「一緒に進んでいきましょう」と呼びかけるアルバム
──TDCホール公演の前にはアルバム「ハローニューワールド」がリリースされました。ワンマンとリンクしたタイトルになっていますが、どんなテーマの作品なんでしょうか。
佐山 前作の2ndアルバム「手羽先センセーション」は、前体制の手羽センが歌っていた曲を、現メンバーの私たちが再収録した音源がメインになっていたんです。それに対し、今回の「ハローニューワールド」は、現体制になってから発表した曲が多くて、新曲も5曲収録されています。ワンマンのタイトルでもあった「ニューワールド」には、手羽センが新しい世界を作ってファンの皆さんをそこに連れていく、という決意が込められていて。表題曲の「ハローニューワールド」は、皆さんの背中を押しながら「一緒に進んでいきましょう」と呼びかけるような曲になっているんです。アルバムに収録されている11曲、それぞれ曲調は違うんですけど、どれも今の手羽センにぴったりな曲だと思います。
──その中でも、5人それぞれ推し曲があれば教えてください。
茉城 私は「NARUNAI」です。明るめの曲調で、歌詞に「なるしかないのさこの人生」というフレーズがあるんですけど、実際ホントにその通りだなって思うんですよ。私はめちゃめちゃ悩みがちなんですけど、この曲を聴いていると「考えすぎてもしょうがないし、なるようにしかならないよな」って元気付けられます。コールを入れやすい曲でもあるので、悩みがある方はぜひライブで一緒に叫んで嫌なことを忘れましょう(笑)。
三好 私は表題曲の「ハローニューワールド」が好きです。夢に向かってがんばっている人の背中を押すような歌詞で、私自身、聴いていて前向きになれます。特に朝に聴きたくなりますね。TDCホールの日も、朝この曲を聴いて「がんばるぞ!」と気持ちを上げました。あと、真似しやすい振付になってるのでライブではぜひ一緒に踊ってほしいです。最後の私のソロパートでは、歌ってる私の周りをメンバーが回るんですけど、そのときのメンバーの必死な顔にも注目してほしいです(笑)。
日南 バイオリニストのAyasaさんとコラボした「証 feat. Ayasa」もオススメです。叶わない恋、苦しい恋愛を描いた曲なんですけど、Ayasaさんのストリングスの音色が美しいですし、振付も素敵で、表情も含めて切ない歌詞を伝えているので、ぜひライブに聴きに来てほしいです。去年の名古屋城のライブではAyasaさんに出演いただいて生演奏してもらったんですよ。アイドルのライブにバイオリンの生演奏が入ることってなかなかないと思うので、貴重な経験をさせていただきました。
カワイ 私は先ほど話に出た「未完成日記」がもともと好きな曲で、手羽センに入る前から聴いていました。当時の自分の姿と重なる部分があるし、思い入れの強い曲なんです。今回のアルバムはタイプごとに違う曲が入っていて、Type Cには「未完成日記(2023年ver.)」が収録されています。この5人のバージョンを発表できたのも、その中で落ちサビの頭のパートをいただけたのもすごくうれしかったです。ライブでも心を込めて歌える曲で、ホントにいい曲なので、ぜひ多くの方に聴いてほしいです。
佐山 私は、TDCホール公演とアルバムのレコーディングを通じて、「Wonderland」が好きになりました。TDCホールで披露したときに、皆さんが一緒にクラップやジャンプをしてくれて会場の一体感がすごくて、めちゃくちゃ高まったんです。そのあとCDの音源を改めて聴いたら、めちゃくちゃいい曲だなって実感しました。落ちサビ前に「生きろ!!」って叫ぶところがあって、1番は佑季ちゃん、2番は私が担当してるんですけど、ライブでこのパートがバシッと決まったときの達成感はすごいです。私はそんなに強い人間じゃないし、生きることって難しいなと感じるときもあるんですけど、毎回このパートを歌うたびに「私もちゃんと生きなきゃ」と思うんです。曲を聴いてくれた人も、私と同じように前向きな気持ちになってくれたらうれしいですね。
──「ハローニューワールド」とともにYouTubeでミュージックビデオが公開されている楽曲「モブ」の紹介もぜひお願いします。
佐山 「モブ」は、アイドルファンの間で有名なあの杉山勝彦さんに作っていただいた曲なんです。歌詞が斬新で、主人公が遠慮がちな性格のアイドルファンっていう設定なんですよ。その歌詞をアイドル側である私たちが歌ってる面白さがあるというか。歌詞だけ見ると心にグサッと刺さっちゃうような重い感じもあるんですけど、サウンドにストリングスが入ったことで軽やかかつ豪華な仕上がりになっていて、ライブの人気曲の1つになってます。ただ、表現の仕方は難しいですね。
日南 最初の頃は、歌も踊りも表情も、ライブでどう表現したらいいのかすごく悩みました。個人的に、曲の主人公と私ではアイドルを応援するスタンスが違うんです。でも自分もアイドルが好きなので、歌詞の節々に共感できる部分があるんですよ。そこに自分の気持ちを込めつつ、ほかの部分では主人公の思いを想像しながら、演じるようにして歌っています。
