音楽ナタリー PowerPush - tacica×ハイキュー!!
ヒナガラスがtacica猪狩&小西を直撃! 異色のインタビューを敢行!
“オレがヤな気持ちになるから”、今の編成に
ヒナガラス 小西さんが楽器を始めたきっかけはなんですピヨ?
小西 中学生の頃、バンドをやってた先輩がいて「カッコいいな」と思ったからですね。今みたいにネットでいろんな音楽が聴ける時代でもなかったし、CDをたくさん買うお金があったわけでもなかったので、やっぱり先輩たちを見てっていう感じでした。でも世代的には90年代メロコアが全盛だったから、さっき猪狩も言ってたGreen Dayとかハイスタ(Hi-STANDARD)なんかをよく聴いてました。
ヒナガラス 中学生の頃からベースを弾いてたピヨ?
猪狩 いや、小西はギターから始めてるんすよ。
小西 うん。
猪狩 だから今でもオレよりギターがうまい上に、高校時代にはベースも弾いてて、そっちもうまかったんですよね。それを見て「あっオレ、ベースやめよ」と思った(笑)。
ヒナガラス それで猪狩さんがボーカルとギターで、小西さんがベースになったピヨ?
猪狩 うん。tacicaを組んでからずっとそうだし、今後も小西がギターを弾いたりすることはないと思う。オレがヤな気持ちになるから(笑)。
東京は満員、札幌は10人
ヒナガラス バンドを組んだ頃から、今みたいな人気者になれると思ってたピヨ?
猪狩 いやあ、全然何も考えてなかった気がする(笑)。「メジャーデビューだ!」みたいな目標も特になかったし。
小西 うん、何も考えてなかった(笑)。
ヒナガラス (「ハイキュー!!」の)烏野(高校)のバレー部のみんなが県大会で1つでもたくさん勝ちたいって思ってるみたいに、バンドの人はみんな「売れたい」「みんなに自分の曲を聴いてほしい」って思ってるんじゃないですピヨか?
猪狩 もちろん曲を聴いてもらいたいとは思ってるんだけど、オレらが高校生の頃ってインディーズのバンドがすごく盛り上がり始めた時期だったから。モンパチ(MONGOL800)が出てきたりして。だからオレらの世代あたりには、インディーズでもやれるんだなっていう意識があったんだと思う。
ヒナガラス インディーズの頃の活動は順調だったピヨ?
猪狩 徐々にライブの動員が伸びてってはいたけど、あんまり実感がないっつうか。東京ではすごく盛り上がってる感じはあったんだけど、札幌に住んでたから。なんか地元でライブをやると10人集まるか集まらないか、みたいなこともけっこうあったし「売れてる」みたいな感じはなかったかなあ。
小西 たぶん地元でライブやり過ぎたんですよ。20本近くやってた月もあったし。東名阪ツアーを回れるようなバンドになっても、地元的にはなんかありがたみがなかったんじゃない?
猪狩 はははは(笑)。だから不思議な感じになっていた気がする。住みやすかったし、今でも札幌は好きなんですけど(笑)。
9年目にしてキャリアを振り返るバンド
ヒナガラス 「メジャーデビューだ!」っていう目標がないって言ってたけど、今tacicaはメジャーで活動してるピヨ。
猪狩 確かになんでメジャーデビューしたんだろう?
小西 わからない(笑)。
ヒナガラス そんなこと言ったらレコード会社の人はきっとガッカリするピヨ。
猪狩 ははは(笑)。逆にあれかもしれない。メジャーとインディーズに垣根がないと思ってたからかなあ。メジャーに行ってもやることが変わらないと思ったし、実際環境が変わってないんですよね。
ヒナガラス バンドマンって派手な暮らしをしてるんじゃないピヨ?
