嫌ってるかもしれないけど。僕らも自分達のことをカテゴライズされたいとは思ってないだろうなぁ、多分)頑張ってこの世界を泳いできました。何か誤解がある書き方しちゃったけど要は沢山あるバンドの中で「同志」的なものをthe telephonesには感じていると言いたいのです。こちらの勝手な感情かな?

10周年そして活動休止。大きな節目ですね。

「10周年」はもちろんめでたい事なんだけどthe telephonesにとっては何か「活動休止」って言葉もめでたい響きにきこえちゃう。メンバー個々が楽しい冒険に出てたくましくなっていつかまた集まる的な。そうであってほしいな、是非。

今回の楽曲は敢えてthe telephonesの代名詞である「DISCO」がタイトルについてないものを選ばせていただきました。ひねくれ者です。VOLA。遊び心と気持ちを込めた演奏になっております。楽しんでいただければ幸いです。

the telephones 10周年そして(敢えて)活動休止おめでとう!! メンバー皆さんに幸多かれ!!

Bass 有江嘉典(VOLA&THE ORIENTAL MACHINE)

長島 いやあ、うれしいですね。有江さんは本当に僕の師匠ですから。

石毛 僕らにとっては先輩なのに、同志って感じてくれてるっていうのはすごくうれしいです。対バンもよくやったなあ。

長島 でもさ、なんでこの曲だったんだろう? ずっと不思議。できあがったものはすごくカッコよくていいんですけど。ヘタしたらthe telephonesのお客さんも知らないですよ(笑)。

石毛 ライブで5回くらいしかやってないと思います。

長島 Jさんにしてもdustboxにしても僕がコピーしてたバンドなんですよ。そのバンドの人たちが僕らの曲をやるっていうのはすごいことですよね。僕にとっては有江さんが師匠で、ずっとベースラインとかを真似してきたので。それが逆になるのってすごいことですよ。

松本 各々のプレイのクオリティの高さがすごいよね。全部のパートがアップデートされてる感じがする。これが正式音源なんじゃないかなって(笑)。

石毛 アヒトさんの声も面白くていいよね。アヒトさんには僕が1stソロアルバムを出したときのインストアライブでドラムを叩いてもらってるんで。VOLAには本当にお世話になっています。

12. Say DISCO / Fragment×DOTAMA

Fragment
DOTAMA

初めて見たのは10年前の北浦和KYARA。
あの小さい場所から今ではMステ出演や武道館ワンマンまで成し遂げた。
身近でここまで夢見させてくれ、こんなに皆から愛されてる人たち見たことないです。
それはいまだに原点である地元の人、モノ、場所を大切にしてるから。

スタイルは違えど、同じ埼玉の地で活動出来たこと、そしてこのタイミングで楽曲絡ませてもらえたこと、こころから光栄に思います。

早く戻ってきてよね!

Fragment(術ノ穴)

長島 これ書いたのクッシーさんだね、絶対(笑)。

石毛 “こころ”がひらがななのがクッシーさんっぽい。

──Fragmentも埼玉出身なんですね。初めて観たのは10年前のKYARAとのことですが。

松本 彼らが主催している術ノ穴のバンドが僕らを企画に呼んでくれたときだよね?

石毛 そのバンド、bugficsっていうんですけど、ベースが誠治くんのお兄ちゃんなんですよ。

──え、そうなんですか(笑)。

石毛 でも僕はクッシーとけっこう前から知り合いでしたよ。僕の姉ちゃんがdiskunionでバイヤーやってて、当時まだ術ノ穴の作品を置かせてもらえる店が少なかったんですけど、姉ちゃんが北浦和のdiskunionに置いたんです。そんなこともあって、クッシーさんからすると“石毛の弟”っていう感覚もあるらしいですよ。

──なるほど。“石毛と松本の弟”がやってるバンドっていうことですね(笑)。

石毛 そう、変な弟感あるかも(笑)。埼玉でこういうちゃんとしたトラックメーカーっていうのはFragmentしか知らなかったので、本当に貴重な存在だと思っています。

長島 DOTAMAくんのラップがすごく好きなので一緒にやってくれたのもうれしかったな。

松本 このトラック、使ってるのが石毛のサビのとこだけで、ほぼオリジナルになってるっていう。すごい切り方をして声でリズムを作っていくなって。

岡本 サビのとこ最高だよね。

松本 DOTAMAくんは栃木出身で、地元を歌ったりするタイプの人間なのでそういうのも共鳴する部分の1つかなと思いました。

──トリビュートアルバムの締めがこういう曲なのも面白いですよね。

石毛 いいアルバムになったと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。こんな豪華なメンツをそろえて、the telephonesにしか呼べないメンツだよねって言われるのはすごくうれしいです。あとスタッフの皆さんにも感謝しています。ミリオンセラーも出していないバンドなのにトリビュートが出るっていう。みんなの愛を感じました。

長島 どれもこれも個性が際立つアレンジになっているので、各々のバンドの新曲だと思って聴いてくれるぐらいの感じでいいと思います。

トリビュートアルバム「We are DISCO!!!~tribute to the telephones~」 / 2015年11月4日発売 / 3024円 / Virgin Music / TYCT-69088
トリビュートアルバム「We are DISCO!!!~tribute to the telephones~」
収録曲 / アーティスト
  1. Urban Disco / POLYSICS
  2. HABANERO / FRONTIER BACKYARD
  3. sick rocks / THE BAWDIES
  4. Love & DISCO / J
  5. Monkey Discooooooo / 9mm Parabellum Bullet
  6. A.B.C.DISCO / dustbox
  7. kiss me, love me, kiss me / Koji Nakamura
  8. I Hate DISCOOOOOOO!!! / ストレイテナー
  9. Just One Victory / James Iha
  10. Odoru~朝が来ても~ / Yogee New Waves
  11. Fire,Fire,Fire / VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
  12. Say DISCO / Fragment×DOTAMA
ライブDVD「武道館 DE DISCO!!!~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」 / 2015年11月4日発売 / 5400円 / Virgin Music / TYBT-19014~6
ライブDVD「武道館 DE DISCO!!!~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」

※初回限定盤のみボーナスディスクDVD「オトナの!特別編the telephones~北浦和の中心でDISCOを叫ぶ!~」完全拡大版付属(売り切れ次第本編のみ2枚組に切り替え)

the telephones(テレフォンズ)

the telephones

2005年に埼玉県浦和にて結成されたロックバンド。メンバーは石毛輝(Vo, G, Syn)、岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek)、長島涼平(B, Cho)、松本誠治(Dr)の4人。ポストパンク / ニューウェイブにも通じるダンスロックサウンドで各地のフェスを席巻し、2009年にEMIミュージック・ジャパン(現:ユニバーサルミュージック)と契約。同年7月にアルバム「DANCE FLOOR MONSTERS」でメジャーデビューを果たした。2011年には埼玉・さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブ「SUPER DISCO Hits FINAL !!! ~そして伝説へ~」を開催。その後もコンスタントに新作をリリースし、2013年9月にはPOLYSICSと合同で初のヨーロッパツアーを敢行するなど、ワールドワイドに活動を展開する。結成10周年を迎える2015年3月にキャリア初のオールタイムベストアルバム「BEST HIT the telephones」をリリースし、同年5月に東京・日本武道館で単独ライブを開催。同年7月に7thアルバム「Bye Bye Hello」を発表した。11月3日のさいたまスーパーアリーナ公演を最後に無期限で活動を休止する。