ナタリー PowerPush - たんこぶちん

18歳、ラストJKの放つ“7年間の集大成”

“ラストJK”だから考えること

──作詞作曲はいかがでした? 今回皆さんは「We Gonna ROCK」以外にも、アルバム用の新曲として「ソラノナミダ」の作詞作曲と「走れメロディ」の作詞を手がけていますけど。

MADOKA 「走れメロディー」の詞は悩みました。

YURI 曲と一緒に「地元」「卒業」「学校」っていうテーマをもらっていたので。5人それぞれそのテーマにあった詞を考えてきて、スタッフさんと一緒にパズルしてできあがったのがこの歌詞なんですけど……。

MADOKA 歌入れ直前までずっと直してたんですよ。だから最初の歌詞と違うのはもちろんなんですけど、仮歌の時点と比べてもサビなんかはけっこう変わってます。なんかずっと「歌詞が説明的すぎるな」「ごちゃごちゃしすぎてるな」「言葉の聞こえ方がイマイチだな」とか、なんかそういうことを考えていて。ピッタリくる言葉を見つけるのに時間がかかりました。

HONOKA しかも5人それぞれ詞を考えてくるまでにも時間がかかって……。

──でもちゃんと卒業の寂しさをたたえつつも、まさにタイトルどおり、走り出したくなるというか、新たな旅立ちを祝福する詞になりましたよね。

MADOKA なのでホッとしてます(笑)。

──「ソラノナミダ」は?

YURI 曲はMADOKAで詞は私です。(シングル「シアワセタランチュラ」のカップリング曲)「ヒカリ」もそうだったんですけど、夜、家の屋根に登って星を見ながら書きました。

──その詞ってけっこうシリアスですよね。最後に「負けないくらい大きな 夢を追いかけて」と歌ってはいるけど、冒頭のフレーズは「消えない過去 見えない未来 不安ばかり」だし、そもそもタイトルは「ソラノナミダ」だし(笑)。

YURI 確かに(笑)。

──そこがたんこぶちんの面白いところだと思うんです。高橋さんや中山さんをはじめ外部の作家さんは基本的にすごく威勢よくて明るい詞や曲を提供している。つまり周囲には皆さんが元気でポップな5人の女の子に見えているんだけど、当の本人たちは明るい「走れメロディー」の作詞に大いに悩み……。

YURI 「ソラノナミダ」とか「ヒカリ」みたいな歌詞を書いてる(笑)。

──そうそう(笑)。インディーズ時代からの曲ですけど「UJI UJI」もやっぱりタイトルからして……。

MADOKA 暗い(笑)。

──いざ曲を作るとなるとなんでシリアスモードになるんですかね?

MADOKA 答えになってないかもしれないんですけど、「ソラノナミダ」とか、私が作る曲もなんか暗くなっちゃうんですよね(笑)。なんか好きなんだと思います、そういう曲調が。

CHIHARU あと「5人でがんばっていかなきゃ」っていうこととか、進路のこととか、やっぱり悩むことはいろいろあるので。

YURI 友達を見ていてそう思う部分もありますし。私は音楽一本でやっていくんだって決めてるんですけど、周りには進路がなかなか決まらなくて悩んでる子もいて。ホントに「ソラノナミダ」の「求めるものは 掴めないものだらけ」って感じだったので。でもだからこそがんばってほしい気持ちになったというか。それで「ソラノナミダ」の最後の「負けないくらい大きな 夢を追いかけて」っていう詞が自分の中から出てきたんだと思います。「私が付いてるから」っていうと上から(目線)すぎるんですけど「一緒にがんばろう」って気持ちになったので。

──そういう思いを抱えている一方で、周りのクリエイター陣にポップなバンドとして見られているのってどういう気分がするものですか?

NODOKA むしろうれしいです(笑)。

YURI うん。明るいのも私たちの一面なので、そこをちゃんと見てくださってるのはうれしいですね。

楽しい明日しか待っていない

──で、その進路というか、3月に高校を卒業してからも活動の拠点は佐賀のまま?