小西 全然(笑)。
猪狩 生活が変わる原因がないから。アルバイトはしなくてよくなったけど、曲作って、練習して、ツアー回ってっていうことと、たまに会社に来て打ち合わせをするくらいのことしかやることってないんですよ。そういうのってインディーズでもメジャーでも違わないんですよね。あと、あんまりインタビューとかも受けるタイプじゃないからかなあ。だってオレら、来年、結成10周年なんですけど、こうやって今さら結成の話を聞かれてるわけでしょ。これっていかにメジャーバンドっぽいことしてないか、人に会ってないかって話じゃないですか。
小西 確かに(笑)。
猪狩 例えばこれが来年、10周年記念のインタビューだったら「改めて歴史を振り返りましょう」っていうのもわかるんだけど、今まだ9年目なわけだし。そのタイミングで歴史を最初っから振り返らせてもらうバンドってあんまいないと思いますよ。だからやっぱり、いかに家とスタジオやライブハウスの往復しかしてないかって話なんですよ。
ヒナガラス ……こうやってインタビューしてるのは実は迷惑ピヨか?
猪狩 全然(笑)。オレら今「またバンド結成の頃の話かよ」って気分になってない。スゲー新鮮っすもん。しゃべるのが面倒くさいってわけじゃないんだけど、これまではただ単になんかタイミングが合わなかっただけというか。あとインタビュアーの人ってたぶん、質問してるときに「こういう答えが返ってくるんじゃないかな?」って想像しながら話を聞いてると思うんですよ。
小西 でも、そういう想像にちゃんと応えられない(笑)。
猪狩 うん。想像してる答えを返せてるか、オレ?って感じちゃうときがけっこうあるから、なんかインタビューとかプロモーションの現場から足が遠のくという(笑)。インタビューを受けないようにしてるわけじゃないんだけど。
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- ニューシングル「LEO」/ 2014年9月10日発売 / SME Records
- 初回限定盤 [CD] 1400円 / SECL-1577
- 通常盤 [CD] 1400円 / SECL-1578
-
初回生産限定盤 CD収録曲
- LEO
- 鈍色の邂逅
- LEO(TV edit)
「ハイキュー!!」描き下ろしイラスト スリーヴ仕様
通常盤 CD収録曲
- LEO
- 鈍色の邂逅
- anaphylaxis
通常盤初回仕様限定封入おまけ 特製「LEO」コード譜
- アニメ「ハイキュー!!」 毎週日曜日17:00よりMBS / TBS系全国28局ネットで放送中! / © 古舘春一 / 集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
- 「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の古舘春一のマンガを原作にもつテレビアニメ。主人公・日向翔陽、影山飛雄ら、宮城・仙台の烏野高校バレーボール部の奮闘と友情を描く。2014年4月からの第1クールではオープニングテーマにSPYAIR「イマジネーション」、エンディングテーマにNICO Touches the Walls「天地ガエシ」を、7月からの第2クールではオープニングにスキマスイッチ「Ah Yeah!!」、そしてエンディングにtacica「LEO」を採用していることから音楽ファンの注目も集まっている。
tacica(タシカ)
猪狩翔一(Vo, G)、小西悠太(B)のロックバンド。2005年、元ドラマー坂井俊彦とともに札幌で結成。以来札幌を拠点にライブ活動をスタートしながら、叙情的な世界観と骨太のロックサウンドを武器に知名度を全国区のものに。2007年6月リリースの初音源「Human Orchestra」は各種インディーズチャートで1位を記録し、2008年10月には所属レーベルをSME Recordsに移し、さらに活動を活発化。2009年には2ndフルアルバム「jacaranda」をリリースし、バンド史上最大規模の全国ツアー「パズルの遊び方」も大成功のうちに終了させる。以降精力的にライブ活動、フェスへの参加などをする傍ら2011年には3枚目のフルアルバム「sheeptown ALASCA」、2013年には4thフルアルバム「HOMELAND 11 blues」を発表し、また2014年に至るまで「命の更新」「newsong e.p.」「HALO」などシングルもコンスタントにリリース。そして2014年9月にはアニメ「ハイキュー!!」の第2クールエンディングテーマ「LEO」を発表する。