THE BAWDIESとオーディオブランドTechnicsによるコラボオンラインライブ「Technics presents “Connect” Online Live」が3月18日に音楽ナタリーのYouTube公式チャンネルで無料配信される。「アーティストの音楽とファンをつなげる」をコンセプトに掲げたこの配信企画では、THE BAWDIESが新旧の楽曲をパフォーマンスする予定だ。
音楽ナタリーではTHE BAWDIESにTechnicsのワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ60」を試してもらいながら、普段のリスニングの環境、イヤフォンへのこだわり、そしてオンラインライブについて話を聞いた。
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取材・文 / 西廣智一撮影 / 須田卓馬
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Technics「EAH-AZ60」
TechnicsがHi-Fiオーディオ機器の開発で長年培われた音響技術の粋を注いだ完全ワイヤレスイヤフォン。音楽が持つ表現や豊かな空間を再現する高音質を実現させた。ハイレゾ音質の伝送が可能なLDACに対応することで、ワイヤレスでありながらハイレゾ音質が楽しめる。
Technics presents “Connect” Online Live × THE BAWDIES
2023年3月18日(土)20:00~
音楽ナタリー公式YouTubeチャンネルにて配信
この4人だから作れる空気感と音を画面の先へ
──THE BAWDIESは2020年以降、オンラインライブにもトライしてきましたが、有観客と無観客配信とでは向き合い方も異なってくると思います。そのあたりはバンドとしてどう捉えていますか?
JIM(G) 僕たちはライブバンドなので、ライブ活動が止まるとバンドとして死んでしまう。そこをなんとかできないかと配信を始めたところがあって。ライブの魅力って、会場にオーディエンスと俺らがいて、俺らが音を鳴らしてリアクションをもらって相乗効果で盛り上がっていくものだと思うんですよね。でも、無観客だとその相乗効果は生まれない。だからバンドとしてやることはそんなに変わらないんだけど、気持ちの作り方はまったく別モノでしたね。
ROY(Vo, B) 最初はより生の感覚に近いものを目指していたんですけど、何回かやっているうちに「これは生のライブとは別モノかな」という気もしてきて。もちろん、会場に来ているかのような感覚を楽しんでもらっている部分もあると思うけれど、それ以上に1つの映像作品としてカメラワークや演出を楽しんでもらっている感覚が強いです。何より会場では興奮状態で細部まで観られていないところも、配信では臨場感を味わいながら冷静に楽しむことができる。そういう別の魅力があると思っています。
TAXMAN(G, Vo) 別なら別で変えなきゃいけないこともあるのかなと、いろいろ試行錯誤したんですけど、結果として普段通りにやったほうが気持ちが伝わるんじゃないかなというところに着地しました。
MARCY(Dr) 僕はドラムというポジションもあって、みんなよりも一歩後ろにいるので、お客さんが目の前にいないという事実は4人の中では認識が薄かったほうだと思うんです。でも、曲に対しての反応が目や耳で感じられないことに対しては、最初はどうしようかと悩みました。でも、映像だと何回も観られるし、普段見えない動きも確認できるので、そこを意識しながら気持ちを切り替えて臨んでいます。
──特に配信はテレビやパソコン、スマホなど観る環境によって、耳にする音も変わってきます。そういった音の届け方はどう考えましたか?
TAXMAN 自分たちの出している音を極力そのまま、素直に伝えられるように最大限の努力はするというか。そこはこだわりながら作っていて、聴く人も環境を整えてくれたらいい状態で届く状態にはしています。
──例えば、ワイヤレスイヤフォンだと映像と音がズレることもあります。でも、最近はそのへんも調整できるイヤフォンが登場したりと、配信技術に合わせてハード側も進歩している印象がありますよね。
ROY コロナ禍に入ってから、今までライブハウスに行ったことがなかったけど、自宅でライブを観られるなら観てみようと思う人も増えたと思うんです。そういう人たちに、ライブハウスの雰囲気を疑似体験してもらえるという意味でも、ライブを届ける側とそれを楽しむための環境がともに進化して、最高の状態で届けられるようになるのがベストなのかなと。
──確かに「オンラインライブで観て興味を持って、このアーティストのファンになりました」といった声がこの2、3年でだいぶ増えましたよね。そんな中で、今回の配信ライブ「Technics presents “Connect” Online Live」ではどんなステージを見せたいですか?
ROY 普段ライブハウスに足を運ばない人にもTHE BAWDIESの魅力を伝えられる、僕らにとっては大きなチャンス。演奏はもちろんですが、僕らは空気感を大事にしているバンドなので、この4人だから作れる空気と音をしっかり画面の先にいる人たちに届けたいです。
TAXMAN 僕らの持っている迫力や生感が映像を通して伝わるように、気持ちとしてはいつもと同じライブをちゃんと届けたいですし、こだわりのサウンドも変わらずに届けられるように、いろいろと調整して臨みたいです。
MARCY せっかくオンラインライブ用にカメラが何台も用意されるんだから、カメラがあることを意識しながら、お客さんが楽しんでもらえるようなことができたらいいなと思います。
JIM 今までの配信ライブではカメラの向こう側にちゃんと思いを送らなきゃいけないなと思いつつ、俺はカメラを1回も観たことがなかったんですよ。ライブでお客さんの目を見るのは恥ずかしくないんだけど、カメラだとなぜか恥ずかしくなっちゃうので、今回は最低1回は観たいなと思います(笑)。
バランスがよくてフラットに楽しめる完全ワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ60」
──ここからは音楽の聴き方について伺っていきます。皆さんは普段、どんな環境で音楽を楽しんでいますか?
