TEAM SHACHIが2月13日にデビュー作となるミニアルバム「TEAM SHACHI」をリリースした。
伊藤千由李の卒業を経て、昨年10月に再出発したチームしゃちほこ改めTEAM SHACHI。グループ名を冠したデビューミニアルバムには、秋本帆華が作詞で参加した「ROSE FIGHTERS」をはじめ、メンバーが制作に携わった楽曲を含む6曲が収録されている。音楽ナタリーのインタビューでは4人の挑戦が詰まった本作についてたっぷり話を聞きつつ、今後の目標や今だから話せる“黒歴史”などにも迫った。
取材・文 / 清本千尋 撮影 / 須田卓馬
とにかく私たちは前に進むしかなかった
──TEAM SHACHIとしては初めてのインタビューです。今回リリースされる「TEAM SHACHI」はいつ頃から制作を始めたんですか?
坂本遥奈 ツアー(2018年3月から6月にかけて開催された全国ツアー「チームしゃちほこ SPRING TOUR 2018~日本中でJUMP MAN!?幸せの使者は君だッ!~」)が終わってすぐだから……7月ですね。
大黒柚姫 春から行ってきたツアーの最終公演が終わって、スタッフさんたちから「これからしゃちをよくするためにどうしていきたいですか?」って聞かれたら、ちゆ(伊藤千由李)が「ちゆは辞めたいと思っています」って突然言い出したんです。
咲良菜緒 突然すぎて驚いたよね。それで、「じゃあ4人でどうしていく?」という話をし始めました。
──すぐに次の活動について話が及んだと。
坂本 そうですね。そのときに解散という言葉は私たちから一切なかった。じゃあ4人でどうしようか、という話がすぐに進んでいきました。
──不安はなかったんですか?
秋本帆華 スタッフ民(スタッフ)がみんなでサポートしてくれて、今後の私たちについて真剣に考えてくれたので、あんまり不安はなかったと思います。とにかく私たちは前に進むしかなかった。
──店長(チームしゃちほこの生みの親で、元マネージャーの長谷川ミネヒコ氏)がチームしゃちほこから離れることが決まったとき、これから5人はどうなるんだろうと正直不安だったんですよ。
咲良 私たちも不安じゃなかったかと言われるとそうでもないですけど、店長がいたら改名できなかったかもと思います。
大黒 そうだね。店長はチームしゃちほこへの愛がありすぎたから。
秋本 メンバーみんなが大人になって、最初は右も左もわからなかったところから少しずつやりたいこととかが出てきたタイミングだったんですよね。だからきっと大丈夫だったんだと思います。
自分たちの人生をほかの人に決められるよりいい
──チームしゃちほことTEAM SHACHIの違いは具体的にどういうところだと思いますか? いただいた資料には「大人に作られたアイドルから、共に創造するガールズユニットへ」と書いてありますが。
秋本 えー! 誰が考えたの? それめっちゃいいですね。
大黒 その通りです(笑)。本当に初めは大人が思い付きで作ったユニットだったから。
咲良 「大人に作られたアイドルから、共に創造するガールズユニットへ! TEAM SHACHI!」って自己紹介してもいいくらい(笑)。
秋本 そうだね(笑)。与えられたものを何もわからないまま全力でやるっていうのがチームしゃちほこの初期で、一昨年くらいからライブのセットリストを考えるときに意見を言うようになっていったので。
──そうでしたね。スターダストプロモーションの女子アイドルには定番だとは思うんですが、サプライズ発表も恒例でしたし。
坂本 そうなんです(笑)。今はこれからどんな情報が解禁されるかを先に教えてもらえて、嫌なものは嫌だって断れるようになったんですよ。
──でもそれは裏を返せば自分たちにも責任が課されているということで。自分たちの選択が間違っていたら、自分たちで責任を持つことになる。
咲良 自分たちの人生をほかの人に決められるよりいいと思うんですよ。みんなは今までそう思わなかった?
秋本 言われてみればそうなんだよね。
咲良 でしょ。だから自分たちが責任を負って活動できるのは、振り返ったときに自分で納得できるからいいと思うの。
大黒 確かにそうだね。
大黒柚姫、ハモパートで才能開花
──今回リリースする「TEAM SHACHI」では、秋本さんが「ROSE FIGHTERS」、坂本さんが「グラブジャムン」、大黒さんが「You!」、そして4人全員で「Hello, TEAM SHACHI」の作詞に携わっています。まずは秋本さんに「ROSE FIGHTERS」についてお話を聞きたいのですが、歌詞を書くのはこれが初めてですよね?
秋本 はい。実はコンペだったので、4人全員が曲をもらって、歌詞を書いたんです。その中で私のものが採用されて。メンバーみんなが20代になったので、大人の女性っぽい歌詞にしたかったんですよね。なんとなくバラの花がいいなと思ってまずタイトルを決めました。それからバラについて調べて、メンバーカラーのバラの花言葉を散りばめました。赤のバラには「情熱」、青のバラには「不可能」、緑のバラには「希望」、紫のバラには「誇り」という花言葉があって、それぞれの言葉がラップの部分に入っています。
──この曲はコーラスワークの繊細さも魅力で、大黒さんのハモリがかなり効いていると思いました。ほかの曲も歌のハーモニーが本当にきれいです。チームしゃちほこの曲はハモリよりもユニゾンが多かったと思うので新鮮でした。
秋本 今回はガッツリハモったよね。
咲良 柚姫はなんか……コーラスとして、曲の中にずっといる(笑)。レコーディングの最初の時点で、柚姫にけっこうハモパートが振られたんですよ。私にハモは無理!
秋本 私も! ハモにつられちゃうもん。
大黒 私はもともと人のパートにつられないタイプで、みんなはつられちゃうタイプだったんだよね。ハモって考えると難しいけれど、もともとそういう音程のものと思えば私は全然人にはつられないなあ。
咲良 これだけ活動を続けてきて、やっとハモが得意なことに気付いたんだよね(笑)。
大黒 うん、自分でもやっと気付いた(笑)。
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中学生の頃の私たちには歌えなかった歌詞