ナタリー PowerPush - the telephones
ついにメジャーデビュー! 入魂の新作で日本をディスコ化
祝・メジャーデビュー! 結成以来、破竹の勢いでシーンを騒がせてきたthe telephonesが、EMI Music Japanと“結婚”。その証となるニューアルバム「DANCE FLOOR MONSTERS」を、いよいよ7月8日にリリースする。
痛快なサウンドと強烈なライブパフォーマンスで絶大な支持を集めてきた彼らが、なぜこのタイミングでメジャー進出を図ったのか。今回ナタリーでは破壊力抜群の仕上がりとなった新作について聞きつつ、その真意に迫ってみた。
取材・文/大山卓也 インタビュー撮影/中西求
こんな音楽をメジャーでやっていいんだ
──まずはメジャーデビューおめでとうございます!
全員 ありがとうございます。
──メジャーレーベルに移籍して変わったことはありますか?
石毛輝(Vo,G,Syn) 少しずつプロミュージシャンとしての自覚が出つつありますね(笑)。ちゃんとしなきゃっていう気持ちが出てきたというか。
──大きな組織でのやりにくさはないですか?
石毛 ないッスね。スタッフにあれこれうるさく言われることもないし。僕らの音楽を尊重してもらってます。
──石毛さんは髪型が変わりましたけど、髪を切るように言われた?
石毛 いやいやいや。これは自分で切ったんです(笑)。
──メジャーデビューを果たしての感慨みたいなものもありますか?
石毛 ずっとメジャーに行きたいとは思ってましたからね。僕らの音楽をメインストリームにしたいし、それを実現させるためには、より多くの可能性があるメジャーのほうがいいと思ってたので。
──the telephonesがメジャーを意識していたというのは、ちょっと意外ですね。
石毛 僕らは別にインディーズでやらなきゃっていう美学があるバンドではないんで。それよりもたくさんの人に僕らの音楽を知ってほしいと思ってたし。でもやっぱりメジャーデビューが決まったときは「こんな音楽をメジャーでやっていいんだ」と思ってびっくりしましたけど。
俺らの音は単なる踊れるロックじゃない
──ニューアルバムを聴かせてもらいましたが、基本的には前作から大きな路線変更はしていないですよね。メジャーに移った途端にガラッと音が変わるバンドもいますけど。
石毛 そうですね、大きく変えようという意識はなかったです。それよりも4枚目のアルバムとして何をやろうかっていう気持ちのほうが強くて。で、今回は「ロックでいこうぜ!」っていう感じですかね。
──それは具体的に言うと?
石毛 今は普通の曲でもキックで四分打ちを入れたり電子音を入れたり、わかりやすいダンスミュージックをやるロックバンドが増えてきている気がするんです。でも僕らはそういう音楽を最初からやってますからね。今になってお株を奪われるのはイヤじゃないですか。だから今回は特にロックへの愛をthe telephonesなりに解釈して取り入れたつもりで。たとえば2曲目の「Baby,Baby,Baby」はシンセを一切使ってないし。打ち込みを減らしてドラムの音も生に近いものにして、「俺らの音は単なる踊れるロックじゃないぞ」っていうことを言いたかったんです。
──the telephonesと他のバンドとの一番の違いはどこでしょうか?
石毛 テクノロジーをあんまり使ってないっていうところですかね。今は打ち込みも簡単にできるし、サンプルのパターンを組み合わせてループさせておけば、それっぽい曲がすぐ作れると思うんですよ。でもそういう手段は取らずに、今回のアルバムで自分たちにしかできないスタイルを見つけたかった。僕らはやっぱりバンドだからバンドっぽさを出したくて、だから生音を増やして電子音を減らして、僕らにしか出せない音を作ってるつもりです。
CD収録曲
- D.A.N.C.E to the telephones!!!
- Baby.Baby.Baby
- Urban Disco
- Monkey Discooooooo
- Catastrophe
- Hopping Shower
- Jabberwocky
- Dance With You
- Perfect World
- Dead Men
- HABANERO
- Yesterday,Today,Tomorrow (My Life is Beautiful)
the telephones(てれふぉんず)
2005年に埼玉県浦和にて結成されたロックバンド。メンバーチェンジを経て、現在は石毛輝(Vo,G,Syn)、岡本伸明(Synth)、長島涼平(B,Cho)、松本誠治(Dr)の4人編成で活動を展開中。ポストパンク/ニューウェーブにも通ずるダンスロックサウンドが多くのファンを釘付けにしている。2007年に初の公式音源となるミニアルバム「we are the handclaps E.P.」をリリース。2008年1月に1stフルアルバム「JAPAN」を発表し、同年「ARABAKI ROCK FEST.08」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2008」「SUMMER SONIC 08」など各地のフェスを席巻。ハイテンションなパフォーマンスでオーディエンスを熱狂させる。2009年4月、EMIミュージック・ジャパンに移籍。今後メジャーフィールドで精力的な活躍が期待される。