ROY 家ではレコードをかけたりしますし、ツアー中は移動車や電車の中、ライブハウスのバックヤードで集中力を高めるために聴いたりします。いつでも音楽が近くにある気がしますね。
──聴き方もいろいろありますし、そこに対してスピーカーやヘッドフォン、イヤフォンなど選択肢もいろいろあるかと思います。
TAXMAN 家で曲を作るときはなるべくフラットに聴けるヘッドフォンを使ったりとか、リビングでレコードを聴くときは大きいスピーカーで迫力のある音で聴いたりとか、移動中やライブハウスだとワイヤレスのイヤフォンでなるべく自分の時間を作れるような聴き方をしたりとか。シーンに応じて使い分けしています。
──皆さんが普段から好んでいるオールドスクールなロックンロールやソウルと、昨今のモダンな音楽とではハード選びも異なってきますよね。
TAXMAN 僕らがよく聴く50年代、60年代の音楽ってモノラル録音で生感がすごいんだけど、低音が出ていない音源がけっこう多いと思うんです。そういう音楽を聴きたいときに、変に低音を強調しているヘッドフォンだと「こうじゃないんだよな」と思うこともあるので、なるべくフラットに聴けるものが好きですね。
ROY レコードだと再発盤よりもオリジナル盤、その当時のアーティストたちの聴いていた音に近いものがいいという気持ちがあるので、僕もできるだけ手が加えられていない音をしっかりと届けてくれるものを選ぶようにしています。
JIM 僕も元来の音そのものが楽しめるスピーカーやイヤフォンが好みかな。例えば、変にブーストがかかってると、モノラル音源ならではのクラッシュしている音質がさらにクラッシュしてしまう。自分の部屋ではそういう音もちゃんと聴けるスピーカーを使っていますけど、リビングでは普通のコンポだったり、料理しているときも一般的なワイヤレスイヤフォンだったりを使っているので、シチュエーションによってモードが違いますね。
MARCY 僕、ツアーの移動中はすぐイヤフォンをして寝るんですけど、そういうときは特にこだわりはなくて、ただ音楽を流しながら過ごしている感覚。でも、「この曲のこういう部分をドラムに取り入れたい」とか「次の楽曲でこの曲を参考にしよう」というときは、低音を聴きたくなっちゃうんですよね。そういうときは中低域が出るイヤフォンで聴いたりして、用途ごとに使い分けています。
──今のお話を聞くだけでも、それぞれの個性が出ていて興味深いです。今回、皆さんにはTechnicsのワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ60」を事前に試してもらったわけですが、ROYさんとTAXMANさんには以前、Technicsのターンテーブル「SL-1200MK7」の特集(参照:デジナタ連載 Technics×「レコードの日」特集|THE BAWDIES ROY&TAXMAN)にも出演していただいています。Technicsというブランドにはどんな印象がありますか?
ROY レコード屋で試聴するときはSLシリーズを使うことが多いんですが、音のバランスが優れているから選ばれていると思うんです。初心者にも、音にこだわっている人にも受け入れられている、そういうオールラウンドなブランドというイメージがあります。
──オールラウンドに対応できるからこそ、いろんな音楽を聴くのに適してますよね。実際に「EAH-AZ60」を使ってみた感想は?
ROY いろんなタイプの曲を聴いてみて思ったのは、まずはバランスがよくてフラットに楽しめること。加えて、楽器や歌の1つひとつの音がちゃんと鮮明に聞こえて、素晴らしいなと思いました。例えば、ガレージパンクとか激しめの音楽になると、僕が従来使っているイヤフォンだと全体的に音が潰れがちなんですよ。でも、「EAH-AZ60」だとそれが潰れずに、しっかり届くのは驚きましたね。
TAXMAN 僕はThe Beatlesを何曲か聴いたんですけど、レンジが広くてびっくりしました。適当なイヤフォンで聴くと高音がキツくなることがよくあるんですけど、「EAH-AZ60」はそういうのもなくて。アコギのシャキシャキした部分も低音もちゃんと聞こえるから、「実はこんな感じの音だったんだ!」という発見もありましたし、聴いていて楽しかったですよ。あと、ついでにサッカーの実況を「EAH-AZ60」で聞いたんですけど、臨場感が想像以上でワクワクしました(笑)。
JIM 俺もNBA(プロバスケットボールリーグ)の試合を観るときに使ったけど、すげえよかった。
MARCY 俺はホラー映画を観ました。細かい音やちょっとした音がしっかり聞き取れるから、何かが近付いてきてるのがわかってとてもよかったです(笑)。
TAXMAN それは大事だね(笑)。
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機械の設定が苦手でも大丈夫