音楽ナタリー Power Push - the telephones
12組が魂込めた「We are DISCO!!!」解説&4人が振り返る武道館
the telephonesが11月3日の埼玉・さいたまスーパーアリーナで行うライブイベント「the telephones presents Last Party ~We are DISCO!!!~」をもって、無期限の活動休止期間に入る。
盟友たちと埼玉の先輩たちを集めて実施するこのイベントの翌日に、彼らのトリビュートアルバム「We are DISCO!!!~tribute to the telephones~」と、今年5月に行われた活動休止前最後のワンマンライブであり、初の日本武道館単独公演の模様を収めたライブDVD「武道館 DE DISCO!!!~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」がリリースされる。音楽ナタリーではこの2作品の魅力を紹介するべく特集を企画。トリビュート盤参加者から届いたメッセージを見ながら各曲についてメンバーが語るインタビューと、4人による日本武道館のライブDVDの“副音声的”トークを掲載する。
取材 / 大山卓也 文 / 清本千尋 撮影 / 小坂茂雄
01. Urban Disco / POLYSICS
the telephonesを初めて観たのは08年6月@代官山UNIT。
自分達のバンド名が入った歌詞のSEで登場し、「I am DISCO!」という言葉に衝撃を受けてから今日まで、楽しい思い出が山ほどあります。
ツアー、イベント、フェス以外でも打ち上げ、部屋呑み、誠治の髪型をプロデュースしたこと等々。
ヨーロッパや台湾にも一緒に行ったなあ~。
この「Urban Disco」は今まで楽しませてもらった感謝の気持ちを込めて演奏しました。
TOISU DE DISCO!!! 活動再開、待ってるよ!!!
ハヤシ(POLYSICS)
石毛輝(Vo, G, Syn, Programming) ハヤシさんには昔からお世話になりっぱなし。いつも気にかけてくれるいいお兄さんって感じだね。
長島涼平(B, Cho) ハヤシさんはマメだよね。頻繁に連絡を取り合ってるわけじゃないんですけど、武道館ワンマンのときや活動休止を発表したときみたいな大事なタイミングには必ず連絡をくれる。
石毛 そういえばこないだの「UKFC」のあと、酔っ払ったハヤシさんから来たLINEにグッと来たんですよね。「今疲労困憊の中XTCの『Nonsuch』を聴いて、缶チューハイを飲みながら余韻に浸ってるところだよ。やっぱり寂しいぞ! 待ってるからな!」って。
松本誠治(Dr) POLYSICSはこのトリビュートに参加したいって自ら立候補してくれたんですよ。こんな光栄なことないでしょって思いましたね。聞いた話によると、1日でレコーディングして、その次の日にトラックダウンして完成っていう、相当スピード感があるレコーディングだったみたいで。
長島 しかしまあこのトリビュートの1曲目をPOLYSICSにしてよかったよね。センチメンタルな要素が何ひとつない。
──曲順はどうやって決めたんですか?
石毛 ベスト盤と一緒でリリース順に曲を並べただけなんです。それが功を奏しました。
岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek) いやあ、でもこの曲、本当POLYSICSだよね。
石毛 確かに。今回の場合は最後のサビで「I am DISCO」を「TOISU DE DISCO」にするっていうね。愛を感じましたね。あと、一番ボーカル的にも違和感がない。声が高い(笑)。
長島 隙間がないよね。この「Urban Disco」。
松本 うん。情報量が多いよね。
岡本 各駅停車がさ、急行になった感じしない?
石毛 ああ、そうだね。
岡本 いい例えでしょ?
02. HABANERO / FRONTIER BACKYARD
明るい4人の残した軌跡は偉大なり。
最高なトリビュートに誘って頂きありがとうございます!
彼らのクソアツイ数々のライブを思い出しながら、わりとクール目のアレンジで僕たちなりのアンサーをさせて頂きました。
2015年11月で一度オフシーズンに入りますが、また一緒にプレイしましょ! のみましょ! DISCOしましょ!
WE FUNK & WE ARE DISCO!!!
TGMX(FRONTIER BACKYARD)
石毛 フロンティアはすごく近い先輩って感じですね。僕はもともとSCAFULL KING大好きなので、憧れの先輩であり、もちろんフロンティアも大好きで。
──なんで今回FRONTIER BACKYARDに「HABANERO」を?
長島 「HABANERO」って僕らの代表曲だと思うんですけど、たまたま選んだ人が誰もいなかったんですよ。まずシンセがいなきゃいけないし、選びにくかったのかも。でも「HABANERO」はトリビュートに必要だろって……。
石毛 それを言ったのがPOLYSICSのハヤシさん(笑)。100曲ライブ(2015年9月開催の「ウルトラチャレンジ OR DIE!!! ~燃えろ! クアトロ地獄! 2日で100曲カブリ無し!!!~」)の打ち上げで、うちのマネージャーに「『HABANERO』が入ってないのおかしいだろ!」って言って、それを聞いて僕らはこういうことをお願いできるのはフロンティアしかいないなと思ってすぐに彼らに連絡して。で、依頼してから1週間くらいで仕上げてくれたよね?
