THE SKIPPERSが結成15周年を迎えた。彼らは今年、15周年イヤーの記念企画としてまず4月にベストアルバム「GREATEST SKIP」をリリース。本作には1stミニアルバム「SKIP BY SKIP」の表題曲から最新シングル「WE'RE HERE」収録の「WAY OF LIFE」まで全15曲の再レコーディングバージョンが収められている。彼らはさらに6月には初のヨーロッパツアー、8月には野外イベント「PUNK THIS TOWN 2017」の開催と、ライブ活動を中心に精力的な活動を続ける。音楽ナタリーでは今回、ベストアルバム発売および15周年を記念して、JAGGER(G, Vo)と、彼が一番好きなアーティストだと言う10-FEETのTAKUMA(Vo, G)との対談を実施。15年の歴史をたどりながら、THE SKIPPERSの魅力を探った。
また特集の後半にはコザック前田(ガガガSP)や猪狩秀平(HEY-SMITH)、椎木知仁(My Hair is Bad)といったTHE SKIPPERSを敬愛するアーティストからのお祝いコメントも掲載している。
取材・文 / 小林千絵 撮影 / ヤオタケシ
初競演の打ち上げで絡みまくったJAGGER
──今日はJAGGERさんが一番好きなアーティストだというTAKUMAさんをお迎えして、THE SKIPPERSの15周年を振り返っていきたいと思います。最初にお二人の出会いから教えてもらえますか?
JAGGER(G, Vo) 5年くらい前っすかね。HEY-SMITH主催の「OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL」の前夜祭ですよね? 2012年かな。
TAKUMA(Vo, G) そうか、あの日が初めてか。
JAGGER はい、僕はバンドを始める前から10-FEETのライブを観に行ってましたけど、お会いしたのはあの日が初めてです。「10-FEETと対バンや!」ってテンション上がって、打ち上げでTAKUMAさんに酔っ払いの絡み方をして「TAKUMAさんに嫌われた……」って思ってたんですけど、すぐに翌年の「京都大作戦」に呼んでもらえたんです。「ああ、よかった」って思いました。
TAKUMA すごい絡んできて、JAGGERの友達が心配してみんな止めるんですよ、「JAGGER、まあまあ。あっちで飲もうか」とか「JAGGER今日はめっちゃ飲んでんねんな!」とか。俺からしたら全然めんどくさくなかったけどな。「もっとめんどくさいヤツいっぱい知ってるで」みたいな(笑)。まあでも確かにゴキゲンで、ゴキゲンやからテンション上がった部分も、ゴキゲンやから制御してくれた部分もあったんやと思う。でも全然嫌な気せんへんかったで。
JAGGER ありがとうございます。
TAKUMAになりたいJAGGER
──TAKUMAさんはそれまでTHE SKIPPERSのことはご存知でした?
TAKUMA いや、あの日初めて知りました。あの日のライブで、JAGGERが僕らの「RIVER」(2002年10月にリリースの3rdシングル)のツアーTシャツを着てて。しかもリリース当時ってみんなXLしか着てないみたいな時代やったんやけど、その日のJAGGERもそういうサイズ感で着ていたんです。その時点からしたら10年以上前のTシャツやから「僕らメンバー以外わかんないくらいやのに、アホやなー」って思ったんですけど、それがすごく印象的で。ライブの衣装……って言うほど大層なものではないかもしれんけど、ライブっていう気合を入れてやる時間に着るものとして選んでくれたっていうのはうれしいなって思いました。
JAGGER 恥ずかしいですね。
TAKUMA でもそれでなんか伝わってん。
JAGGER TAKUMAさんに「好き」を言う前に表現って言うか……ライブを観てほしかったんですよ。ちょっと「好き」が伝わってから、「好き」って言いたいなって思って。まあそのあと打ち上げで思い切り言うたんですけど(笑)。
TAKUMA そのあとからライブよう観に来てくれたり、Tシャツくれたりして。
JAGGER 僕が今日着てるこの服は、TAKUMAさんがよう着てたやつをもろたんです。10-FEET好きな人はみんな気付くから、そのたびに「ええやろ」って言ってます(笑)。
TAKUMA THE SKIPPERSは“思うまま感”“ありのまま感”がすごく伝わるバンドだなと思います。語弊があるかもしれないけど、彼が発信してるメッセージっていうのは究極に自然なことで。極端な話、音楽じゃなくて飲みの席で話すような内容やけども、それを音楽でやり続けてることはすごくいいなあ、カッコいいなって思いますね。
JAGGER ……これ現実ですか? うれしいっす。僕、憧れてるバンドって昔からいっぱいおって、ようライブ観に行ってたんですけど、今でも憧れてる人って少なくて。観に行ってたバンドと話したり競演できるようになると「この人に勝ちたいな」って思うようになるんやけど、TAKUMAさんに対しては「この人になりたい」って思うんです。僕がギターボーカルを始めたのもTAKUMAさんになりたいって思ったからやし。歌がうまいとかそういうことよりも、醸し出す雰囲気とか器の大きさとかに憧れるんです。10-FEETの素直なライブが好きで、「数千人の前でもそんなに素直になれちゃうんや」って。
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THE SKIPPERSの15年を振り返る
- THE SKIPPERS「GREATEST SKIP」
- 2017年4月5日発売 / PINE'S APOLLO
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[CD]
2700円 / PACD-0001
- 収録曲
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- LOOKIN' BACK
- GOING SKIP
- APOLLO
- FIGHT FOR US
- SYMBOL
- IMAGINE
- HIKARI
- GET WAY
- WALKMAN
- PRICELESS
- BAT ALIEN
- MESSAGE
- PUNK THIS TOWN
- SKIP BY SKIP
- WAY OF LIFE
- THE SKIPPERS presents PUNK THIS TOWN 2017
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- 2017年8月6日(日)大阪府 猪名川運動公園 特設ステージ
- THE SKIPPERS(スキッパーズ)
- 2002年にJAGGER(G, Vo)を中心に大阪で結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、現在はJAGGER、GALAMMASARA(B)、AKIRA(Dr)の3人で活動をしている。2005年に初の単独CD「SKIP BY SKIP」をTHE NINTH APOLLOよりリリース。ライブとCDのリリースを重ね、全国での人気を集めていく。2010年から自主企画イベント「PUNK DRUG NIGHT」を大阪・BIGCATにて開催。結成15周年を迎えた2017年、THE NINTH APOLLOとPINEFIELDSによる新レーベル・PINE'S APOLLOに移籍し、初のベストアルバム「GREATEST SKIP」をリリースした。6月に初のヨーロッパツアー、8月には大阪・猪名川運動公園で野外イベント「PUNK THIS TOWN 2017」を実施する。
- 10-FEET(テンフィート)
- TAKUMA(Vo, G)、NAOKI(B, Vo)、KOUICHI(Dr, Cho)の3名によるスリーピースバンド。メロディックパンク、ヘヴィメタル、レゲエ、ヒップホップ、ギターポップ、ボサノバなどのさまざまなジャンルを取り入れたサウンドで人気を集めている。また精力的にライブ活動を続け、その迫力満載のライブパフォーマンスや人間味あふれる深いメッセージが込められた楽曲、笑顔を誘い出すキャラクターでもファンを魅力。さらに日本はもとよりアメリカや韓国、台湾でもライブを行うなど、活動の幅を世界に広げている。また自身で主催するフェス「京都大作戦」も例年大成功におさめている。2017年に結成20周年を迎えた。