髙橋真梨子特集|クリス松村、徳永英明、友近、船越英一郎、ミッツ・マングローブ、森口博子が愛する楽曲は

1972年にペドロ&カプリシャスの2代目ボーカリストとしてデビューし、1978年よりソロアーティストとして活躍してきた髙橋真梨子。半世紀にわたるキャリアを誇る彼女が今年10月から2025年5月にかけて最後のコンサートツアー「Mariko Takahashi concert FINAL 2024-2025 EPILOGUE with Henry Band」を行う。

髙橋は当初、体力の限界を理由に2022年1月から2023年1月まで行った「our Days -Last Date-」をもってツアーを“卒業”する予定だったという。しかしファンからの熱烈なラブコールを受けて、伴侶であるヘンリー広瀬とともに回るアンコールツアーの開催を決意。「このアンコール・ツアーでファンの皆さんと一緒に“ツアー完全燃焼”したいと思います」というコメントを発表した。

最後のツアーに向けて、音楽ナタリーでは特集を展開。クリス松村、徳永英明、友近、船越英一郎、ミッツ・マングローブ、森口博子という髙橋を敬愛する著名人6人に、好きな3曲を歌手・髙橋真梨子の魅力とともにつづってもらった。

構成 / 中野明子

クリス松村

クリス松村

あなたの好きな髙橋真梨子の曲は?

  1. 連絡
  2. ハッピーエンドは金庫の中
  3. 水の吐息

髙橋真梨子さんが歌う曲は、最初、人々の歌声で知りました。
学生達がバスで歌う「ジョニィへの伝言」……その後、ご本人の歌声を初めて聴いた時の衝撃は忘れられません。
言葉のひとつひとつがよく聴こえて、伝わって…深い何かに包まれているような気持ちになりました。
歌謡曲でも演歌でもフォークでもない歌唱の響き。
1977年、初めて購入した髙橋真梨子さんのレコードはライヴ盤でした。ヒット曲を歌唱しているのは当たり前ですが、映画でお馴染みの曲に加え全く知らない曲を歌う真梨子さんに更なる衝撃を受けました。
「アンダー・プレッシャー」……後々それはファンクバンドの曲だと知りましたが、英語の歌をこんなに自然にファンキーにえる日本人って凄い!と大興奮したことを覚えています。
ソロになってからのヒットシングルはデビュー曲からどれも大好きです。年代順に思い出はありますが、今、聴いたほうがもっと好きです。
私自身が子供すぎて、カラオケでよく遭遇した……年上のなりきり髙橋真梨子さんの気持ちがあまりピンときませんでした。
今ならわかります。
個人的には90年代以降の曲が特にリアルタイムに心に残っています。
なので、大好きな曲は数あれどアルバム曲も含めて……今、聴きたい3曲を。

「連絡」は、特に好きです。真梨子さんの歌声で、その世界に入り込めて、内容は切なくても、逆に舞台から降りたイメージでスカッとします。
髙橋真梨子さんの世界は素晴らしいです!

プロフィール

クリス松村(クリスマツムラ)

オランダの政治都市ハーグで誕生。日本に帰国後も学生時代にイギリス、ブラジル、アメリカ、カナダ、ブラジルなどの都市を回る。邦楽、洋楽問わずの音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、CDの音楽解説なども手がける。出演するラジオ番組の構成はすべて自ら行っている。アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚を所有し、現在も収集中。大物アーティストとの対談もこなすなど、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファン。「音楽が好きで話している」という考え方から、音楽評論家ではなく音を楽しむ「音“楽”家(おんらくか)」として活動。

徳永英明

徳永英明

あなたの好きな髙橋真梨子の曲は?

