Da-iCEのリーダー・工藤大輝がパーソナリティを務めるTBSラジオの新番組「TALK ABOUT」がスタートした。

TBSラジオの名物番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の後枠を受け継いだこの「TALK ABOUT」は、若者たちの“知りたい”が集まる情報バラエティ。音楽、アイドル、ファッション、アニメとさまざまなカルチャーに高感度なアンテナを持つ工藤が、ティーン世代の等身大の今を発信していく。

若い世代のオピニオンリーダーとして大抜擢を受けた工藤は、どんな番組作りを目指すのか？ 音楽ナタリーでは4月7日に行われた初回放送に密着。番組がリスナーに届けられる様子を追ったレポートと放送終了直後の工藤へのインタビューを通じて、注目の新番組を解剖する。

取材・文 / 三橋あずみ　撮影 / 佐藤類

4月7日の22:00。TRI4THの手がけた華やかなオープニングテーマに乗せて、「TALK ABOUT」第1回のオンエアがスタートした。工藤は「とうとう始まりましたー！」と言葉を発すると「緊張してますよ。どうして緊張しているかと言うと、オンエア直前に局のお偉いさんがいっぱい来るんです！」と言って開始早々笑いを誘う。軽快なトークでスタジオの空気を和ませると、彼は「11年続いた『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』から重めなバトンをいただいたので……気合い入れてがんばっていきます！」と改めてこの番組にかける意気込みをリスナーへ伝えた。

記念すべき1曲目のオンエア楽曲は、Mrs. GREEN APPLEの「Speaking」。工藤は「十代のリアルな今が集まる情報バラエティです」と番組について説明すると、さっそく初回のトークゲスト・KEYTALKの寺中友将（Vo, G）、小野武正（G, Cho）をブースの中に迎え入れる。小野の「工藤さーん！ 初回のゲスト、光栄中の光栄です！」という超ハイテンションな挨拶で一気に打ち解けた初対面の2組は、最初のコーナー「TALK ABOUT YOU」へ。街の若者の声に耳を傾けながら、自身の過去のアルバイトの話や下北沢のタウン情報、Instagramの「いいね」についての持論などさまざまな話題に花を咲かせた。

ブースの中は、CM中も撮影タイムがあったりと常ににぎやか。また工藤はたびたびブース外のスタッフとやりとりをして、このあとのオンエアの内容や変更点を確認していく。番組のLINE公式アカウントやTwitterには続々とリスナーからのメッセージが届き、スタジオ内は活気にあふれていた。工藤渾身のアイドルコーナー「アイドル TALK ABOUT」には初回ゲストのJuice=Juiceが登場し、工藤が事前に投げかけたトークテーマなどに沿って話題を展開。工藤は打ち合わせをしたり束の間の休憩を取ったりしながら、彼女たちのトークに耳を傾けていた。

23時台にはDa-iCEの新曲「FAKE SHOW」が初オンエアされるという、Da-iCEファンにとってうれしい場面も。さまざまなカルチャー分野のキュレーターが月1レギュラーとして登場し、気になる情報を紹介する「CULTURE TALK ABOUT」のコーナーにはライブキッズあるある中の人が出演し、「思わず2度聞き 珍名バンド」というテーマで工藤とリスナーに面白い名前のロックバンドを紹介した。工藤が「バンド名を付けるときのあるあるとかって、何かあったりしますか？」と問うと、中の人は「略称を気にしたりしますね。あとプレイリストのアルファベット順で、自分たちの好きなバンドのあとに来るようにと考えたり」と回答。興味深い“あるある”に、工藤も「へえー！」と大きな相槌で反応していた。

番組の最後を飾るのは、リスナーからのメッセージコーナー。リスナーからは初回放送を聞いた感想やお悩み相談などが寄せられ、工藤は次々とメッセージを読み上げる。その中の1つ「（番組が始まって）毎週がんばれます」というファンからの言葉には工藤の表情も思わずほころび、彼は「この言葉を励みにしてがんばるので、また来週も聞いてね」とひと言。また生電話をつないだ場面では、リスナーの訛りに「かわいい！」を連発し「ただのおじさんになっちゃった」と反省する一幕もあった。

2時間の生放送も、いよいよエンディングへ。工藤は「来週はもっと噛まないようにします（笑）」と反省も織り交ぜつつ、「今回、僕にとってもいろいろな発見がありました。『知らないことだらけだな』と思ったので、これからみんなと一緒に知っていけたら」とリスナーへ呼びかけた。オンエアを終えると、スタッフからは大きな拍手が。初めての放送を無事終えた工藤の顔には、安堵の笑みが浮かんでいた。