アイドルを育成、プロデュースするiOS / Android向けゲームアプリ「Tokyo 7th シスターズ」(通称ナナシス)内に登場する現役女子高生バンド・4Uがミニアルバム「The Present "4U"」を11月29日にリリースする。
佐伯ヒナ、鰐淵エモコ、九条ウメの3人からなる4Uにとって初の単独アイテムとなる本作は、「ロックの名盤を作る」ことを念頭に置いて制作されたという。各キャラクターのメイン曲を含む全6曲+ドラマトラックには、彼女たちが持つ天性の明るさと4Uならではの青春感がにじみ、さらにキャラクターたちの強い絆をも感じさせる仕上がりとなっている。
年明けにはナナシス史上初となるユニット単独でのワンマンライブ「The Pres"id"ent 4U」も決定している4U。そんな彼女たちの魅力に迫るべく今回、音楽ナタリーではナナシスの総監督&総合音楽プロデューサーである茂木伸太郎と4Uのキャストを務める長縄まりあ(佐伯ヒナ)、吉岡茉祐(鰐淵エモコ)、山下まみ(九条ウメ)による座談会を実施した。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 関口佳代
「実現早っ! どうしよう!」「もう夢が叶っちゃったよー」
茂木伸太郎 ナタリーさんの取材でキャストさんとの座談会は初ですね。
山下まみ ヤバイ! 音楽ナタリーに出る人生! ちょっと感動!
吉岡茉祐 人生、何があるかわからないよね。バンドっぽいこと言わなきゃ。
長縄まりあ バンドっぽいこと?
山下 「ベースのあの響きが……」みたいなことだよね。楽器弾けないけど(笑)。
──あははは(笑)。今日はよろしくお願いします。まずは、茂木さんになぜ4Uの単独作品のリリースと単独ライブが開催されることになったのかをお聞きしたいのですが。
茂木 一番のきっかけは、2ndライブ(2016年8月に開催された「t7s 2nd Anniversary Live in PACIFICO Yokohama 16'→30'→34' -INTO THE 2ND GEAR-」)での4Uのライブがすごくよかったからなんですよ。さらにこのお三方は、変な誤解を持つことなくナナシスという作品やそれぞれのキャラクター、ひいてはスタッフなんかにもしっかり向き合う方々で。人間的にもできてらっしゃる。だからこそ4U単独であってもスムーズにいい作品やライブができるだろうなという目算があったんです。
──今のタイミングになったのはどうしてですか?
茂木 これまでの流れを踏まえて「次は何をやろうかな?」と考えたときに、例えばナナシスの3rdアルバムで2枚組とか3枚組とか大きいことをやるのもよかったんだけど、その前にちょっと毛色が違う、でも1つの作品としてきっちり成り立ったものを作りたくなったんですよね。結果、それが4Uになったと言うことです。
──キャストの方々はその話を聞いたときどんなお気持ちでした?
吉岡 3人の中では勝手に、いろいろやっていきたいよねって話は常々してたんですよ。
山下 そうそう。2ndライブでも言ったんですけど、4U単独での活動を勝手に目指していて。もちろんナナシスの中ではライバルグループですから、きっと実現はしないだろうなと思いつつではあったんですけど。だから今回のお話をいただいたときは正直、「実現早っ! どうしよう!」みたいな感じでしたね(笑)。
長縄 「えー! もう夢が叶っちゃったよー」という感じです。
茂木 どよめいたのね。どよどよどよー(笑)。
山下 でもうちらは切り替え早いんで、次の瞬間には「どういうライブにする?」みたいな話をしてましたね。「現状4曲しか持ち曲ないから、それでワンマンをどう構成してこうか?」「あと何曲かあったらいいんだけどなー」みたいな。
吉岡 けっこう具体的な話までしてたもんね。
茂木 今の会話の流れでわかると思いますけど、4Uはこんな感じで作品がしっかり作れる3人なんですよ。だから正直、すごく楽(笑)。
吉岡 私たちも楽ですからね、この3人でいると。
山下 しかもホントにバンドやってる感覚になってるし。曲作りもしてなけりゃ、楽器の練習もしてないんで勘違いではあるんですが(笑)。
長縄 なぜかけっこう前から付き合ってきてる感じがあります。
吉岡 うん。長年連れ添った老夫婦的な(笑)。
茂木 3rdライブ(今年4月に開催された「t7s 3rd Anniversary Live 17’→XX’ -CHAIN THE BLOSSOM- IN Makuhari Messe」)の1日目が終わった後もずーっと3人で話してたもんね。しかも、それがちょっとプロのバンドの顔というか。「楽しかったね、お疲れー」じゃなく、「クッソー!」みたいな(笑)。マジで音楽性の違いで解散するんじゃないかってくらい真剣で。
山下 ま、真剣ですよね、うちらは。
長縄 真剣でした。
奇跡的に集まった4Uキャスト
──3人はもうキャストとしてではなく、完全に4Uになりきってしまっているってことなんでしょうね。
吉岡 あーでも、キャラとしてどうこうってことでもないんですよ。純粋にライブのパフォーマンスとしてどう見られてるかをすごく気にするというか。「あの歌声じゃヤバイよね」みたいな感じで。
山下 そうだね。「あの動きや歌声は(鰐淵)エモコっぽくないよね」とか、そういうことではまったくないっていう。
茂木 それがまずすごいでしょ? で、その一方ではキャラクター像も3人の中ではしっかり確立してたりもして。その証拠に、よく3人がTwitterでキャラクターになりきってセリフのやり取りをしてるんですけど、それが全部間違ってないんですよ。僕が自分で書いたんじゃないかって思うくらい、キャラの本質をちゃんとわかってるっていう。
山下 Twitterを見た人に、「あんなところまで茂木さんが監修してるんだね」って言われたことありますからね。いやいや勝手にやってるんですけど、みたいな(笑)。
茂木 で、どっかのタイミングで許可は出したんですけどね。もう好きにやっていいよって。
吉岡 そうそう。勝手になりきりをやってたのが正式に認めてもらえたっていう。あれはうれしかったですね(笑)。
──なぜそこまで4Uという存在に入り込めているんですかね?
