Task have Fun「Violet tears」特集|“全曲リード曲”の自信作、3人のレベルを引き上げた渾身の10曲 (2/4)

白岡今日花ソロインタビュー

私の中の“スイッチ曲”

──ニューアルバム「Violet tears」の中で、白岡さん的に収録曲の特に心が惹かれた楽曲はありますか?

どの曲にも思い入れがあるんですけど、今挙げるとしたら「背徳的カタオモイ」「哀嘘,私寝(I lie,I lie)」「メインアクター」の3曲ですね。「背徳的カタオモイ」は曲調も振付も好きで、ライブで披露するとスイッチが入ってテンションが上がるんです。今年の3月にお披露目したんですけど、そのあとのツアーではセットリストの冒頭に持ってきました。私の中の“スイッチ曲”ですね(笑)。楽曲の世界に入り込みやすいというか、明るい曲では終始笑顔で歌うのが基本ですが、「背徳的カタオモイ」はそういう感じじゃないんですよ。振付をしてくれたのがSA.KANA先生で、すごく印象に残る振りになっています。

白岡今日花

白岡今日花

──作曲や編曲を手がけたのは代表曲の「3WD」をはじめ、初期からTask have Funの楽曲を多数手がけてきたGUCCHOさんで、盤石のチームによる新曲という感じですね。

いろんな方とお仕事させていただくのももちろん好きですが、お馴染みのSA.KANA先生やGUCCHOさんが参加している曲は、振り入れやレコーディングのときに実家のような安心感を感じます(笑)。

──GUCCHOさんにはどういう印象を持っていますか?

すごく優しいですし、レコーディングでは毎回こだわってディレクションしてくださいます。「今日花なら、もっとこういうことができると思う。今、自分でできないと思っていても、それ以上のことができるから」と鼓舞して、一緒にいろいろとトライしてくれるんです。「背徳的カタオモイ」では「悪い女かもね?」というフレーズを何回も録り直して。そのときに「もっとできるよ」と発破をかけてくださったおかげで、今ではファンの方たちに「今日花ちゃんのあのパート好き!」と言ってもらえるようになりました。GUCCHOさんにはホントに長いことお世話になっていますし、今のタスクを作り上げてくださった1人という感じですね。

──続いて、大人びた雰囲気の楽曲「哀嘘,私寝(I lie,I lie)」の紹介をお願いします。

最初に音源を聴いたときは、カッコいいけど、ちょっと不思議な感じだなという印象で。振りが付いたときに、もともとよかった曲がさらに素晴らしくなりました。100%が180%くらいになった感じ。曲と振りのマッチの仕方がすごいんですよ。「背徳的カタオモイ」もそうですけど、どちらかと言うと私はカッコいい大人っぽい曲が好きで。「哀嘘,私寝(I lie,I lie)」はライブで披露するとお客さんが振りコピしてくれるし、これも“スイッチ曲”かもしれません。やっぱり、メンバーの年齢が上がってきたことでだんだんと大人っぽい曲が似合うようになってきたんですよね。昔は明るい雰囲気の曲のほうが得意でしたが、最近はカッコいい曲がハマるようになってきて、自分たちでも成長を実感しています。

──アルバムには「La La La ショコラ」「相対性♡LOVE!」という、かわいい方向に振り切った曲もありますが、この2曲の手応えはいかがですか?

声質的にかわいい系の曲はあまり得意ではなかったのですが、今回の挑戦で新しい一面を見せられたと思います。最近はスタッフさんから「歌の表現力が上がった」と言っていただけることが増えました。レコーディング前のボイトレでも、歌の先生に「曲の雰囲気をつかめるようになってきたね」と言われて。「La La La ショコラ」は振付もかわいくて、お子様に向けたような雰囲気の曲なので、ぶりぶりにキュートに踊って曲に入り込むようにしています(笑)。セットリストにかわいい系の曲が多いときは、ツインテールにしてみたり、形から入ることが多いです(笑)。

