CHIHARU、AD見習いに
──キーボードのCHIHARUさんは、今回ディレクション役に徹していたとか。
CHIHARU(Key) あの、決してサボってたわけじゃなくてですね(笑)。キーボードが参加していない曲のときは、ADとしてみんなのことを見守っていました。サウンドについて少しディレクションさせてもらったり、みんなに「何飲みたい?」って聞いて買い出しに行ったり、出前を取ったり……。
──えっ、そんなことまでされていたんですか?
CHIHARU あくまで“AD見習い”なので(笑)。あとは今回、プロデューサーとして「花火」(2015年8月リリースの3rdアルバム「TANCOBUCHIN vol.3」収録曲)を手がけられた大久保友裕さんが入ってくださったんですけど、大久保さんのことをずっと観察していて。
──観察ですか。
CHIHARU 大久保さん、雰囲気作りがすごく上手なんです。大久保さんとは出会って2年ほどで、そんなにしょっちゅうお会いするわけでもなんですけど、メンバーそれぞれの性格をすごく理解してくださっていて。声の掛け方とかコミュニケーションの取り方を間近で見ていて、「こうすればいい雰囲気でレコーディングが進んでいくのかな」って自分なりに考えたりしました。
──客観的にレコーディングに立ち会ったからこその発見ですね。
CHIHARU はい。これまであまり意識してこなかったんですけど、いろいろと気遣っていただいていたんだなって。私たちは5人でセルフプロデュースしたオリジナルアルバムを出すのが1つの目標なんですけど、そのときには今回の経験を少しでも生かせたらいいなと思います。
歌っていていつも泣きそうに
──収録曲のうち、特に思い入れのある楽曲はありますか?
MADOKA やっぱり文化祭ライブのシーンで歌う「蝉時雨ライダーズ」は思い入れが強いです。燐ちゃんにとっては人生最後のライブだし、歌っているとPrimemberのみんなの顔が思い浮かんで。今、映画の全国キャラバンで各地を回って劇中歌を歌わせていただいてるんですけど、この曲を歌っていると気持ちが高まって、いつも泣きそうになっちゃうんです。燐ちゃんはもちろん、智くんが胸に秘めているもどかしい思いとかも重なって……原作を読んでいても、一番の涙ポイントだったので。
──そうなんですね。高橋久美子さんが手がけたまっすぐな歌詞も印象的です。
MADOKA 1stアルバムでご一緒して以来だったので、この機会にまたお仕事できてうれしかったです。高橋さんの歌詞って自分の中にすっと入ってくるんですけど、自分では絶対に思い浮かばないなと思える言葉遣いで。すごくカラフルと言うか、情景が見えるんですよね。
──MADOKAさんも何曲か作詞を担当されていますよね。大久保さんとの共作「TIME」にはどんな思いが込められているんでしょうか。
MADOKA 2コーラス目から主に私が書きました。智くんはある後悔を抱えてタイムリープする男の子なんですけど、この曲では後悔や悩みに対して前向きになれる言葉も入れたいなと思って。「マイナスがプラスなんだ」というフレーズがまさにその部分です。別に映画の中だけの話じゃなくて、普通に生活していても「あの時ときこうしてればよかったな」とか「あんなこと言わなきゃよかったな」と後悔することって、よくあることだと思うんです。だけど時間が経ってみればその経験があったからこそ今があると思えるし、肯定できるようになる。そんな気持ちを込めて作った曲です。
意外と難しいことやってるんだな、私
──シングルとしても発表された「遠距離恋愛爆撃ミサイル」は、Movie versionとシングルバージョンの両方が収録されています。
MADOKA 改めて聴いてみて思ったんですけど、Movie versionは声が青い感じがするんですよね。
──青い?
MADOKA 私の中で燐ちゃんのイメージって、明るさの度合いが人とは違う子と言うか。もう、「走れば煙出るぞ」みたいな、暴走車みたいなイメージなんですよ(笑)。私、いつもレコーディングの前に気合いを入れるためにジャンプしたりするんですけど、この曲を録るときはいつもよりそれが激しかった気がします。燐ちゃんのテンションに持っていくために、ぴょんっぴょん飛び跳ねてから歌いました(笑)。
──その「遠距離恋愛爆撃ミサイル」が課題曲の、高校生を対象としたバンドコンテスト「ニドナツバンド選手権2017」も開催されました。皆さん応募音源はチェックされたんですか?