  1. 五番街のマリーへ
  2. for you...
  3. 桃色吐息

僕は髙橋真梨子さんの「声」が昔からすごく好きなんです。

せつない歌声、優しく包み込むような歌声、色気のある歌声……。
そして何より自然体でありながらも説得力のある「魂の歌声」

最初に衝撃を受けた楽曲は「五番街のマリーへ」だったと思います。
学生の頃、よくレコードを何度もリピートして聴いていました。

僕自身「VOCALIST」というカヴァーアルバムで
「for you...」「桃色吐息」を歌わせていただいています。
ありがとうございます。

今も変わらず心に響く歌声を届けている
髙橋真梨子さんを尊敬しています。

徳永英明
※徳永英明の「徳」は旧字体、「英」は草冠の間が空きます。

プロフィール

徳永英明(トクナガヒデアキ)

1961年生まれ、福岡出身の男性シンガーソングライター。1986年にシングル「レイニーブルー」、アルバム「Girl」で歌手デビューを果たす。1987年に発表されたシングル「輝きながら…」がCMソングに起用され、大ヒットを記録。その後も「風のエオリア」「最後の言い訳」「夢を信じて」「壊れかけのRadio」など、数々のヒット曲を発表している。近年は女性シンガーのヒット曲をカバーしたアルバム「VOCALIST」シリーズが好評を博しており、シリーズ3作の累計出荷枚数が100万枚を突破して話題となった。2021年にデビュー35周年を迎え、同年にアルバム「LOVE PERSON」をリリースした。

友近

友近

あなたの好きな髙橋真梨子の曲は?

  1. はがゆい唇
  2. 桃色吐息
  3. ごめんね…

元々ファンで、髙橋真梨子さんの曲を歌っていたのがきっかけでご本人と出会いました。

「はがゆい唇」
モノマネの番組や歌番組で歌っていたのを髙橋真梨子さんサイドのスタッフさんが見てくださり、髙橋真梨子さんのコンサートに呼んで頂いた思い出の1曲であり、出会いのきっかけになった曲です。

「桃色吐息」
元々好きな歌で、コンサートで2人で一緒に歌わせてもらったことのある思い出の曲です。

「ごめんね…」
「連れて行って 別離のない国へ」という歌詞がありそれが素敵な歌詞で好きな1曲です。

プロフィール

友近(トモチカ)

愛媛県出身。2000年デビューし、2003年に「NHK新人演芸大賞」で大賞、「NHK上方漫才コンテスト」で優秀賞、2004年に「ABCお笑い新人グランプリ」で優秀新人賞を受賞。お笑い芸人として活動する一方、俳優として舞台、テレビドラマ、映画などに多数出演。2019年には映画「嘘八百」で「第28回日本映画批評家大賞」助演女優賞を受賞。NHK連続テレビ小説「あさが来た」「ブギウギ」にも出演する。歌手・水谷千重子や中高年プロアルバイター・西尾一男としても活躍。2024年6月より「水谷千重子の宴ジョインコンサート」を福岡、東京、大阪、愛知で開催中。

2022年11月に開催された東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:田中聖太郎)

2022年11月に開催された東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:田中聖太郎)

2022年11月に開催された東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:田中聖太郎)

2022年11月に開催された東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:田中聖太郎)

船越英一郎

船越英一郎

あなたの好きな髙橋真梨子の曲は?

  1. ごめんね…
  2. for you...
  3. 陽かげりの街

ペドロ&カプリシャス時代からの大ファンを自認している。
特に「陽かげりの街」で退廃的な詩の世界をラテンフレーバーな楽曲に乗せて、切なくグルーヴィーに歌い上げる真梨子さんに、当時15歳の少年は魂を鷲掴みにされた。
時は流れ、火曜サスペンス劇場でまさかの共演(とは言っても主題歌と出演者としてです)!
哀切溢れる歌詞ではあるが、優しく滋愛に満ちた歌声が、人間の闇を炙り出してしまうドラマのラストを見事に人間讃歌に昇華させてくれた。
「ごめんね…」は数多ある火サスの主題歌の中で最も愛してやまない曲だ。
時は流れ、2017年にテレビ番組で対談をさせて頂くという法外な幸せにも恵まれた。
しかもご夫婦揃ってのご出演である(実はご主人のヘンリー広瀬さんの隠れファンでもあるのです)!
たおやかな佇まいと裏腹に、時折見せる悪戯な眼差し、何よりおしどり夫婦ぶりに、57歳になっていた私はまたも胸を鷲掴みにされた。
思えば人生の大半を髙橋真梨子の歌を道連れに歩んで来た。
今日も思い出のアルバムのページをめくる様にその歌声に聴き入っている。

