音楽ナタリー PowerPush - taffy

ティム・バージェス(The Charlatans)が語る、日本在住バンドをイギリスに招待した理由

taffyとは、Twitterでやりとりしながらなんとなく始まった

──taffyに「Liverpool Sound City」への出演を依頼した経緯を教えてください。

僕は常に招待できるバンドを探しているんだ。今回は、僕がtaffyの曲についてTwitterに書いたら、彼らが新しいミニアルバムからの新曲を送ってきてくれて、そこからなんとなく交流が始まった、って感じかな。彼らにライブの予定を聞いて、ぜひ「Liverpool Sound City」に出演してほしいんだって言ったら、OKって即答してくれたよ。

──イギリスではさまざまなフェスがありますが、それぞれのフェスについてはどう思いますか?

イギリスには実際ものすごくたくさんのフェスがあって、僕らは毎年夏の週末はほとんどそのどれかで過ごしているよ。「Glastonbury Festival」が僕にとってはトップになるのかな。何年か前にソロで出演して、The Charlatansでも何度か出たことがあるよ。小規模のフェスもすばらしいものばかりだけどね。「Festival Number 6」は「The Prisoner」(邦題:プリズナーNo.6)というテレビシリーズを撮影した小さな村で行われるフェスで、そこは世界で最も美しい景色の1つだと思うよ。イギリスのフェスで「Tim Peaks Diner」にとっての心のホームグラウンドは「Kendal Calling」かな。そこでは僕はいつもサプライズゲストとして出てるんだけど、今年はSeahawksと共演をして、この間はエドウィン・コリンズやロディ・フレイムと一緒に歌ったんだ。

──それは楽しそうですね。

いろいろなフェスから「Tim Peaks Diner」をやってほしいと依頼を受けているんだけど、すてきさをキープするのにはどうしても限られた数しかできないんだ。でも「Liverpool Sound City」は僕らにとても断ることができないような熱いメッセージを送ってきてくれて。すばらしいバンドも出るし、僕らのこともよくわかってくれているから、今回はここでやることにしたんだ。

イギリスに来たらぜひ「ティムピークス」のコーヒーを

──自分の国に日本人のバンドを呼ぶことについて、キュレーターとしてどのようにお考えでしょうか?

自分の出身地や住んでいる場所の音楽しか聴かない人は多いけど、視野を広げることはすごく大事だと思う。僕としてはこのフェスを近所の人たちだけのものにしたくなかったのさ。僕ら自身が初めて海外で演奏したときは人生で最もエキサイティングな時間の1つだったし、そういう環境を作るのはいいことだしね。taffyは、ステージは違うけどThe Vaccinesの演奏直後に出てもらおうと思っているから、フェスに来てくれるみんなにもすごく気に入ってもらえると思う。リバプールの観客は最高のバンドを観ることができて、同時にtaffyは新しいファンを獲得できると思う。完璧だよ。

──最後に日本のファンにメッセージをください。

ハロー、日本のみんな! 僕らが日本にいる間に観に来てくれた人や、僕らの面倒を見てくれた人たち、そしてライブスタッフの人たち、みんなに感謝したいです。行くたびにどんどん日本を好きになっていきます。たくさんの人が僕らの新譜「Modern Nature」を気に入ってくれて本当にうれしいよ。やっぱり新しいアルバムを出すときは不安もあるから、気に入ってくれているみたいでよかった。もしイギリスに来るのなら、ぜひ「Liverpool Sound City」に来て、「Tim Peaks」のコーヒーを。そこで会おう。

ライブ情報
「New Modern Music」
2015年4月24日(金)
東京都 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
<出演者>
taffy / 花ト散るらん / 死んじゃうじゃんか / 音の旅crew / MIRROR MOVES
「star trail vol.3」
2015年5月3日(日)
東京都 下北沢CLUB251
<出演者>
taffy / sugardrop / re-Peat / TENDOUJI / Cactus Flower / Siôn Russell Jones
DJ:ysk / antoine
taffy ミニアルバム「Darkle」 / 2015年6月17日発売 / 1500円 / Moderna Records / mdrn-0007 ※5月20日タワーレコード先行発売
「Darkle」
収録曲
  1. Suicidal Bunny
  2. Redamancy
  3. Young Tines
  4. Remember to Remember
  5. dr. K
  6. HBD
  7. Young Tines(The Brian Jonestown Massacre Remix)
taffy(タフィー)

東京在住のインディーロックバンド。何度かのメンバーチェンジを経て、現在の編成はアイリス(Vo, G)、小泉将希(B)、浅野芳孝(G)と粕谷謙介(Dr)の4人。2012年に1stアルバム「Caramel Sunset」をイギリスでリリースすると、これが現地で評判に。大手一般新聞「ガーディアン」などさまざまなメディアで絶賛され、音楽雑誌「NME」では日本人の新人アーティストとして初めて巻頭特集が組まれた。2013年には2ndアルバム「Lixiviate」発売後、3カ月のスパンで2度のUKツアーを実施。同年12月に「Lixiviate」を初の日本発売アルバムとしてリリースし、2014年には7inchのB面曲などを集めたコンピレーションアルバム「plus+++」をイギリスで発表。2015年初夏にミニアルバム「Darkle」のリリースを日本とイギリスで予定している。

ティム・バージェス

マンチェスターブーム以降のイギリスを代表するブリットポップバンドの1つ、The Charlatansのボーカリスト。1989年に加入して以来、現在に至るまでバンドのフロントマンとして活躍している。1995年にはThe Chemical Brothersのアルバム「Exit Planet Dust」の表題曲にボーカリストとしてゲスト参加し、2003年にシングル「I Believe in the Spirit」でソロデビュー。2011年には自身が主宰するレコードレーベル「O Genesis」を設立した。