YURI 聴きました聴きました! イントロが私のオクターブで入るんですけど、何だろう、みんなの演奏を聴いて「意外と難しいことやってるんだな、私」みたいな……意外と苦戦している様子だったので、「あ、私弾けてるわ」って安心しました(笑)。
MADOKA あはは(笑)。プロなんだから弾けないとダメでしょ!(笑)
YURI いや、ほんとに「自信持とう」って思いましたね(笑)。でもみんな細かいところまで聴き込んでくれていることがわかって。コピーを聴くと「この曲がこんなふうに聴こえてるんだ」という発見もあるし、曲のよさにも改めて気付かされます。
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SCANDALを前に「やってやるぜ!」
- 映画「二度めの夏、二度と会えない君」
- 2017年9月1日(金)全国ロードショー
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- ストーリー
- 転校生・森山燐と、彼女に恋心を抱く男子高校生・篠原智。
「バンドを組んで文化祭で演奏する」という燐の夢を叶えるためメンバーを集めて奮闘する智だったが、燐にはある秘密があった。
- 監督:中西健二
- 脚本:長谷川康夫
- 原作:赤城大空「二度めの夏、二度と会えない君」(小学館「ガガガ文庫」刊)
キャスト
村上虹郎 / 吉田円佳 / 加藤玲奈 / 金城茉奈 / 山田裕貴 / 本上まなみ / 菊池亜希子
- たんこぶちん「二度めの夏、二度と会えない君 feat.Primember」
- 2017年8月30日発売 / ヤマハミュージックコミュニケーションズ
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TYPE-A [CD]
1500円 / YCCW-10309 -
TYPE-B [CD]
2300円 / YCCW-10310 -
TYPE-C [CD+DVD]
2500円 / YCCW-10311/B
- TYPE-A、TYPE-C CD収録曲
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- 遠距離恋愛爆撃ミサイル(Movie version)
- さよなら監獄教室
- TIME
- グライダー
- 蝉時雨ライダーズ
- 夏のおわりに
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル
- TYPE-B CD収録曲
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- 遠距離恋愛爆撃ミサイル(Movie version)
- さよなら監獄教室
- TIME
- グライダー
- 蝉時雨ライダーズ
- 夏のおわりに
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル(燐&智 version)
- さよなら監獄教室(燐&智 version)
- TIME(Instrumental)
- グライダー(Instrumental)
- 蝉時雨ライダーズ(Instrumental)
- 夏のおわりに(Instrumental)
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル
- TYPE-C付属DVD収録内容
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- 夏のおわりに music clip
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル music clip
- 映画「二度めの夏、二度と会えない君」予告編
- 映画「二度めの夏、二度と会えない君」メイキング
- 蝉時雨ライダーズ music clip performed by Primember
- バンドスコア「たんこぶちん 二度めの夏、二度と会えない君 feat.Primember」
- 2017年8月27日発売 / ヤマハミュージックメディア
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[バンドスコア] 2700円
- たんこぶちん
- 2007年、MADOKA(G, Vo)、YURI(G)、CHIHARU(Key)、NODOKA(B)、HONOKA(Dr)らが佐賀県唐津市で結成したガールズバンド。九州を中心にライブ活動を行うかたわら、ヤマハ主催「Music Revolution」など、さまざまな音楽コンテストで各賞を受賞する。2008年には唐津と姉妹都市提携を結んでいる韓国・麗水市との交流イベント「麗水市国際青年祝祭」や、2013年には「ARABAKI ROCK FEST.13」、「ROCK IN JAPAN FES.2013」にも登場。さらに2008年放送の「M PRESENTS 全力!Tunes」(日本テレビ系)や、2012年の「AKBINGO! サマースペシャル ! 全力バンド選手権」(同)に出演し、MADOKAがGoogleのCMキャラクターに選ばれるなど各方面にその名を轟かせ、2013年7月「ドレミFUN LIFE」でメジャーデビュー。2014年1月には初のフルアルバム「TANCOBUCHIN」を発表する。以降もリリースを重ね、2015年1月に2ndアルバム「「TANCOBUCHIN vol.2」、8月に3rdアルバム「TANCOBUCHIN vol.3」、2016年2月に「TANCOBUCHIN vol.4」をそれぞれ発売。2017年2月にはMADOKAの映画初出演作となる「二度めの夏、二度と会えない君」の劇中歌を表題曲に据えたシングル「遠距離恋愛爆撃ミサイル」を発表する。さらに同作の劇中歌集「二度めの夏、二度と会えない君 feat.Primember」を8月にリリースした。