ナタリー PowerPush - たんこぶちん

18歳、ラストJKの放つ“7年間の集大成”

たんこぶちんがアルバム「TANCOBUCHIN」をリリースする。

2007年、小学6年生のときに結成し、以来地元である佐賀県唐津市や九州地方はもちろん、全国区でも華々しい活動を繰り広げてきた、女子高生バンドたんこぶちん。「TANCOBUCHIN」はそんな彼女たちの初のフルアルバムとなる。「ドレミFUN LIFE」や「シアワセタランチュラ」といった2013年のメジャーデビュー以降のシングル曲はもちろん、「カラフルスニーカー」「UJI UJI」などインディーズ時代の楽曲も収録。さらに作詞家に高橋久美子(ex. チャットモンチー)を迎えた「闘うばい!」「唇はもっと」、中山加奈子(プリンセス プリンセス)が詞を手がけた「We Gonna ROCK」といった、ガールズバンドの先輩にしてスタークリエイターたちとの共作曲も収められている。

今回ナタリーではたんこぶちん5人を直撃。結成から7年、満を持してリリースするアルバム「TANCOBUCHIN」について話を聞いた。また彼女たちはこの3月でそれぞれ高校を卒業。まさに“ラストJK”の大詰めを迎えた今思うこと、そして今後の展望についても語ってもらった。

取材・文 / 成松哲 撮影 / 上山陽介

胸を張って出せる“7年間の集大成”

──バンド結成以来、インディーズを含めるとけっこうCDを制作していますけど、今回の「TANCOBUCHIN」のようなフルアルバムを作るのは……。

たんこぶちん

MADOKA(Vo, G) 初めてです。

CHIHARU(Key) でもホントに小学6年生のときから今現在までのたんこぶちんの7年間全部が詰まった、胸を張って出せるアルバムになったな、って思ってます。

HONOKA(Dr) うん。自分でも大好きなアルバムです(笑)。

──確かに面白い作品になりましたよね。中でもまず気になったのが曲順で。1曲目のデビュー曲「ドレミFUN LIFE」から始まる前半戦はポップな楽曲が並んで、折り返し地点の7曲目、2ndシングル曲「シアワセタランチュラ」以降はいわゆる“ロック”な楽曲が並んでいる。誰のアイデアでアナログ盤のA面、B面みたいな構成のトラックリストにしようと?

NODOKA(B) みんなで決めました。「ドレミ~」から明るく始めることと、最後の2曲「走れメロディー」と「そんなに遠くない未来に」をここに置くことは最初からみんなで決めてて。そのあいだをどうやってつないだらカッコよくなるかを相談して並べていった感じです。

HONOKA さっきおっしゃっていたみたいに「後半が始まるよ」っていう感じにしたかったので「ドレミ~」とは雰囲気の違う「シアワセ~」が真ん中だな、って感じで。

──シングル曲はそれぞれアルバム前半戦、後半戦のオープニングテーマである、と。

HONOKA はい。

憧れの人の書く“歌ってて楽しい”詞

──じゃあアルバムをその前半と後半に切り分けてお話を聞いていきましょうか。前半の目玉はやっぱり「闘うばい!」の詞を高橋久美子さんが手がけたことだと思うんですけど、どういう経緯で高橋さんが参加することに?

MADOKA 去年の5月に原宿でやったコンベンションライブを久美子さんが観に来てくださっていて、そこでご挨拶させてもらったのがきっかけです。

──以前のインタビュー(参照:たんこぶちん「ドレミFUN LIFE」インタビュー)で小学校時代からチャットモンチーをカバーしていたって言っていましたよね。その憧れの人との対面っていかがでした?

