ニコイチ、表裏一体の関係

──今お話していても、皆さん3人はすごく和気あいあいとしてて、一緒にいて居心地がいいんだろうなってっていうのが伝わってきます。

新藤　このプロジェクトのコンセプトのひとつでもありますけど、リラックスしてやるというか、本当に何も背負ってないので。

──このユニット名を付けたのは誰なんですか？

新藤　候補を出したのは俺です。

SHOCK EYE　最初はいろんなアイデアがあったんですが、この年でまたイチから新しいことを始めるにあたって、横文字でカッコつけて……っていうのはやめたいなと思ったんです。僕は個人的に漢字がいいですって言ってたんで、晴一くんがいろいろと考えてくれた中でこれが出てきたときは即決でしたね。

──その理由は？

SHOCK EYE　野党って言葉は与党ってものを連想させますよね。そのニコイチっていうか、表裏一体の関係が自分たちらしいなって思って。で、本体の活動が与党だとしたら、こっちの活動が野党かなと。そのお互いが刺激しあって、いいものを作っていくっていうところですね。

──なるほど。

SHOCK EYE　あとは、「THE 野党」はあくまで野党だと。さっきも晴一くんが言ったように、背負わないからこそ自由な部分があったり、自由な発想で楽しんでいけるんじゃないかと思うんです。縛りがなく、重りみたいなのを取っぱらった活動をするっていうのを、このユニット名がよく表していると思います。

新藤　音楽的にもそうだけど、活動全体としてもやっぱり本体と同じことをやってもしょうがないので。だからこそ、背負わずにやるっていうのがもともとのコンセプトというか、テーマでもあるんですよね。

──本体との相違点はどのように考えていますか？

新藤　短いセンテンスで語ると誤解が生まれるから、あまり比較論では語りたくないです。でも、本体にはキャリアとか積み重ねてきたものがあって、それはすごく素晴らしいことというか、大事にしていかなければならないもので。もちろん、これからも積み上げていきたいと思うけど、THE 野党ではその真逆をしないとね。そこはみんな同じだし、篤志くんもトラックメイカーというほかに生業としてるものがあるのは一緒だから。

──篤志さんは、このユニットでどういった音楽を表現していきたいと思っていますか？

篤志　アルバム制作を振り返っても思うし、制作中もずっと意識していたんですけど、とにかく実験的なことをやるってことですね。

SHOCK EYE　常に挑戦です。

篤志　世間的にそれが新しくなくても、俺らとして新しければ、それがTHE 野党の新しさになっていくと思うんです。

「歌詞が降りてきた」って本当にあるんだなって

──ところで、1stアルバムのリードチューン「WHO AM I?」は、結成するかしないかのタイミングでもうできていたそうですが？

新藤　そうなんです。このメンバーでやるとなって、とにかく音を出してみようということで、まずは僕のプライベートスタジオに3人が集まったんですよ。で、1～2時間くらいお互いのPCの中に入ってるお気に入りの曲を聴かせあって、そうこうしているうちに大体それぞれの音楽の共通項がわかってきたので。そこから「じゃあ、このイントロはどう？ このメロディはどう？」みたいにやってたら、この曲ができていたって感じですね。

SHOCK EYE　僕はこのトラックを聴いたときに、歌詞がスラスラ出てきて。よくミュージシャンが言うじゃないですか？ 「降りてきた」って。今まではそれってどうなんだろう？って思ってたんですけど（笑）、本当にあるんだなって思いましたね。

新藤　僕は篤志くんとああだこうだ言いながらトラックを作ってて、途中でSHOCKくんに1回歌ってもらったときに、長年音楽をやっていても毎回感じられるわけではない興奮というか、手応えを感じたんですよ。今思うと、その瞬間にこのプロジェクトがスタートしたんだっていう気がします。その日に何もなければ、「また連絡するわー」で終わってたかもしれないですし（笑）。