手羽センが考える“ニューワールド”
──手羽センの今後の活動予定についても話を聞かせてください。
佐山 5月27日と28日に名古屋で主催フェス「手羽先セッションFESTIVAL~Suppoted by アイドルアラモード」を開催して、9月には去年に続いてまた名古屋城でワンマンライブをやらせていただきます。
日南 「手羽先セッションFESTIVAL」は全国のアイドルさんを名古屋に呼んで、いくつもステージを作って盛り上げる大きなフェスです。これまでも「手羽先セッション」というタイトルで主催の対バンイベントはやらせていただいてたんですけど、今回はその拡大版で、かなり大掛かりなものになる予定です。私たちにとって初の試みですし、たくさんのアイドルさんやファンの方に集まっていただいて楽しく盛り上がりたいです。
佐山 フォレストホールとTDCホールでのワンマンを終えて、またひとつ壁を乗り越えられたという実感があるんですけど、ここからが厳しいだろうなと個人的には考えてるんですよ。この先さらに高い壁を越えていかなきゃいけないわけですし。今まで通りいろんなところでライブして、その本数を重ねていくだけじゃダメだなと感じています。ここからどうやって手羽センの名前を全国に広げていくのか、どう戦っていくのかがすごく重要なポイントだと思うんです。2023年は手羽センがファンの皆さんを新しい世界に連れていく年にしたいと思って活動しているので、9月の名古屋城ライブでも去年とはまた違った新しいものを見せなきゃいけない。よりスケールの大きいライブをお届けできたらと考えています。
──現時点の手羽センが考える“ニューワールド”、新しい世界というのはどういうものなんでしょう?
佐山 2022年は、現体制の手羽センのことを広める期間だったと思うんです。全国ツアーをして各地で私たちの名前を覚えてもらって、そのうえで9月の名古屋城ライブを成功させることができて。手羽先センセーションという名前がだいぶ広まったのかなと感じています。そしてそれを経た2023年は、皆さんに知ってもらった手羽センのよさや魅力をさらに高めていく年だと考えているんです。フォレストホールとTDCホールで初のホールライブにチャレンジして、アルバム「ハローニューワールド」で新しい姿を見せて……この調子でグループを大きくしていきたいです。
カワイ 言ってみれば、私たちは名古屋という地方のたかがいちアイドルなわけじゃないですか。たくさんの方が関わってくださったおかげでいろんなことを成功させて、徐々に成長できてると思いますが、広い視点で見たらまだまだ手羽センは小さな存在で。そんな私たちがさらにいろんな人たちを巻き込んで、もっと状況を変えていきたい。自分たちなりの音楽や世界観でいろんなものをひっくり返して、いろんな人を巻き込んでセンセーションを起こしたいんです。なので、私たちとファンの方、そしてこれから手羽センを知ってくださる方と作り上げていくものが、手羽先センセーションのニューワールドなんじゃないのかなと思っています。
──名古屋発のアイドルが今までにないセンセーション巻き起こす。それが手羽センの“ニューワールド”であると。
カワイ そうですね。すごく大きな目標ですけど、名古屋から全国、世界中も巻き込んでいけるような存在になりたいです。手羽先センセーションとして“ニューワールド”を築くため、私たち5人は日々がんばっています。
ライブ情報
手羽先セッションFESTIVAL~Suppoted by アイドルアラモード
- 2023年5月27日(土)愛知県 東海オンエア Lives(Lives NAGOYA) / 金城ふ頭野外特設ステージ
- 2023年5月28日(日)愛知県 東海オンエア Lives(Lives NAGOYA) / 金城ふ頭野外特設ステージ
プロフィール
手羽先センセーション(テバサキセンセーション)
東京で活動するアイドルグループ・強がりセンセーションの名古屋支店グループとして2017年に誕生。同年9月に愛知・RAD HALLで1stワンマンライブ「手羽先の逆襲!?公演」を成功させ、2019年4月に1stアルバム「手羽先のおいしい食べ方」、2020年4月にドリーミュージックよりメジャー1stアルバム「行く先、手羽先」を発表した。2021年よりメンバーを一新し、日南遥、佐山すずか、カワイレナ、三好佑季、茉城奈那による5人体制で活動中。2023年2月4日に愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール、3月に東京・TOKYO DOME CITY HALLでワンマンライブを開催した。最新作は3月にリリースしたアルバム「ハローニューワールド」。