CHIHARU コンベンションライブに来てくださっていることを知らなかったので「えっ!?」ってなって。スタッフの方から「今からある人にご挨拶するよ」って言われて「誰だろう?」と思ってたら、久美子さんがそこにいて。「まさか私たちのライブを観てくださってたなんて!」みたいな、ホントに驚きでいっぱいでした。

MADOKA うん。ライブDVDとかPVとかでいっぱい観てた人なんで、目の前にいることが信じられなかったです。

NODOKA なんか一瞬「本物かな?」って(笑)。

──むしろ会ってみたいですけどね、高橋さんのニセモノ(笑)。

YURI(G) あはははは(笑)。私は「あっ、久美子さんだ!」ってやっぱりビックリしたんですけど、ほのちゃん(HONOKA)が久美子さんのことをずっと「好きだ」「好きだ」って言ってるのを知ってたから「ほのちゃんよかったね」っていう気持ちが一緒に出てきました。で、ほのちゃんのほうを見てみたら、なんか泣いてるし(笑)。

──尊敬するドラマーに会えて感激した?

HONOKA はい。バンドを始めたころからずっと憧れていた人だったのでホントにうれしかったです。

──その5人全員の憧れの人の詞はいかがでした?

MADOKA 自分たちでは思い付かないような、すごいことを書かれるなって思いました。あと、なんかえっちゃん(橋本絵莉子)が歌ってそうな歌詞だなって思ったんですよ。だから歌っててすごく楽しかったです(笑)。

YURI 確かに「音楽の魔法くるりん」とかすごいよね。「あっ、こういうふうに詞を書いたらかわいくなるんだ」ってホントに勉強になりました。私「くるりん」がホントに好きで。弾いてるときもずっと「くるりん」って頭の中を巡ってました(笑)。

CHIHARU でも「信じた道で闘うぜ 闘うばい! 闘うけん! 闘うぜ!」っていうところとかは私たちらしいなって思っていて。私の中ではこの「信じた道」っていうのは、5人でビッグになる道のことだから「これからも戦っていこう」って改めて思えました。

ニューアルバム「TANCOBUCHIN」 / 2014年1月22日発売 / [CD+DVD] 3150円 / ヤマハミュージックコミュニケーションズ / YCCW-10212/B
ニューアルバム「TANCOBUCHIN」
CD収録曲
  1. ドレミFUN LIFE
  2. カラフルスニーカー
  3. ソラノナミダ
  4. ヒカリ
  5. 闘うばい!
  6. コイゴコロ
  7. シアワセタランチュラ
  8. 唇はもっと
  9. UJI UJI
  10. We Gonna ROCK
  11. 走れメロディー
  12. そんなに遠くない未来に
DVD収録内容
  1. ドレミFUN LIFE
  2. シアワセタランチュラ (music clip)
  3. 笑顔と元気で全力疾走!
  4. シアワセタランチュラ 弾いてみた
  5. シアワセタランチュラ発売記念ライブ ダイジェスト @Shibuya O-Crest
たんこぶちん「卒業ライブ!」
2014年4月4日(金)
東京都 下北沢CLUB Que
OPEN 18:30 / START 19:00
2014年4月5日(土)
大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
OPEN 16:30 / START 17:00
2014年4月6日(日)
福岡県 graf
OPEN 16:30 / START 17:00

※全公演ともチケットは2月2日より各プレイガイドで一般発売。

たんこぶちん

たんこぶちん

2007年、MADOKA(G, Vo)、YURI(G)、CHIHARU(Key)、NODOKA(B)、HONOKA(Dr)らが小学校の課外活動の一環として佐賀県唐津市で結成したガールズバンド。九州を中心にライブ活動を行うかたわら、ヤマハ主催「Music Revolution」など、さまざまな音楽コンテストで各賞を受賞する。2008年には唐津と姉妹都市提携を結んでいる韓国・麗水市との交流イベント「麗水市国際青年祝祭」や、2013年には「ARABAKI ROCK FEST.13」、「ROCK IN JAPAN FES.2013」にも登場。さらに2008年放送の「M PRESENTS 全力!Tunes」(日本テレビ系)や、2012年の「AKBINGO! サマースペシャル ! 全力バンド選手権」(同)に出演し、MADOKAがGoogleのCMキャラクターに選ばれるなど、各方面にその名を轟かせ、2013年7月「ドレミFUN LIFE」でメジャーデビューし、10月には2ndシングル「シアワセタランチュラ」をリリース。2014年1月には初のフルアルバム「TANCOBUCHIN」を発表する。