あ、ロックをやっても大丈夫だな
──今回の「WORLD'S END」は時系列で言うと、「SEVENTH HAVEN」のおよそ10カ月ほど前。セブンスシスターズがまだインディーズだった頃の楽曲になるんですよね。当時の彼女たちはロックをやっていたと。
茂木 そうですね。セブンスがそういう音楽ジャンルをやっていたっていう設定はもともとあって、QOP(The QUEEN of PURPLE)なんかはそこに影響を受けていたりするわけなんですよ。で、それを世に出すタイミングをこの1年くらいで固めたんですけど、3rdライブでのQOPの初パフォーマンスがすごくよかったことも今回のリリースを後押ししてくれたところはあったと思いますね。
kz あのライブはホントによかったですもんねー。
茂木 そうそう。あのライブの雰囲気、お客さんの歓声を聞いたり盛り上がりを観たことによって、「あ、このタイミングでセブンスでもロックをやっても大丈夫だな」って、より思いきれたところはあったと思います。
──kzさんの中には、QOPの存在が今回の曲に与えた影響もありました?
kz インディーズのときのセブンスにQOPが影響を受けているって話は事前に聞いてはいたんですけど、とは言えQOPがやってる音楽性をそのままセブンスに当てはめるのは違うじゃないですか。バンドって、影響を受けた憧れの存在がいたとしても、それがそのまま自分たちの音楽性に直結するとは限らない。なので、QOPのルーツとしてっていう考え方ではなく、セブンスの歩む道のりを意識した感じですかね。今回の曲の先に「SEVENTH HAVEN」がある、そのもっと先には「Star☆Glitter」がある、みたいな流れを考えたうえで彼女たちのスタート地点であるロックをどう表現するかって言う。
──そのうえで、フォロワーが現れることへの説得力を持たせるインパクトもなきゃいけないわけですよね。
kz そうっすね。だから、イントロでは「なんかヤバい奴らが現れた!」みたいな雰囲気を出したかったんですよね。もちろん、聴き手を一発ぶん殴るようなインパクトは「SEVENTH HAVEN」のほうがあるとは思うんですけど、今回の曲にはインディーズ時代の悶々とした気持ちが渦巻いている感とか、これからの物語を想起させるような雰囲気を詰め込めたような気はします。
──そういった当時のセブンスの雰囲気は歌詞にも如実に表れている印象がありますね。
kz 歌詞はね、今回けっこう悩んだんですよ。
茂木 紆余曲折ありまして(笑)。
2人で共作する意味がすごく見える楽曲
──今回の歌詞はkzさんとSATSUKI-UPDATEさんの共作になっていますね。
kz 今回はインディーズっていう絶妙な時代の曲だったので、どんな世界観の歌詞にするかでけっこう迷ってたんですよ。で、1回自分なりに書いたんですけど、フルリテイクくらいまして(笑)。
茂木 そうそう。申し訳なかったんですけど。要はね、今回の曲はナナシスの世界を表現して、それを包み込む必要がなかったんですよ。もちろんナナシスの世界にこういう楽曲が存在しましたよってことではあるんですけど、インディーズ時代の曲だからこそ個人とかグループに寄せた表現をしていいと思ったんですよね。
kz そう。その方向性は僕もわかってたんですけど、最初に書いた歌詞ではそれをやりすぎちゃった(笑)。個人にスポットを当てすぎちゃったんですよね。しかも中学生女子が書いた歌詞っぽく、支離滅裂なんだけどなんとなく言いたいことはわかるみたい書き方をあえてしたんで。
茂木 それにはビックリしたんですよ。プロが素人っぽく書くなんてことができるんだ、すごいなって正直思いました。方向性やアプローチはまったくもって間違ってなかったし。
kz でも「そこまでやんなくて大丈夫です」みたいな(笑)。そこからSATSUKI大先生と一緒に、キャラの感情がより感じられるような歌詞を作っていった感じでした。
茂木 お互いの言葉やフレーズがかなりミックスされてますね。ナナシスのkz曲で歌詞の共作をすることが果たして大丈夫なのかっていう危惧もあったんですけど、今回はわがままを言わせてもらって。僕としてはすごく楽しい作業でした。
kz 僕も面白かったですよ。2人で共作する意味がすごく見える楽曲だとも思えたし、それこそ年1ではあるけど(笑)、数年ずっと一緒にやってきたからこそできることだったなって。これが出会った頃だったら、「何度でも直すんで1人で書かせてください」って言ってたと思う。
茂木 ありがたいですよね。kzくんは、僕にとって信頼できる大事なクリエイターさんです。あ、誤解を招きたくないので一応言っときますけど、今後毎回SATSUKIが歌詞に入ってくるわけではないですからね。今回はセブンスにとって大事な楽曲で、伝えなくちゃいけないメッセージがあったからってことなんで。
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レベルアップするキャストたち
- セブンスシスターズ「WORLD'S END」
- 2017年7月26日発売 / Victor Entertainment
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初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / VIZL-1191 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37292
- CD収録曲
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- WORLD'S END
- PUNCH'D RANKER
- WORLD'S END -OFF VOCAL-
- PUNCH'D RANKER -OFF VOCAL-
- 初回限定盤DVD収録内容
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- t7s .LIVE -INTO THE 2ND GEAR 2.5-
- 777☆SISTERS「タイトル未定」
- 2017年8月30日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / VIZL-1192 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37293
- Tokyo 7th シスターズ「t7s 3rd Anniversary Live 17'→XX -CHAIN THE BLOSSOM- in Makuhari Messe」
- 2017年9月27日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤 [Blu-ray+フォトブック+オリジナルコースター]
10800円 / VIZL-1247 -
通常盤 [Blu-ray]
8640円 / VIXL-199
- Tokyo 7th シスターズ(トウキョウセブンスシスターズ)
- 2014年2月にサービスインしたスマートフォン向けのアイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム。“アイドル氷河期の西暦2034年”を舞台にアイドルを育成&プロデュースしていく。ゲーム中にはメインユニット・777☆SISTERSをはじめ多くのアイドルグループやユニットが登場する。
- 茂木伸太郎(モテギシンタロウ)
- 株式会社Donutsに在籍するクリエイター。「Tokyo 7th シスターズ」の総監督兼総合音楽プロデューサーとして同作品のビジュアル、脚本、楽曲の企画や制作、ライブ制作に携わっている。
- kz(livetune)(ケーゼット)
- アニメソング、ゲーム音楽、J-POPなど幅広いジャンルの楽曲制作および編曲を手がける音楽プロデューサー。DJとしても活躍し「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「COUNTDOWN JAPAN」「ULTRA JAPAN」「ニコニコ超会議」などさまざまなフェスやイベントに出演している。ソロプロジェクトのlivetune名義では「Google Chrome-初音ミク篇-」のCM曲「Tell Your World」や初音ミク関連のイベント「マジカルミライ2015」のテーマソング「Hand in Hand」などVocaloid楽曲を発表しているほか、SEKAI NO OWARIのFukase、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔といったボーカリストとのコラボ曲もリリース。また2015年10月には、ボーカリストにやのあんなを迎えたユニットlivetune+を始動させた。