ナタリー PowerPush - TETSUYA
9年ぶりソロアルバム「COME ON!」に起きた数々のミラクルをTETSUYAが明かす
1stツアーはやって正解でした
──TETSUYAさんのヴォーカルもさらに進化していると感じました。
ツアーをやったことが大きかったんだと思います。歌が全然違う。客観的に聴いても、歌がすごく良くなったと思います。ボイストレーナーからも「コンディションもすごくいいし、声もすごく出てる」って褒められました。今、過去の音源を聴くと、ちょっとヴォーカルが弱い気がするんですよ。それもあって、本格的なレコーディングに入る前にツアーをやりたかったんです。シングル3枚レコーディングして、ツアー回って。ツアー終わってから、残りのアルバムの曲をレコーディングしようって思ってました。本当に1stツアーはやって正解でしたね。「Are you ready to ride?」はツアーのために書いた曲だし、今までそうやって書いた曲もなかったし、逆にツアーをやったからこそ書けた曲もあるし。
──「ツアーをやったからこそ書けた曲」ってどの曲ですか?
「Fantastic Wonders」がそうです。ツアーは、すごく大変でしたけど、改めてやって良かったと思います。意味も意義もあるものになりました。
──たしかに、この曲にはTETSUYAさんのライヴのあの気持ちいい空間を連想させる空気が詰まっていますね。
初めてツアー回って感じた気持ちから歌詞を書き出して。“Fantastic”と“Wonder”って意味が近いから、日本人の感覚だと、このふたつの言葉って一緒に使えないって思うじゃないですか。でも英語的には大丈夫みたいで、両方使いたかった言葉だったし「これだ!」って(笑)。
──「Are you ready to ride?」からもTETSUYAさんのライヴの光景が浮かんできました。
来られなかった人にはわからないかもしれないけど、ライヴを観た人は、たぶんこの曲を聴くと、あのときのことを思い出すんじゃないですか? ツアーでも後半に持ってきた曲だし、アルバムでもどうしても後半のほうがしっくりハマるので、アルバムでも後半に持ってきました。
──ライヴで歌ってたときと同じ歌詞ですか?
ちょっと変えてます。1回レコーディングしたんですが、しっくりこないところがあって、歌い直してます(笑)。
──まさにライヴで盛り上がる曲ですよね。
実はこの曲は僕にしては珍しくギターのリフから作ったんですよ。このリフのアイデアは何年も前から温めてたんです。いつかこのリフを使って曲を作りたいなって。ツアーが始まるし、「あ、このリフで盛り上がる曲が作れそうだ」と思って、そこから発展させていった曲です。しかもライヴのために書き下ろそうと作った曲なので、盛り上がれる要素を全部入れてます(笑)。誰かに言われたんですが、「これって全部サビの曲ですよね」って。確かにそうかも(笑)。
「ジョーくんって、ラップやったことあんの?」「初めてやりました」
──しかもコーラスはJuicy-Bananas以外に、西川貴教さんも参加しているという豪華な曲です。
豪華ですよね。西川貴教&The Juicy-Bananasですよ(笑)。
──ゲストということでは「guilty」ではMay J.さんがコーラスで参加されてますが、これは?
その場のノリでお願いしました。スタジオで英語の発音をチェックしてもらったときに、実際のメロディに乗せて仮で歌ってもらったのがすごく良かったんです。じゃあオクターブ上もくださいってお願いしました(笑)。
──「guilty」のあとに「EDEN」がくる中盤はこのアルバムに深みを与えてますね。
やっぱりアルバムには、ハードな曲も必要だから。この2曲はアルバムのフックになってると思います。僕はいつもメロディから曲を作るんですが、「EDEN」はギターのリフから作りました。ラップはレコーディングスタジオで思いついて、室姫(深)くん(共同でアレンジを担当)に「EDEN」にラップ入れるのどう?って言ったら、「同じこと考えてた」って。で、やってみたらすごくハマった。
──ラップも実に効果的だなと思いました。
ラップは(英語の発音のチェックで来てもらった)井上ジョーくんにお願いしてるんですが、実は、僕もラップにチャレンジしたんですよ。だけど、メロを歌ってる人と同じ声がくるより違う声が掛け合うほうがいいかなと、僕の声だけだとニュアンスが出ないなと思って、その場で「ジョーくんお願い」って(笑)。
──ムチャブリですね(笑)。
ジョーくんも、自分がラップをするとは思ってなくて、しかもレコーディングすると思って来てないし(笑)。終わってから「ジョーくんって、ラップやったことあんの?」って聞いたら、「初めてやりました」って言ってました(笑)。
CD収録曲
- LOOKING FOR LIGHT
- Roulette [Album Ver.]
- Fantastic Wonders
- guilty
- EDEN
- 魔法の言葉
- Can't stop believing [Album Mix]
- In My HEART
- lonely girl [Album Ver.]
- Are you ready to ride?
- 流れ星
TETSUYA
L'Arc~en~Cielのベーシスト兼リーダーとして1994年にメジャーデビュー。2001年7月に“TETSU69”名義のシングル「wonderful world/TIGHTROPE」をリリースし、ソロ活動をスタートさせる。その後もバンド活動と並行してソロ活動を続け、これまでに6枚のシングルと1枚のフルアルバムをリリース。L'Arc~en~Cielのライブでは、メンバーチェンジバンドPUNK-EN-CIELのボーカル兼ギタリストとしても活躍中。2009年12月にアーティスト名をtetsuから、L'Arc~en~Cielの活動ではtetsuya、ソロ活動ではTETSUYAと改める。2010年5月にシングル「Roulette」、8月には、シングル「LOOKING FOR LIGHT」をリリース。