──あと、「メインアクター」についても伺いたいのですが、これは熊澤さんも思い入れの強い曲に挙げていました。

「メインアクター」は誰にでもハマりやすい、馴染みやすい曲ですね。フェスでは私たちの代表曲を求めて観に来るお客さんが多いんですけど、「メインアクター」は初めてのお客さんも盛り上がってくれるんです。タスクらしいハッピーな要素も詰まっているし、人気の曲ですね。いい意味で新曲という感覚がないです。歌割りも振付も全部含め、昔からの持ち曲だったかのように私たちにハマりました。

白岡今日花

白岡今日花

白岡今日花

白岡今日花

最近さらにポジディブ人間に

──続いて、熊澤さんと里仲さんに対してリスペクトしているところ、これは敵わないと感じるところがあればぜひ聞かせてください。

ふうちゃん(熊澤)はすごく気遣いができて。何に対してもいち早く気が付いて、「大丈夫?」とメンバーを支えてくれる子です。だから、パフォーマンスで何かミスして「ヤバい!」と思ったときは、無意識のうちにふうちゃんのほうをちらっと見ちゃいます。すると、微笑みながらうなずいてくれるんですよ(笑)。心が落ち着くので、いつも頼っちゃいますね。ホントに他人を優先するタイプで、あそこまでの子はほかに見たことがないです。人のことを思って泣いちゃうような子なんです。

──それは、出会ったときからずっと変わらず?

ずっとですね。例えば3種類のお弁当が1つずつあって、それぞれ好きなものを取るとしたら、ふうちゃんは絶対に自分が食べたいものを言わないんですよ。「どれ食べたい?」と聞いても、「余ったやつがいい」って返してきて。「でも、選びなよ」と促すと、私や菜月が好きじゃなさそうなお弁当を選ぶんです。最近は「それは逆によくないよ。自分が食べたいものは『食べたい』」って言いなさい」と伝えて、そういうことは減ったんですけど、ほかの場面でも気遣いをすごく感じるし、そこに助けられていると思います。その姿勢はファンの方も含め誰に対しても同じですし……とにかく人がいい!

──里仲さんのキャラクターについてはどう感じていますか?

変わっていておかしな子だけど、すごく面白くて、いつも笑わせてくれます。その一方で、真面目だったり、繊細だったりする部分もあって。年下であることを感じさせるかわいいところもあるし、「菜月を守らなきゃ!」という気持ちにさせてくれる、がんばらせてくれる存在ですね。太陽という言葉が似合う子で、自分自身の士気も周りの人の士気も上げられるんです。

──先ほど、熊澤さんにもほかのメンバーに対する思いなどを聞いたのですが、その際、白岡さんについて「タスクの道を切り開いてくれる存在」だと話していました。大人とコミュニケーションを取るのが得意だと。

もともと、大人の方とお話しするのが好きなんですよね。それに、職業的にマネージャーさんを介してほかの大人の方と話すことが多いですけど、「タスクと一緒に仕事をすると楽しいな」と思ってもらいたいので自分からも積極的に話さなきゃって。グループの中でその役目をやるとしたら、性格的に私なのかなと思っています。

──Task have Funは3人のキャラクターの絶妙なバランスがグループの面白さにつながっていると思いますが、その中で白岡さんが要になっているイメージです。

そう言ってもらえるとうれしいです。思っていることを何でも言っちゃう性格で、しゃべりすぎちゃうところもあるので、そこは直したいんですけどね(笑)。こういうインタビューやラジオとかも含めて、話すこと自体が大好きなんですよ。

白岡今日花

白岡今日花

──ほかに、自分の長所だと自覚していることはありますか?

もともとポジディブな性格なんですけど、最近さらにポジディブになってきて。落ち込むことがだいぶ減って、自分の中で気持ちを切り替えることができるようになりました。「ここまでは気にするけど、ここから先は気にしない」みたいな線引きが自分の中で器用にできて、前よりも明るくなったと思います。年齢を重ねて大人になったことも関係していると思うんですけど……。

──昨年は休養していた期間がありましたが、それが影響したところも?

そうですね。その期間に立ち止まっていろいろと考えた結果、気が楽になりました。いい意味で変われたと思います。