THE SKIPPERSの15年を振り返る

──ここからはTHE SKIPPERSのバイオグラフィに沿ってお話を伺いたいと思います。

JAGGER　結成は大阪です。高校を出て、専門学校に行ったんですよ。3.6MILKが好きで「サブロクが行ってた学校に行きたい！」って思って、同じ学校に。そこでメンバーを探して結成しました。高校のときから前身バンドはあって、そのバンドのときにデモカセットテープをTAKUMAさんに渡しました。

TAKUMA　それ、いつ？

JAGGER　2000年とかそれくらいです。

TAKUMA　名前はTHE SKIPPERS？

JAGGER　いや……「JAGALiCo 3番街」っていう……。

TAKUMA　うわ！ JAGALiCo 3番街のテープ、俺らめっちゃ聴いてた！

JAGGER　ええ！

TAKUMA　覚えてる。むちゃくちゃ下手くそやった！（笑） むちゃくちゃ聴いたし、まだ家にケースがあると思う。

JAGGER　マジっすか！ あれ、俺です（笑）。

TAKUMA　あれ、お前やったん？ 渡してきたやつもすっげー覚えてる。あれ、お前かー。

JAGGER　うわー、マジですか！

TAKUMA　印象的なテープやったわ。クリックも何も使わない演奏で……（笑）。あれ、THE SKIPPERSの前身バンドなん？

JAGGER　はい。カセットテープに入ってた曲は、THE SKIPPERSの初期にもライブでやってましたね。

TAKUMA　そうなんや。かなり自由なテープでした。リズムもテンポもキメも自由な……かなり覚えてる。そうか、あれ、お前かあ……。

JAGGER　覚えてくれてたんですね。

TAKUMA　メンバーみんなで聴いてたよ。おれ、JAGGERっていう字面を見て「まさかJAGALiCoじゃないやろな」とは思ってたけど。ビックリした、今。

JAGGER　「JAGALiCo」からJAGGERってきてるんです。ヤバー。恥ずかしい……。

TAKUMA　あれは恥ずかしいと思うわ（笑）。

JAGGER　初の単独音源をTHE NINTH APOLLOから出しました。で、出してすぐツアーを回ったんです。それまで東京でライブしたことなかったし、関西でも大阪以外ほとんどライブしてなかったんで、そういう状況でいきなりCD出して、ツアーを回って、結果は散々でした。僕はそれで逆にやる気が出たんですよ、「これからやねんな」って。でもほかのメンバーは「もう無理や」ってなって。そのとき4人組やったんですけど、3人が辞めちゃって。僕は酒癖も悪かったですし、そういうところでもがっかりしてたんでしょうね。

JAGGER　「もうバンドするしかないしな」と思って、メンバーを見つけて活動を再開しました。そこから「とりあえずツアーを回ろう」と思って、年間130本ライブしてたんです。3年くらい。

TAKUMA　3年も？

JAGGER　はい、なんか器用にできなかったから、「とりあえずツアーを回る」っていうことしかできなかったんです。130本やっても合計で1000人の前でやれたかどうかわからんくらいの状況やったんですけど、それでもやるしかないなって。ツアーを回ってるときって、家に帰って布団に入っても眠れないんですよ。機材車で揺られてないと眠れないっていう（笑）。

TAKUMA　僕らも100本越えた年は何回かあるけど、100～120くらいやったような。110超えると、3日に1回ライブしてるくらいの計算になるから、そうなると移動日も含め家にほとんどいない状態。メンバーとの関係も悪くなるし、常に何かが枯渇してる感じと言うか、なんか足らん状態で。まあだからこそ燃えるところもあるんやけど、それを3年間は……。

JAGGER　「大変やな」とか「ようやるなー」とか言うバンドマンが多かったけど、好きなことやし、「そんなん毎日できるの幸せじゃない？」って思ってましたね。「サラリーマンが毎日仕事に行くよりは毎日ツアー回ってるほうが夢あって楽しいやん」って。そっちのほうがしんどかったとしても、いいかなと。GALAMMASAR（B）も同じ考えやからそれができたっすね。PAUL（Dr）は連れ回しちゃった感じかもしれんけど……あとで辞めちゃうんで（PAULは2014年に脱退）。でもやっぱり130本やってるときに出した作品（ミニアルバム「GOING SKIP」、シングル「WALKMAN」）は、けっこう反応がよかったですね。

JAGGER　「そう言えばフルアルバム出してないな」って思って作ったんですよね。あとこの年は結成10周年だったので、ドーンとやりたいなということで、今までやってなかったワンマンライブと、デッカい箱でのイベントを開催しました。僕らにとってはフェスですね。「PUNK DRUG NIGHT」はその年からずっと続いてます。

JAGGER　これはちょっと酒癖の悪さが……（笑）。骨盤がパコってキレイに割れました。骨折したのが「PUNK DRUG NIGHT 2014」の直前やったんで、リハビリがんばって、病院の先生に毎日3回くらいお願いしに行って、椅子に座ってならと許可が下りた。で、ライブ中はもうテンションが上がってるから痛くないし、最後に立ったんですよ。そしたら観に来てたバンドマンとかお客さんが「JAGGERが立った！」って「クララが立った」みたいにツイートして（笑）。

TAKUMA　ちなみに、なんで骨折したん？

JAGGER　恥ずかしいんですけど……打ち上げで日本酒をストローで飲むっていうのをやって、めっちゃ酔っぱらって機材車に乗ったんです。で、トイレに行きたくなって下ろしてもらったあと、乗り込もうとしたときにノロノロしてたからドアに挟まって……「痛い！ 眠い！ 寝る！」ってそのときは寝て、起きたら痛くて起きられへんくて病院に行ったら骨折してました。

TAKUMA　ははは！（笑） このインタビューで絶対いらへんくだりやろうけど、最高やな！（笑）

JAGGER　「15周年でベストアルバムを出す」っていう構想はなかったんですけど、ベストを出すって憧れやったんですよ。自分でも「15周年ってまだまだや」って思ってるけど、10周年のときみたいにまた「15周年」を理由にこれまでできんかったことをやりたいなと思って。ドラマーも定まっていい感じなんで、再録してベストアルバムを出すことにしました。総まとめをするんじゃなくて、今のTHE SKIPPERSを見せて、これからにつながるベストにしたかったっすね。あと「PUNK DRUG NIGHT」を、「PUNK THIS TOWN」って名前にして初めて野外で開催するんです。野外フェスです。僕らあんまりフェスって出たことないんですけど、そんなバンドがフェス成功させたらカッコよくないですか？

TAKUMA　カッコいいな。