プロフィール

船越英一郎(フナコシエイイチロウ)

1960年生まれ、神奈川県出身の俳優。1982年にTBSドラマ「父の恋人」で俳優デビュー。日本テレビ系で放送された「火曜サスペンス劇場」シリーズに多数出演し、“2時間ドラマの帝王”の異名をとる。近年は連続ドラマ「テイオーの長い休日」「赤ひげ」や舞台「赤ひげ」などで主演を務め、今年4月からは日本テレビ系で放送中のドラマ「街並み照らすヤツら」にも出演。CMやバラエティ番組でもマルチタレントぶりを発揮している。

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ

あなたの好きな髙橋真梨子の曲は?

  1. 蜃気楼(シングル・バージョン)
  2. 遥かな人へ
  3. 不思議な鳥

「蜃気楼(シングル・バージョン)」
真梨子さんの調べには、いつも「したたかさ」があります。
日本語が持つ芯、熱、余韻を、これほど涼しげに唄う人を私は他に知りません。
だから聴く度に熱くなれる。

「遥かな人へ」
ノルウェーの地方都市であるリレハンメルという街を初めて知った94年冬季五輪。その美しい景色の記憶は、この曲とともにあります。昨今の五輪テーマソングにありがちな、無節操な「感動押し」のない、凛としたやさしさと強さに溢れる楽曲。

「不思議な鳥」
タイトル通り「不思議」な歌詞世界は、真梨子さんの内省を覗き見た気分になると同時に、とかく「答え」を求めたがる現代を嘲笑うかのように、ひたすら聴き手を迷わせてくれます。さらに特筆すべきは、この手の楽曲をコーラスやハーモニーなしで歌い切ってしまう真梨子さんの潔さと巧さです。

プロフィール

ミッツ・マングローブ

1975年生まれ、神奈川県横浜市出身。10代から20代にかけて約7年間をイギリス・ロンドンで暮らし、1998年に慶應義塾大学法学部を卒業。2000年にドラァグクイーンとしてデビューし、2005年に音楽ユニット・星屑スキャットを、ギャランティーク和恵、メイリー・ムーとともに結成する。2009年頃からテレビ・ラジオへの出演が増える中、2011年3月に「若いってすばらしい」で歌手デビュー。翌2012年6月には星屑スキャットとしてシングル「マグネット・ジョーに気をつけろ」を発表する。2021年10月には木梨憲武、マツコ・デラックスとのユニットで「命綱」を配信リリースした。

森口博子

森口博子

あなたの好きな髙橋真梨子の曲は?

  1. あなたの空を翔びたい
  2. アフロディーテ
  3. 桃色吐息

ふるさと福岡の小学校・中学校の大先輩、髙橋真梨子さん。名曲の数々は気が付くと、いつの間にか身体に染み付いていました。それだけ偉大な存在のボーカリストだと誇らしくなります。ライブや歌番組でもカバーさせていただいています。放送後、真梨子先輩がお褒めの言葉をメールで届けて下さり、舞い上がる程嬉しかったです!! ありがとうございました。
中でも「あなたの空を翔びたい」はスケール感溢れる、真梨子先輩の切なくも力強い歌声が心地良くて大好きです。20代の頃「アフロディーテ」もよく口ずさんでいました。2019年のセルフカバー、さらに沁み入ってます。映画音楽のような壮大で美しい世界に心奪われ、厳かなイントロからうっとり。神にも背く程の熱情を当時よりも豊かに歌い上げる真梨子先輩の洗練されたボーカル力に震えました。進化と継続に大リスペクトです。先日、私のラジオのレギュラー番組で「桃色吐息」の裏側をお伝えするにあたり、事前に真梨子先輩の携帯に直接おかけして、当時のプロセスを伺いました。丁寧にユーモア交えながらお話しして下さって感謝感激です。温かいお人柄も素敵です。
色っぽすぎるタイトルとフレーズが嫌で嫌でレコーディングが憂鬱だったそうで。驚きの事実に思わず受話器越しに声を上げて目を丸くしました。なんとか説得されて、歌ってみたところ大ヒット! 「この世界、何が起こるかわからない」というお言葉に、色々な勇気をいただきました。本当にありがとうございました!
ラストツアーになりますが、ずっとずっと名曲と歌声は音楽界のジュエルです。

