ナタリー PowerPush - テスラは泣かない。

“マグマロックバンド”の爆発力

歌詞は映画のタイトルくらい大切なもの

──村上さんのルーツの1つである映画音楽の要素は、アルバムに入ってるんですか?

村上学(Vo, G)

アルバムの最後「Someday」は、映画のエンドロールにして欲しいなってくらい情景の浮かぶ曲になりました。作曲中の段階からすでにストーリー性が生まれてましたし。僕は歌詞を最後に付けるんですが、「Someday」は歌詞を乗せる前からストーリーがあったので歌詞を乗せるのも非常に簡単でした。

──「Someday」のストーリーというと?

人はいつか必ず死ぬ。死後の世界に出発する時間っていうのは刻々と迫っていて、「Someday」がやってくる。どうせいつか行くなら今いる世界の思い出っていうおみやげをその出発のギリギリまでにたくさん持ってあっちの世界に行けばいいんじゃないかという内容です。

──曲のストーリーありきで歌詞が乗ってくると。

そうですね。逆にストーリー性が見えない曲に対しては歌詞を乗せなくていいとも思います。ストーリー性のある曲における歌詞は、映画のタイトルくらい大切なものだと思ってます。

今あるテスラの殻に閉じこもらない

──飯野さんが単独で歌うパートが以前より多くなりましたね。

飯野桃子(Piano, Cho)

飯野はコーラスなのにまるでボーカルみたいな感じになってきましたよね(笑)。1曲目の「Cry Cry Cry」は、赤ちゃんの産声みたいなものを歌で表現したくて、飯野が「Cry Cry Cry」って歌うところから曲ができていったんですよ。そこから一瞬で曲の世界観が生まれて、泣き声をあげて新しい世界が広がるイメージが湧きました。僕が「Cry Cry Cry」って叫んでも赤ちゃんの産声ってストーリーは生まれなかったでしょうし(笑)。飯野だったからよかったんです。

──ボーカル、コーラスワークの可能性が新たに広がったわけですね。

そうですね。でもバンドにボーカルは1人でいいと思ってるんです。

──ボーカル1人というフォーマットにこだわりがあるんですか?

単純に僕が目立ちたがり屋なだけです(笑)。やっぱりBLANKEY JET CITYもそうだし自分が好きなバンドはボーカルにカリスマ性を感じるからかな。でもさっき言った通り、トライ&エラーを繰り返しているので、まだ自分たちも知らない自分たちの可能性がいろいろ隠れてはいると思ってて。今やってることがテスラだ!っていう殻に閉じ込めることはせずに、これからもいろんなことに挑戦していきたいです。

“マグマロック”はバンドの爆発力を表現してる

──メジャーデビュー決定を契機に、最近は東京でメンバー同士シェアハウス暮らしを始めたそうですね。

共同生活をすることで自然と互いの距離が近くなって、ライブでもほかのメンバーが出す音を昔より近く感じられるようになりました。4人の感情を素直に音に乗せられないと、ほんとに伝わる音楽っていうのは作り出せないなって思います。

──お客さんの反応ってどう感じてますか?

「音源だけ聴くとすごいクールで澄ましてるバンド」って思われることが多いんですけど、実際にライブを観た人からは「生で見たら熱いバンドだった」「音源とギャップがあるバンドだ」ってよく言われます。

──吉牟田さんの激しいパフォーマンスが特に熱いですよね。

彼は抑えきれない感情を素直にステージ上で爆発させてるんですが、あれが素っていうのもおかしいか(笑)。でも僕らもそれを見て奮い立つところがあります。

──それが“マグマロック”たる由縁でしょうかね。

マグマロックは吉牟田が以前ラジオで偶然言った言葉なんですが、桜島のある鹿児島から出たバンドだし、噴火する火山のような勢いとか感情むき出しの爆発力を表現してると思います。

メジャー1stアルバム「TESLA doesn't know how to cry.」 / 2014年6月25日発売 / Virgin Records
初回限定盤 [CD+DVD] 3780円 / TYCT-69018
初回限定盤 [CD+DVD] 3780円 / TYCT-69018
通常盤 [CD] 2980円 / TYCT-60036
CD収録曲
  1. Cry Cry Cry
  2. Lie to myself
  3. my world is not yours
  4. fuga
  5. めんどくせえ
  6. Arc
  7. cold girl lost fiction
  8. パルモア
  9. シャドウ
  10. Someday
初回限定盤DVD収録内容

TOUR 2013 Anderson -the first cry@鹿児島・CAPARVO HALL(2013/11/30)

  1. fuga
  2. イムソン
  3. my world is not yours
  4. アンダーソン
  5. cold girl lost fiction
  6. Arc
  7. Shake your hands saying good bye.
テスラは泣かない。「『TESLA doesn't know how to cry.』release tour」
  • 2014年7月10日(木)愛知県 池下CLUB UPSET
    <出演者>テスラは泣かない。 / The Flickers / Hello Sleepwalkers
  • 2014年7月11日(金)大阪府 LIVE HOUSE Pangea
    <出演者>テスラは泣かない。 / The Flickers / Hello Sleepwalkers
  • 2014年7月18日(金)東京都 WWW
    <出演者>テスラは泣かない。(※ワンマンライブ)
テスラは泣かない。「tour 2014 "Tell me how to CRY."」
  • 2014年9月9日(火)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
    <出演者>テスラは泣かない。 / ドラマチックアラスカ / Suck a Stew Dry
  • 2014年9月20日(土)宮城県 PARK SQUARE
    <出演者>テスラは泣かない。 / and more
  • 2014年9月22日(月)北海道 COLONY
    <出演者>テスラは泣かない。 / and more
  • 2014年9月27日(土)広島県 CAVE-BE
    <出演者>テスラは泣かない。 / ドラマチックアラスカ / 四星球
  • 2014年10月13日(月・祝)福岡県 Queblick
    <出演者>テスラは泣かない。 / and more
  • 2014年10月14日(火)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
    <出演者>テスラは泣かない。 / and more
  • 2014年11月1日(土)鹿児島県 CAPARVO HALL
    <出演者>テスラは泣かない。(※ワンマンライブ)
テスラは泣かない。(テスラハナカナイ)

2008年5月に村上学(G, Vo)、吉牟田直和(B)を中心に結成。鹿児島を拠点に活動を続け、2010年4月に實吉祐一(Dr)、2011年10月に飯野桃子(Piano, Cho)が加入し、現在の編成に。同年11月にオーディション「RO69JACK 11/12」で入賞。ギターロックサウンドをベースに、エモーショナルなピアノリフと女性コーラスが加わったエモーショナルな楽曲群と、叫びにも似た歌声や激しいライブパフォーマンスで着実に知名度を上げていく。2013年9月に1stミニアルバム「Anderson」を発表し、11月には初の全国ツアーを開催。このツアーの最終公演で、EMI Recordsよりメジャーデビューすることを発表した。翌2014年2月に東京で初の自主企画を行い、4月にはメジャーデビューシングル「Lie to myself」をリリース。同月に鹿児島・SR HALLで行ったレコ発ライブは満員御礼となった。6月にメジャー1st アルバム「TESLA doesn’t know how to cry.」を発表。