メジャーデビュー作「∞infinity∞」からわずか3カ月。2ndステップにして見事な跳躍力を見せた新作「LOVE & PEACE」を携え、多和田えみがナタリー「Power Push」に2度目の登場!

インタビューでは本作の制作秘話やデビュー後の心境の変化、ライブ活動についてなど、さまざまな角度で多和田えみの“今”を語ってもらった。彼女の音楽にかける情熱はもちろん、その独特な“ゆるふわ愛されキャラ”にもぜひ注目してもらいたい。

取材・文/臼杵成晃

「LOVE & PEACE」を体で感じることができた

——今回は2枚目のアルバムということで、1stミニアルバム(「∞infinity∞」)と比べてずいぶん肩の力が抜けた印象を受けたのですが、そのあたりの心境はどうでした?

歌の表現の方法だったり、いろんな部分で1stのときよりも欲が出てきたっていうのはありました。すごくのびのびと、音楽を感じながら出し切れたと思います。

——この直球かつ壮大な「LOVE & PEACE」というタイトルにはどういう意味が込められているのでしょうか?

「1stアルバムをリリースした直後に、大阪で野外のライブイベントに参加させてもらったんですよ。野外の自然と音楽に囲まれた中で、みんなと音楽を通して何かを感じ合うっていう、そういう気持ちのいいライブができて。お互いに何かを感じ合ってる瞬間って、すごく『LOVE & PEACE』だなって思ったんです。で、そのとき急に気持ちが高ぶって、つい『LOVE & PEACE!』って、ステージで叫んじゃったんですよ。

——MCで?

MCで(笑)。『LOVE & PEACE』というのは言葉にするとつい難しく考えがちなものだと思うんです。でも、自分なりの『LOVE & PEACE』って意味をそのとき初めて、体で感じることができたような気がして。

——ライブだからこそ感じることができた?

うん。そうですね。本能みたいな感じですかね。

ざっくりとした自分なりの“夏感”

——今回のアルバムは夏のイメージがあるんですが、それは意識しましたか?

そうですね。ざっくりとした自分なりの“夏感”について、みんなで話し合いながら作りました。

——多和田さんの出身地・沖縄と比べて、東京の夏はどうですか?

やっぱり沖縄とはぜんぜん違って、すごく独特な暑さがありますね。でも今もう、ちらほら出てきてると思うんですけど、東京は浴衣の人がいっぱいいますよね。沖縄には甚平の人はいっぱいいるんですけど(笑)。浴衣を着た女の子を見ると“東京の夏”っていう感じがします。

——本作ではカバーを除く4曲すべての歌詞を多和田さんが書いていますね。歌詞は普段から思ったことを書き留めるタイプと、楽曲を作る段階で書き始めるタイプがいると思うんですけど、多和田さんの場合どちらですか?

どっちもです。普段から気になる言葉を書き留めつつ、いざ歌の歌詞を書くときは『よし、書くぞ』とやらないと書けないっていう。それに歌詞は、曲の持つ印象にインスパイアされることが多くて。そのうえで自分から出てくる何かをたぐり寄せて書いていく感じですね。

——2曲目の「INTO YOU」は英語詞ですが、多和田さんはカナダへの留学経験がありますよね。やっぱり英語はペラペラなんですか?

ペラペラじゃないです(笑)。でも留学したときの経験は生きていて。リアルな、現地の人たちがこういうときどういう言葉を口走るのかとか、やっぱりそのときに学んだことが多いかも。英語の歌詞を書くとは言っても日本語をそのまま変換するわけではなくて、想像したストーリーだったり、絵を言葉にしていく作業なので。

——基本的にはどんどん自分で歌詞を書いていきたい?

歌詞は書いていきたいですね。自分のリアルな気持ちや感情を歌うことが大事だと思いますから。

多和田えみ セカンドミニアルバム 『LOVE&PEACE』

ジャケット写真

2008年7月23日発売 / 1680円(税込) / QVCB-002 / techesko

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CD収録曲
  1. FLOWERS
  2. INTO YOU
  3. eternity
  4. MISERY
  5. 潮騒(オリジナル:山下達郎)
プロフィール

多和田えみ(たわた・えみ)

1984年6月26日、沖縄県宜野湾市に生まれる。学生時代はマーチングバンドに参加。

高校卒業後、カナダへの語学留学中にストリートジャズバンドで歌い、音楽を志す。

帰国後は本格的にボーカル、作詞作曲を始め、2006年2月より沖縄県内のホテルやライブハウスを中心にライブ活動をスタート。

2007年4月、MSN/EMI ARTIST主催のオーディション決勝大会で、NYLON賞を受賞。

5月16日に初のCDシングル「ネガイノソラ」を沖縄県内限定でリリース。発売1ヶ月で2000枚を売り上げ、タワーレコード那覇店などでインディズチャート1位を獲得する。

続く6月、東京にて初のワンマンライブを敢行。メジャーレーベル各社による獲得争奪戦の末、アミューズが新設したプロダクション&レーベル<AZEAL>の第1弾専属アーティストとして契約を果たす。

2007年10月にアントニオ・カルロス・ジョビン生誕80年記念トリビュートアルバム「ジョビニアーナ~愛と微笑みと花~」に参加。2008年1月発売のコンピCD「琉球LOVERS ROCK」では風味堂の「ゆらゆら」をレゲエアレンジでカバーし、2月発売のコンピ「DIVA」にオリジナル曲「CAN'T REACH」で参加する。3月にはDJ KAWASAKIとのコラボナンバー「INTO YOU feat. EMI TAWATA」も発表。

4月23日に、待望のメジャーデビューミニアルバム「∞infinity∞」をリリースした。