松本 そうだね。最後に声をかけさせてもらったのに、すぐにスケジュール調整してくれて本当に感謝ですね。
長島 あの短期間でこんなにカッコよく仕上げてきてくれて、さすがだなと思いました。
石毛 うん。先輩が渋くクールにまとめあげてくれた。
03. sick rocks / THE BAWDIES
the telephonesとの出会いはお互いデビュー前のインディーズ時代でした。
共通の友人であるQUATTROから紹介され、一緒に面白いシーンを作ろうよ!という会合に参加したのがキッカケ。
全く違うルーツを持ちながらも二つのバンドの根底にある“お祭り野郎魂”に惹きつけられ、日本の音楽シーンでは異色だった僕達は、互いに刺激し合い、リスペクトしながら駆け抜けてきました。
今回トリビュートアルバムに参加させてもらい、改めて痛感した“アンタらは本当にどんな時でもお祭り野郎だよ感”に魂が震えております!
最高だよ! いつまでも愛しているぜthe telephones!
THE BAWDIES
石毛 これ書いたの絶対ROYだね(笑)。THE BAWDIESの曲を最初に聴いたとき、渋い声してんなあと思ったんですよ。で、同い年でこんな声出すなんて絶対ヤバい奴だろうと思って、会う前はMotörheadのレミー・キルミスターみたいなのを想像してた(笑)。
長島 俺も絶対集合場所にバイクで来ると思ってたね(笑)。
石毛 そしたら甘いマスクのジャニーズ顔の男が出てきて、「え、歌ってるの本当に君なの?」みたいな(笑)。
岡本 しかもROYは酒も飲まないし、タバコも吸わない。
石毛 ROYはルーツミュージックに対してものすごくこだわりがある人で、すごく音楽が好きなんだなって感じました。
岡本 年もほぼ一緒だし、世代間のトークが盛り上がったね。
石毛 だいたい「SLAM DUNK」の話だったけど(笑)。
──一緒に面白いシーンを作ろうよみたいな意識はお互いに強かった?
石毛 そうですね。やっぱり僕らもTHE BAWDIESも「AIR JAM」を経験してきてるんで、ああいうことをやりたいよねっていうのがあって。でもお互い違う音楽でやってるのが面白いよねっていう発想でライブイベント「Kings」を始めました。
──THE BAWDIESの「sick rocks」はいかがでしたか?
石毛 完全に“お祭り野郎”でしたね。「ワーオ!」って言いすぎだし(笑)。
松本 「can't you understand?」のところのタメ半端ないしね。
石毛 うん。リフも改造してもらって、THE BAWDIESらしく仕上がっています。「sick rocks」はTHE BAWDIESの自主企画で競演していた2008年頃の曲だったこともあって、彼らはこの曲を選んだんだと思います。同世代がこうやって俺らの曲をカバーしてくれるのは本当にうれしいですね。
- トリビュートアルバム「We are DISCO!!!~tribute to the telephones~」 / 2015年11月4日発売 / 3024円 / Virgin Music / TYCT-69088
- トリビュートアルバム「We are DISCO!!!~tribute to the telephones~」
収録曲 / アーティスト
- Urban Disco / POLYSICS
- HABANERO / FRONTIER BACKYARD
- sick rocks / THE BAWDIES
- Love & DISCO / J
- Monkey Discooooooo / 9mm Parabellum Bullet
- A.B.C.DISCO / dustbox
- kiss me, love me, kiss me / Koji Nakamura
- I Hate DISCOOOOOOO!!! / ストレイテナー
- Just One Victory / James Iha
- Odoru~朝が来ても~ / Yogee New Waves
- Fire,Fire,Fire / VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
- Say DISCO / Fragment×DOTAMA
- ライブDVD「武道館 DE DISCO!!!~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」 / 2015年11月4日発売 / 5400円 / Virgin Music / TYBT-19014~6
- ライブDVD「武道館 DE DISCO!!!~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」
※初回限定盤のみボーナスディスクDVD「オトナの!特別編the telephones~北浦和の中心でDISCOを叫ぶ!~」完全拡大版付属(売り切れ次第本編のみ2枚組に切り替え)
the telephones(テレフォンズ)
2005年に埼玉県浦和にて結成されたロックバンド。メンバーは石毛輝(Vo, G, Syn)、岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek)、長島涼平(B, Cho)、松本誠治(Dr)の4人。ポストパンク / ニューウェイブにも通じるダンスロックサウンドで各地のフェスを席巻し、2009年にEMIミュージック・ジャパン(現:ユニバーサルミュージック)と契約。同年7月にアルバム「DANCE FLOOR MONSTERS」でメジャーデビューを果たした。2011年には埼玉・さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブ「SUPER DISCO Hits FINAL !!! ~そして伝説へ~」を開催。その後もコンスタントに新作をリリースし、2013年9月にはPOLYSICSと合同で初のヨーロッパツアーを敢行するなど、ワールドワイドに活動を展開する。結成10周年を迎える2015年3月にキャリア初のオールタイムベストアルバム「BEST HIT the telephones」をリリースし、同年5月に東京・日本武道館で単独ライブを開催。同年7月に7thアルバム「Bye Bye Hello」を発表した。11月3日のさいたまスーパーアリーナ公演を最後に無期限で活動を休止する。