プロフィール

森口博子(モリグチヒロコ)

福岡県福岡市出身。1985年にテレビアニメ「機動戦士Ζガンダム」のオープニングテーマ「水の星へ愛をこめて」で歌手デビュー。1991年には映画「機動戦士ガンダムF91」の主題歌「ETERNAL WIND ~ほほえみは 光る風の中~」がヒットし人気を確立させる。音楽活動と並行してバラエティ番組にも多数出演し、元祖バラドルとしてお茶の間に愛される。2019年から2022年に発売されたアルバム「GUNDAM SONG COVERS」シリーズが大ヒット。2019年には「日本レコード大賞」にて「企画賞」を受賞する。2023年5月には“大人のためのアニソンカバーアルバム”をコンセプトとした「ANISON COVERS」をリリースし、好評を博す。2024年8月に「ANISON COVERS 2」を発表する。


2022年11月に開催された東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:田中聖太郎)

2022年11月に開催された東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:田中聖太郎)

髙橋真梨子ツアー情報

Mariko Takahashi concert FINAL 2024-2025 EPILOGUE with Henry Band

  • 2024年10月12日(土)東京都 立川ステージガーデン
  • 2024年10月18日(金)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール
  • 2024年10月19日(土)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール
  • 2024年10月26日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2024年10月27日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2024年11月8日(金)広島県 広島文化学園HBGホール
  • 2024年11月9日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
  • 2024年11月17日(日)大阪府 フェスティバルホール
  • 2024年11月18日(月)大阪府 フェスティバルホール
  • 2025年2月27日(木)神奈川県 神奈川県民ホール
  • 2025年2月28日(金)神奈川県 神奈川県民ホール
  • 2025年3月13日(木)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2025年3月14日(金)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2025年3月20日(木)大阪府 フェスティバルホール
  • 2025年3月21日(金)大阪府 フェスティバルホール
  • 2025年4月5日(土)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
  • 2025年4月6日(日)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
  • 2025年4月10日(木)東京都 東京国際フォーラム ホールA
  • 2025年4月11日(金)東京都 東京国際フォーラム ホールA
  • 2025年5月8日(木)東京都 東京国際フォーラム ホールA
  • 2025年5月9日(金)東京都 東京国際フォーラム ホールA

チケットぴあで購入

プロフィール

髙橋真梨子(タカハシマリコ)

福岡県博多市出身。ジャズプレイヤーだった父親の影響で14歳からジャズを勉強し、本格的なレッスンを受けるため、16歳で上京。ジャズピアニスト柴田泰氏に歌を師事したのち、高校卒業後に博多のライブハウスで歌手活動を行う。1972年にペドロ&カプリシャスの2代目ボーカリストとしてデビュー。1973年のシングル「ジョニィへの伝言」を機に、「五番街のマリーへ」「陽かげりの街」とヒット曲を連発する。1978年にシングル「あなたの空を翔びたい」でソロデビュー。1984年リリースのシングル「桃色吐息」が大ヒットを記録し、同曲を収録したアルバム「Triad」が「第26回日本レコード大賞」のアルバム大賞に輝いた。1990年代に入ってからはニューヨーク、ロンドン、香港など海外公演も実施。2013年3月にレコードデビュー40周年を迎え、同年末には「NHK紅白歌合戦」に出場する。2019年6月にソロコンサートの観客動員数が700万人を達成。2022年に最後のコンサートツアーと銘打った「our Days -Last Date-」を行うも、ファンから熱烈な“アンコール”を求められ、2024年10月からホール会場を中心とした「Mariko Takahashi concert FINAL 2024-2025 EPILOGUE with Henry Band」を開催する。