ナタリー PowerPush - 竹達彩奈
成長するあやちと“チーム竹達”の可能性
ネガティブがポーン!と吹き飛ぶライブの魅力
──先ほど竹達さんが合流する前にもお話していたのですが、このスイーツだらけのビジュアルと牛丼が並んで違和感なく感じるというのは、竹達さんの希有な一面ですよね。
竹達 「わんだふるワールド」のジャケットは曲のイメージを考えて、女の子が好きなものをふんだんに集めちゃおうって決めたんですよ。そのときは吉野家さんとコラボするって知らなかったので(笑)。
沖井 好きなものは好き!ってことで牛丼も入ってるっていう(笑)。
小林 しかし肉業界のトップとコラボなんて、上り詰めたね(笑)。
──このコラボの一環として、6月22日のバースデーライブでは吉野家の「アタマの大盛り」無料券が配布されるそうですが(笑)、ライブの内容についてはもういろいろと考えてますか?
竹達 私、考えてる時間がすごく苦手で……。もともとライブに対して苦手意識を持って音楽活動を始めたから、ライブまでの期間中って今でもすごくナーバスなんです。些細なことでシュンとしたり、ピリピリしたり。「私がライブやっても誰も来てくれないよ」とか、ネガティブなところから入っちゃうんですね。衣装を決めるときも、もちろんかわいい服が着られるのはうれしいんですけど「私こんな服似合わないよ」って(笑)。そんなネガティブな気持ちが、ステージに立つとポーン!と吹き飛んじゃうんですよ。すごいんですよライブって!
小林 うん。ライブってそうなんだよね。それが楽しいんですよライブは。
竹達 ああしたい、こうしたいっていう打ち合わせも疲れるから苦手で(笑)。でもそれはみんながいいライブにしようと思って言ってくれていることだし、やりがいでもあるんですけど。本番直前までずっとナーバスです。
──直前まで不安を抱えていても、ステージまでは引きずらないんですね。
竹達 引きずらないんですよ。不思議なことに。みんなが待ってくれてる姿を観ると一気に消えるんです。リハのときにできなかったことも、本番はアドレナリンが出てるからなのか、なんかうまくいっちゃうんですよね。
──沖井さんは去年のワンマンの映像を何度も観返しては涙しているそうですが(笑)、竹達さんは自分のライブ映像を繰り返し観てますか?
竹達 私は観ないです。自分のことを客観的に観るのは恥ずかしいし……。私、自分のことがそんなに好きじゃないので(笑)、自分の顔をまじまじと観ても楽しくはないんですよ。勉強にはなるんですけど。観てると「なんで私こんな動きしてるんだろう」とか「もっと笑えよ!」とか「もっとここ、キレのある動き!」とかダメ出しがいっぱい出てきて(笑)。純粋に「あー懐かしい! 楽しかったー!」とは思えないんです。
“声優”竹達彩奈による新たな音楽表現
──音楽活動を2年以上続けてきて、ご自身の中でもアーティストとしての幅は大きく広がったと感じているのではないかと思いますが、このあとさらにどんなふうに広げていきたいですか?
竹達 私は自分のことをアーティストだと考えていないから、わからないですね。すべて声優としての自分を軸として考えちゃうから……。でも、いつになるかわからないし、できないかもしれないけど、ミュージカルみたいなことがやりたいです。ミュージカルに出たいわけじゃないんですよ。普通のライブともショーとも違う、物語を歌で表現することができたら楽しそうだなって。
沖井 エンタテインメントとして一番ゴージャスな形だよね。
小林 できるんじゃないかなあ。できそうじゃん。
沖井 こっちも大変だよ? 簡単に言わないでよ(笑)。
──声優を軸に置いた人が物語を音楽でふくらませるというのは、いろいろな可能性がありそうですよね。
小林 生アニメみたいなね。ミュージカルではなく、音楽の方向で落とし込むのは面白そう。
竹達 声優だからこそできることをしたいなって思うんです。表現するのは私、というのを念頭に置いて、私にしかできない表現ができたらいいなーって。
小林 うんうん。
──今の一言は2人にとっても、今後楽曲を作る上での何かのヒントになったかもしれない。
沖井 ちょっとドキドキするね。何かあるはずだよ、うん。今のはいい話だよねえ。
竹達 やめてー! ちょっとー!
──この3人でやれることはまだまだたくさんありそうですね。欠席裁判でもダメ出しなかったですし(笑)。
竹達 ありますでしょ? 私に興味ないだけなんじゃないの? もっと私を見てー!(笑)
- ニューシングル「わんだふるワールド」 / 2014年6月4日発売 / ポニーキャニオン
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1890円 / PCCG-1404
- 通常盤 [CD] / 1350円 / PCCG-70212
CD収録曲
- わんだふるワールド
[作詞:加藤哉子 / 作・編曲:小林俊太郎] - サーフでゴゴゴ
[作詞・作曲・編曲:沖井礼二] - わんだふるワールド(Instrumental)
- サーフでゴゴゴ(Instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
- わんだふるワールド(MUSIC VIDEO)
竹達彩奈バースデーライブ
- 2014年6月22日(日)
千葉県 舞浜アンフィシアター
OPEN 16:00 / START 17:00 - 料金:5800円(吉野家「アタマの大盛り」無料券付き)
応募抽選制(申込券はシングル「わんだふるワールド」に封入)
竹達彩奈(タケタツアヤナ)
埼玉県出身の声優アーティスト。2009年放送のテレビアニメ「けいおん!」中野梓役で大きな注目を集める。「けいおん!」から派生したユニット「放課後ティータイム」では数々のヒット曲を生み、2009年12月には神奈川・横浜アリーナ、2011年2月には埼玉・さいたまスーパーアリーナにてコンサートを行った。2012年4月には初の個人名義によるシングル「Sinfonia! Sinfonia!!!」でソロアーティストとしてデビュー。同年9月には2ndシングル「♪(おんぷ)の国のアリス」、2013年1月には筒美京平書き下ろしの3rdシングル「時空ツアーズ」をリリースした。2013年4月10日に1stアルバム「apple symphony」を発表し、同年6月23日には東京・TOKYO DOME CITY HALLにて初のワンマンライブを大成功に収めた。2014年6月には通算5枚目となるニューシングル「わんだふるワールド」をリリース。