NODOKA 私とほのちゃんとちぃ(CHIHARU)は進学するので学業と音楽活動の両立を目指します。

YURI 私とMADOKAは音楽活動一本になります。進学組もいるので活動の拠点は福岡になるんですけど、今まで以上に東京にも行きます!

──おっ、新生活のスタートだ。

MADOKA 友達できるかなあ……。

YURI 進学組は友達できるだろうけど、私たちはどうしよっかね?(笑)

──実際、どうやってお友達を作りましょう?

MADOKA ライブハウスでライブ!

──以前言ってましたもんね。唐津にはライブハウスが少ないから夏祭りのステージに出たり、ビヤガーデンの箱バンをしたりしてたって。でも福岡ならライブハウスも多いし。

YURI そこでファンの方とか音楽人脈とかを増やします!(笑)

──自分自身に変化はありそう? 同じ九州地方で唐津から普通列車で1時間そこそこの距離とはいえ環境が変わるわけですけど。

CHIHARU 私とほのちゃんとのどちゃん(NODOKA)は変わると思います。

NODOKA うん。

──学校が変わるわけですからね。

YURI 書く曲も変わると思うんですよね。進学組は私とMADOKAが知らない新しい刺激を受けることもあると思うし、そうしたら私たちが書けないような曲を書いてくるようになる気がするので。

たんこぶちん

──そうか。皆さんの場合、メンバー全員がまったく違う境遇に置かれるっていうのも初めての経験なのか。

MADOKA そうですね。小学校ではクラスメイトだったし、そのあともずっと同じように中学生、高校生だったので。

──その環境の変化に対する不安と期待どっちが大きい?

YURI 期待しかしてないというか、楽しみでしかないです(笑)。たんこぶちんとして今まで以上にいろんなことができるようになるはずなので。

一同 うん!

ニューアルバム「TANCOBUCHIN」 / 2014年1月22日発売 / [CD+DVD] 3150円 / ヤマハミュージックコミュニケーションズ / YCCW-10212/B
ニューアルバム「TANCOBUCHIN」
CD収録曲
  1. ドレミFUN LIFE
  2. カラフルスニーカー
  3. ソラノナミダ
  4. ヒカリ
  5. 闘うばい!
  6. コイゴコロ
  7. シアワセタランチュラ
  8. 唇はもっと
  9. UJI UJI
  10. We Gonna ROCK
  11. 走れメロディー
  12. そんなに遠くない未来に
DVD収録内容
  1. ドレミFUN LIFE
  2. シアワセタランチュラ (music clip)
  3. 笑顔と元気で全力疾走!
  4. シアワセタランチュラ 弾いてみた
  5. シアワセタランチュラ発売記念ライブ ダイジェスト @Shibuya O-Crest
たんこぶちん「卒業ライブ!」
2014年4月4日(金)
東京都 下北沢CLUB Que
OPEN 18:30 / START 19:00
2014年4月5日(土)
大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
OPEN 16:30 / START 17:00
2014年4月6日(日)
福岡県 graf
OPEN 16:30 / START 17:00

※全公演ともチケットは2月2日より各プレイガイドで一般発売。

たんこぶちん

たんこぶちん

2007年、MADOKA(G, Vo)、YURI(G)、CHIHARU(Key)、NODOKA(B)、HONOKA(Dr)らが小学校の課外活動の一環として佐賀県唐津市で結成したガールズバンド。九州を中心にライブ活動を行うかたわら、ヤマハ主催「Music Revolution」など、さまざまな音楽コンテストで各賞を受賞する。2008年には唐津と姉妹都市提携を結んでいる韓国・麗水市との交流イベント「麗水市国際青年祝祭」や、2013年には「ARABAKI ROCK FEST.13」、「ROCK IN JAPAN FES.2013」にも登場。さらに2008年放送の「M PRESENTS 全力!Tunes」(日本テレビ系)や、2012年の「AKBINGO! サマースペシャル ! 全力バンド選手権」(同)に出演し、MADOKAがGoogleのCMキャラクターに選ばれるなど、各方面にその名を轟かせ、2013年7月「ドレミFUN LIFE」でメジャーデビューし、10月には2ndシングル「シアワセタランチュラ」をリリース。2014年1月には初のフルアルバム「TANCOBUCHIN」を発表する。