音楽ナタリー Power Push - The Super Ball
「音楽に対してはロールキャベツ男子」な2人のハーモニー
抜群の声の相性を生かしたメジャーデビュー曲
──デビューシングルの「トモダチメートル」はTVアニメ「不機嫌なモノノケ庵」のオープニングテーマですが、どのように作られたんですか?
佐々木 もともとは理幹が作った「ワッペン」というオリジナル曲があって、ライブをかなり引っ張っていくような人気曲だったんですが、今回のアニメのタイアップをいただき、原作を読ませていただいて、歌詞をその世界観に合わせて書き直したんです。もともとの歌詞も断片的には残っているんですけどね。主人公の男子高校生2人の次第に変わっていく距離感に注目して、それがもし男女の恋愛だったらどうなるか?というところで歌詞を広げていきました。
吉田 ライブでは欠かせない、みんなで手拍子しながら盛り上がれる曲だったので、それがメジャーデビューシングルになるのは本当にうれしいです。昔からのファンの方にもなじみがある……というのも、デビュー作にこの曲を選んだ1つの理由ですね。
──歌詞を書き直す際は、どんなところを意識しましたか?
佐々木 僕がメインで書かせてもらったんですけど、友達から一歩踏み出した関係になりたいのにできないってことはけっこうあると思うんです。僕も割とお調子者な性格なので、仲よくなっても友達で終わっちゃう……みたいなことが実際よくありまして。そういう経験も思い出しつつ、少し切ない思いを込めながら書いてみました。
吉田 僕も女性に対してすごくシャイなので、サビの歌詞「一歩踏み出せれば もっと この距離は縮まっていくのに」とかはすごく共感できましたね。
──声質の違う2人のハーモニーも聴きどころですよね。
吉田 サビで細かいハモリと掛け合いがあるんですが、特にそこは2人にしか出せないものが出せたと思っています。
佐々木 抜群の声の相性がうまく生かせたのかなって。切ない歌詞ですがメロディはアップテンポなので、ライブではノリノリで聴いてもらえるとうれしいです。
高校時代の自分自身に向けたメッセージ
──カップリングの「ココロのブランケット」も紹介していただけますか?
佐々木 デビューシングルの表題曲が「トモダチメール」に決まって、カップリングはぜひバラードを入れたいなと。アップもバラードも両方に自分たちのよさがあると思ったので、そこは希望を通していただきました。
吉田 これはThe Super Ballの一番古い曲なんです。2人で初めて声を合わせた曲ということで、思い入れもかなりありますね。歌詞は僕が高校の寮生活中に書いたんですけど、上下関係とかいろいろすごく厳しかったので、当時苦しい思いをたくさんしていて。そのときの自分自身に向けたメッセージでもあるので、同じようにつらい思いをしてる人がこの曲で少しでも前向きになってもらえたらなって思います。
──歌詞には当時の吉田さんにしか書けなかったようなリアリティのある言葉が並んでいて、ちょっと胸が痛みます。
吉田 そうですよね。でも僕、今でも苦しいときや大変なときにこの曲を聴くと前向きになれるんですよ。もっとがんばろう!って。あふれる感情のままに書いたので歌詞はちょっと粗削りだったりするんですが、CDはもちろん、ライブでも聴いてもらえたらうれしいですね。
音楽に対してはロールキャベツ男子です(笑)
──メジャーデビューの約1カ月後には早くも赤坂BLITZでのワンマンライブが決定。勢いが一気に加速しますね。
佐々木 うれしいなー。とにかくワクワクしてます! いつも対バンとかだと2人で出るのが基本なんですが、ワンマンはバックバンドの方もついてくださる予定で、安心感も違うし、自分たちもノリノリでやれるというか。当日、会場で一番楽しんでる自信があります(笑)。
吉田 赤坂BLITZといえば音楽を志したときから知ってる会場だし、何度も別の方のライブを観に行ったことがあって。陽吾さんと同じく、まずはワクワクがとんでもないですね。セットリストは今考え中なんですけど、今までで一番いいライブにしたいし、まずは自分たちが楽しむことでみんなにも楽しんでもらえたらなって。気になった方は、とにかく足を運んでみてほしいです。
──その先の未来はどのように考えていますか?
佐々木 1日でも長くライブを続けたいっていうのと、会場をどんどんデカくしていきたいです。夜、2人でお酒を飲んでるとたまに夢を語り合うんですよ。「3年以内にメジャーデビュー」とか「赤坂BLITZでワンマン」って実際に言ってたことが叶ってるんで、これからもどんどん夢を実現させていきたいです。最終目標はドームツアー。それができるくらい、日本全国で知らない人がいないアーティストになりたいですね。
──夢を夜な夜な語る2人。さわやかな見た目とは裏腹に熱いですね。
佐々木 はい。「ドーム、行きてぇなー!」って(笑)。
吉田 名だたるビッグアーティストのライブDVDを観ながら「このセンターステージの感じ、やれたら真似したいねー」とか。
佐々木 東京ドームに一緒にBIGBANGのライブを観に行ったときは、カッコいい!と思うのと同時に「悔しいなー。オレらも早く行きてー!」って。僕ら、野望の塊です。
吉田 中身は相当熱い!
佐々木 そういう意味では、草食系に見せかけて中身は肉食というロールキャベツ男子なのかな(笑)。夢に対してはガツガツいきたいと思ってます。
- ニューシングル「トモダチメートル」 / 2016年7月20日発売 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1500円 / TKCA-74377
- 通常盤 [CD] / 1200円 / TKCA-74381
CD収録曲
- トモダチメートル
- ココロのブランケット
- トモダチメートル(instrumental)
- ココロのブランケット(instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
- トモダチメートル(music video)
- トモダチメートル(music video -Yogo solo edit-)
- トモダチメートル(music video -Riki solo edit-)
- The Super Ball ONE MAN LIVE 2016
- 2016年8月27日(土)東京都 赤坂BLITZ
OPEN 16:00 / START 17:00
The Super Ball(スーパーボール)
青森県出身の佐々木陽吾(G, Vo)と神奈川県出身の吉田理幹(Piano, Vo)によるツインボーカルユニット。2011年にレコード会社のオーディションで出会い、2013年に結成した。2015年から都内ライブハウスや路上でのライブ活動を本格化させ、TwitCastingで歌唱動画を配信するようになってからファンが急増。12月に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行われたワンマンライブの会場にレコード会社の社員が多数集結し、数社による争奪戦の末、2016年7月に徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャーデビューシングル「トモダチメートル」をリリースした。