THE SUPER FRUIT「サクラフレフレ」2本立てインタビュー|「チグハグ」ヒット後の“勝負曲”は春の応援歌 (2/4)

歌いながら勇気付けられた

──皆さんが感じている「サクラフレフレ」の聴きどころは?

田倉 まずイントロがすごく素敵なんですよ。イントロだけでめちゃくちゃワクワクするサウンドなので、春にぴったり。歌詞に関してはただ底抜けに明るいわけではなくて、不安や失敗を肯定するような優しさを感じさせるアンニュイなテイストなので、新生活でワクワクする気持ちと、新しい環境で不安な気持ち、どちらにも寄り添える曲になっていると思います。

松本 僕が好きなのは「人様の『いいね』ばかり 気にしてたってキリがないよ」というところ。自分で歌いながら、胸に響いちゃった。つい人目を気にしてしまったり、SNSをやっていても数字を気にしちゃったり、周りがどう思うかについ気を取られちゃうけど、何にも囚われない自分をしっかり持たなきゃいけないなという思いは僕にもあって。歌いながら、自分でも本当に勇気付けられたところです。

田倉 勇輝はそこを言うと思ったよ(笑)。惟真はどこ?

小田 この曲、初めて聴いたとき「チグハグ」に通じるものがあると気付いて。「チグハグ」の次に2ndシングルとして出すのにしっくりきたんです。「チグハグ」を作ってくれたサトダユーリさんが書いてくれたから似ているのは当たり前かもしれませんが、不安を抱えている人や落ち込んでいる人、「自分ってこのままでいいのかな」という人の支えになる曲なんだなと思って。歌詞が全部いいなって思います。

小田惟真

小田惟真

──「サクラフレフレ」は「大人になること」を歌ってる楽曲でもありますよね。グループ最年少の小田さんは大人になることをどう捉えていますか?

田倉 16歳にはまだわからないんじゃない?

小田 こういう活動をさせてもらって、すでにある意味大人の一員になっているような感覚があって。なんだろう、全部を理解できているわけではないかもしれないけど、わかる部分は多いですね。

松本 うわあ、大人っぽい!

小田 僕もこの歌詞の通りに「こうして僕ら 大人になっていくんだな」と思ったことはあるよ(笑)。歌詞をもらったときは、スッと自分に入ってきたかな。

肩肘張らない脱力系の曲には志音

──カップリングの「素敵なMy Life」は小田さんと田倉さんに鈴木志音さんを入れた3人がボーカルを務めています。志音さんを加えた3人の歌の特徴を皆さんどう捉えていますか?

田倉 不思議な感じになるかな。ちょっと脱力系というか、「力を抜いてリラックスしていこう」という方向性の曲なので、少し力の抜けた感じの志音の声がすごく合ってるし、聴いていて心地よく感じました。例えば隼大が入ってもきっといい曲に仕上がったと思いますが、曲の方向性はふんわり、ほんわかしているけど芯がある曲だから、志音が選ばれたんだろうなと。

田倉暉久

田倉暉久

小田 僕も同じように感じたな。隼大くんに感じるのは大人の落ち着きだけど、志音くんに感じるのは年齢とか関係ない、持って生まれた包容力。夕方にのんびり散歩しているような落ち着きがある風景が思い浮かんだな。

田倉 「サクラフレフレ」のカップリングがこういう曲になったのはすごくいいと思っています。「サクラフレフレ」がまっすぐに「がんばれ」ってエールを送る歌詞なのに対して、「素敵なMy Life」は「少しの幸せでもいいじゃん」くらいの肩肘張らない曲なのでバランスがいい。この曲を志音が歌うことにすごく納得してて、僕と惟真が彼の世界に寄り添うような曲になっていると思います。

僕と暉くんならどんな曲でも歌えそう

小田 今日話していて思ったんだけど、スパフルって僕と暉くん以外の5人を軸とした曲が多いよね。5人のうち誰かが主役になって、僕と暉くんが準主役って言うのかな? 言い過ぎかもしれないけど助っ人で入るようなイメージ。

田倉 それ、めっちゃわかる。

松本 僕も同じこと思ってた! スパフルのMVを観るとき、だいたい3人目のボーカルに目がいくんですよ。この2人は自分たちの個性を出しながら3人目を引き立ててくれる感じ。僕がボーカルを務めた「Seven Fruits」のときは2人がいてくれて本当に心強かったし、隼大がボーカルの「馬鹿ばっか」のときは隼大を軸にしつつ、2人もめっちゃカッコいいパフォーマンスをしてて。2人はなんでもできるんだなって感心してた。

松本勇輝

松本勇輝

小田 僕と暉くんならどんな曲でも歌えそうって思えるもん(笑)。

田倉 バラバラな個性の5人のボーカルが曲によって軸を担うのがスパフルの強みかもしれないですね。これまで公開されてきたMVを一気に観たとき、似てる映像が1つもないんですよ。毎回3人目のボーカリストが変わるし、コンセプトも違う。曲によって別のアーティストなんじゃないかと錯覚するくらい、ガラッと色が変えられるのはスパフルの強みだと感じています。

左から田倉暉久、小田惟真、松本勇輝。

左から田倉暉久、小田惟真、松本勇輝。

──でも今後は田倉さんや小田さんを軸にした楽曲が生まれるかもしれないですよね。

田倉 だとしたら、惟真は絶対夏をイメージした楽曲が合うよ。弾けるような、明るい曲。逆に僕は冬の曲がいいかな。

──なぜ冬の曲が合うと思うんですか?

田倉 オレンジカラーだし、ボーカルも務めているからグループ内では明るく見られがちですが、どちらかと言うと性格がちょっと暗いタイプなので、落ち着いた冬の曲のほうが自分には合うのかなって。

松本 これから生まれてくるかもしれない曲について考えるの、すごくワクワクするね。

田倉 うん。どんな曲が来るか今は予想がつかないのも面白いけど(笑)。もっと歌もパフォーマンスも磨いて、どんな曲がきても自分たちのものにできるように準備しておきたいですね。

2023年3月24日更新