ぜひ歌詞カードを見ながら聴いて

──デビューにあたってCi+LUSには「恋に恋するふたりは、まだシトラスの香り」というテーマが掲げられていますね。

田中　はい。アユムはご主人様（支配人のこと）に対して片思いをしてるわけですけど、自分が片思いしてることにすらまだ気付けていないと言うか（笑）。まだスタート地点にすら立ってないんじゃないかってくらい恋愛方面には疎い感じなんですよ。そこはマコトに引っ張っていってもらうのかなとも思うけど、マコトもマコトでちょっと違った方向に行っちゃうところがあるからね（笑）。

山崎　うん。マコトも恋愛マスターという感じではないので。急にぶっ飛んだ言動をすることがあるので軌道修正がホントに大変なんです（笑）。

田中　だからね、Ci+LUSには2人そろって応援したくなるような甘酸っぱい感じがあると思うんです。それが「恋に恋するふたりは、まだシトラスの香り」というテーマでしっかり表現されてるんじゃないかなって思います。めっちゃピッタリだなって。

──Ci+LUSが持っている甘酸っぱさとかわいさはデビュー曲「シトラスは片想い」にもしっかり注ぎ込まれていますよね。曲の印象はいかがでしたか？

田中　ナナシスの楽曲はオシャレでカッコいい系が多いんですけど、Ci+LUSなら絶対にかわいい系だろうなっていう予想はしていて。そうしたらもうイメージ通りのキュートさ全開の曲をいただけたので、めっちゃうれしかったですね。

山崎　ホントにかわいい曲だったので、聴いた瞬間にはマコトではなくアユムちゃんの歌声で勝手に脳内再生されました（笑）。セリフ口調で歌うところが多いし、「（泣）」とか「（怒）」とか入ってるところが十代のマコトとアユムが歌う曲らしくていいなーって。

田中　元気にドタバタしてる感じがかわいいんだよね。歌詞には「♪」がいっぱい使われてたりもするので、ぜひ歌詞カードを見ながら聴いて楽しんでほしいですね。

茂木総監督が「OK、OK！」

──レコーディングではどんな表現を心がけましたか？

田中　曲の雰囲気に合わせて元気いっぱい“ぽえきゅん”な雰囲気で歌おうと思いました。アユムは普段からキャピキャピ系で元気な子なので、この曲はすごく歌いやすかったですね。とにかくかわいく、テンション爆上げで歌うことを意識して。ただ、レコーディングでは私が先に歌ったので、マコトがどう歌うのかがちょっと気になってたところはありました。完成したものを聴いたら2人の声がぴったりマッチしてたから安心したんですけど。

──確かにマコトがどう歌うのかは気になるところではありますよね。

山崎　そうなんです。普段のマコトは落ち着いたテンションでしゃべる子なので、歌うときにはどんな声になるんだろうって私も考えました。普段のテンションで歌うのもアリかなとは思ったんですけど、ナナシスのカテゴリー分けだとマコトは“ボーカルタイプ”なので、歌うときだけ表情がちょっと変わっても面白いかもなっていう思いもあって。そのあたりのバランスは現場でスタッフさんと細かくすり合わせながら歌っていきました。

田中　歌では普段より明るめなマコトの声が出ていたりするから、アユムとの声の混ざりもめちゃくちゃいいんですよ！

山崎　うんうん。ただね、普段よりもテンションの高い歌声を出しつつも、リズムには乗っちゃいけないってオーダーがあったんですよ。わりともったりしたリズムでテンション高く歌う感じ。マコトとしてのテンション高めの声っていうだけでもわりと大変なのに、「もうちょっとリズム抜いて歌ってみてください」みたいな。「え、リズムを抜くとはどういうことだろう？」って（笑）。

田中　わー、それ大変！

山崎　普段のマコトはあんまりリズムを気にせずしゃべっていて、周りの子がぽんぽんテンポよくしゃべってる中、急にスローテンポで入っていったりするんですよ。その感じを歌でも表現するってことなんですけど、やってみるとホントに難しくって。かなりがんばりました（笑）。曲の中にある「ピース！」ってところなんかは普段のマコトボイスで歌っていたりもするので、そことの違いを聴き比べていただけたらなって思います。

──アユムとマコトの個性の違いを歌でも感じられるいい仕上がりですよね。

山崎　うれしいです。最初に歌ってくれたアユムちゃんのボーカルを聴いたときに、「あ、私はCi+LUSとして下の層を担当すればいいんだな」とは思ったんですよ。最初の曲でそういった役割分担ができてよかったです。

田中　レコーディングでは茂木さんが細かいところまでディレクションしてくださるっていう話を聞いてたんですけど、Ci+LUSに関しては基本的に「OK、OK！」みたいな感じでしたからね。ほかのユニットの現場を見ていないので比較はできないですけど、茂木さんのイメージ通りの歌が歌えたんだとしたらよかったなって思います。