吉岡 突飛で個性的なキャラがそろったユニットだとは思うけど、普段この3人でしゃべってると「あれ、今って4U? それとも素?」みたいな瞬間がよくあるんですよ。普段の自分たちとキャラがナチュラルにリンクしてるっていう。だからじゃないですかね。
山下 3人でいるときの役割というかポジショニングも同じような気がします。
長縄 そうですね。だから一緒にいて楽チンなんだと思います。
山下 あとは高校生のときの部活みたいな感覚というか、がむしゃらにがんばってたときのことをすごく思い出すんですよ、この3人でいると。4Uには青春を感じられるってところも役柄にグッと入り込めている1つの理由かもしれないですね。
──4Uは現役女子高生バンドですからね。設定のまんまの感覚で向き合えていると。
茂木 そういう意味ではちょっと奇跡的に集まった3人だとは思います。オーディションではそれぞれが演じるキャラとの共通点を読み取っていたつもりですけど、ここまでのリンクは予想外でしたね。
次のページ »
4Uは何やっても面白い
- 4U「The Present "4U"」
- 2017年11月29日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤 [CD+オリジナルピックストラップ]
3240円 / VIZL-1284 -
通常盤 [CD]
2592円 / VICL-64900
- 収録曲
-
- メロディーフラッグ
- Crazy Girl's Beat
- ROCKな☆アタシ
- 青空Emotion
- パフェ・デ・ラブソング
- プレゼント・フォー・ユー
- カリフォルニア・ガールズ(ドラマトラック)
4U 1st Live!!!「The Pres"id"ent 4U」in Osaka&Tokyo
- 2018年1月21日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
OPEN 15:30 / START 16:30 - 2018年2月3日(土)東京都 TOKYO DOME CITY HALL
OPEN 15:30 / START 16:30
出演者長縄まりあ(佐伯ヒナ役)/ 吉岡茉祐(鰐淵エモコ役)/ 山下まみ(九条ウメ役)
- Tokyo 7th シスターズ(トウキョウセブンスシスターズ)
- 2014年2月にサービスインしたスマートフォン向けのアイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム。“アイドル氷河期の西暦2034年”を舞台にアイドルを育成&プロデュースしていく。ゲーム中にはメインユニット・777☆SISTERSをはじめ多くのアイドルグループやユニットが登場する。
- 長縄まりあ(ナガナワマリア)
- 愛知県出身。主な出演作品は「スロウスタート」「つうかあ」など。「Tokyo 7th シスターズ」では佐伯ヒナの声を担当している。
- 吉岡茉祐(ヨシオカマユ)
- 大阪府出身の声優。主な出演作品には「Wake Up,Girls!」「あんハピ♪」などがある。「Tokyo 7th シスターズ」では鰐淵エモコの声を担当している。
- 山下まみ(ヤマシタマミ)
- 北海道出身の声優。2012年にオーディション「ミス龍が如く5を探せ!」で札幌地区代表に選ばれ、ゲーム出演および声優デビューを飾る。青二プロダクションに所属しタレントとしても活躍。「Tokyo 7th シスターズ」では九条ウメの声を務める。
- 茂木伸太郎(モテギシンタロウ)
- 株式会社Donutsに在籍するクリエイター。「Tokyo 7th シスターズ」の総監督兼総合音楽プロデューサーとして同作品のビジュアル、脚本、楽曲の企画や制作、ライブ制作に携わっている。