ナタリー PowerPush - 多和田えみ

裸のソウルが胸を打つ「Sweet Soul Love」完成 天然系歌姫が語る“エロくてスウィートなラブソング”とは?

多和田えみが3rdミニアルバム「Sweet Soul Love」を3月18日にリリースする。多和田自身の希望により極限まで削ぎ落とされたシンプルなアレンジと、力強い“裸の声”が溶け合った極上のソウルミュージック全5曲。天真爛漫なふるまいからは想像もつかない、骨太なアルバムを作り上げている。

ナタリーPower Push最多登場となる多和田えみ。今回のインタビューでは、天然系キャラクターはそのままに、アーティストとして大きな成長を遂げた彼女の魅力に迫ってみた。

取材・文/臼杵成晃

肌と肌で感じる、素直で人間らしい繋がり方

──今回はかなり大胆なテーマを打ち出していますよね。「エロくてスウィートなラブソング」。ブログでも「テーマは『裸』です」という豪快な発言をされていましたが。

はい(笑)。

──これはどういう心境の変化ですか?

そうですねえ……当然みなさんビックリしていて。でも自分の中では実は何の変化もないんですよ。客観的に見て、今まで私は「健康的」だとか、そういう見え方をされてたと思うんですけど。

──太陽や自然、みたいなイメージがありますよね。

ネイチャーとか、宇宙とか、スピリチュアルとか? 根本は変わってないと思うんですけど、もっと心と心、肌と肌みたいな、リアルな表現もしていきたいなと思いまして。

──それを端的に表すと「裸」になるわけですね。

そうなんですよ。裸っていうか生身っていうか……生身?(笑)まんまっていうか。

──これまではアルバムジャケットのデザインやアーティスト写真も、ナチュラルやオーガニックといったイメージがありましたよね。でも今回は、メイクや髪型の感じも相まって、かなり本格的な“ソウル・ディーヴァ化”が進んでいて驚きました。

ホントですか?

──都会的、都市的なイメージに変わりましたよね。「エロくてスウィートなラブソング」というテーマですが、この「エロ」というのは、多和田さんはどういうニュアンスでとらえているんですか?

肌と肌で感じる、素直で人間らしい繋がり方、というか。

──タイトルが端的にそれを表してますよね。「Sweet」「Soul」「Love」という。

そのまんまですけどね(笑)。

──前作「LOVE & PEACE」っていうのもすごく直球だなと思ったんですけど、今回はますますド直球で。これはどういう意味合いで付けたんですか?

もうまさに「スウィートでソウルなラブソング」っていう。私自身が単純というか、シンプルなものが好きだから、どうしてもシンプルな表現になってしまうんです。なんかもう、直球なんでしょうね。1個のものしか見えないというか。シンプルに考えるほうが自分には向いているみたい。なんか散漫になるとよくないことが起きるので。

──よくないこと?

特に何があったわけでもないですけど(笑)。今まで通りにこれからもとにかくシンプルにやっていこうかと思います。

3rdミニアルバム『Sweet Soul Love』 / 2009年3月18日発売 / 1680円(税込) / techesko / QVCB003

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CD収録曲
  1. Baby Come Close To Me
  2. Only Need A Little Light
  3. Do You Understand My Love
  4. 甘く甘くささやいて
  5. Turn Your Lights Down Low
多和田えみ(たわたえみ)

1984年生まれ、沖縄出身の女性シンガー。高校卒業後、カナダへの語学留学中に出会ったストリート・ジャズ・バンドで歌ったことをきっかけに、本格的に音楽を志す。帰国後に作詞作曲を開始し、2006年2月から沖縄県内のホテルやライブハウスを中心に積極的なライブ活動を展開。翌2007年にMSN/EMI ARTIST主催のオーディション決勝大会で、NYLON賞を受賞する。同年5月に沖縄限定シングル「ネガイノソラ」がリリースされ、好セールスを記録。その後もアントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュートアルバム「ジョビニアーナ~愛と微笑みと花~」や、沖縄出身アーティストによるコンピ盤「琉球LOVERS ROCK」などに参加し、注目を集める。そして2008年4月、ミニアルバム「∞infinity∞」で待望のメジャーデビュー。ブルースやソウル、ジャズ、ファンクなどブラックミュージックから強く影響を受けたサウンドと、ときに激しく、ときに優しく聴き手に訴えかけるソウルフルな歌声が高く評価されている。