アイドルを育成、プロデュースするiOS / Android向けゲームアプリ「Tokyo 7th シスターズ」(通称ナナシス)内の伝説的アイドルグループ・セブンスシスターズのシングル「WORLD'S END」がリリースされた。
ゲーム内ではすでに解散し、その存在がレジェンドとして語り継がれているセブンスシスターズ。本作の表題曲は、彼女たちがインディーズ時代に歌っていたという設定のシリアスなロックナンバーとなっている。作曲とアレンジは、歴代のセブンス楽曲を手がけているkz(livetune)が担当。歌詞はkzとSATSUKI-UPDATEの共作によるものだ。
本作を皮切りに、「777☆SUMMER☆JACK!」と銘打って3カ月連続でナナシス関連の新作がリリースされる。まずは「WORLD'S END」の発売を記念し、総監督&総合音楽プロデューサーである茂木伸太郎とkz(livetune)による対談を実施。楽曲制作にまつわるエピソードをたっぷりと語り合ってもらった。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 後藤壮太郎
なるほど、今回はそっちか
──音楽ナタリーでのお二人の対談は「SEVENTH HAVEN」以来、約1年半ぶりです(参照:「Tokyo 7th シスターズ」特集 茂木総監督 & kz(livetune)対談)。
kz(livetune) 今までナナシスには年1ペースで関わってきてたんで、今回はちょっと長かったですね、スパンが。もう話、来なくなっちゃったのかなと思ってちょっとヒヤヒヤしてました(笑)。
茂木伸太郎 いやー、ごめんなさい(笑)。「ハルカゼ(~You were here~)」のアニメ制作と3rdライブの制作をずっとやってたんで。今作の方向性は去年の夏にはもう決めてはいたんですけどね。次の夏にはこういうことをやろうって。
kz で、僕は今年の春、3rdライブ(今年4月に千葉・幕張メッセで開催された「Tokyo 7th シスターズ 3rd Anniversary Live 17'→xx -CHAIN THE BLOSSOM- in Makuhari Messe」)の手前くらいにその話を聞いて。「なるほど、今回はそっちか」と。
──「SEVENTH HAVEN」のときは楽曲に関する具体的なキーワードが事前に提示されたとおっしゃっていましたが、今回はどうだったんでしょう?
kz 今回もありました。ただ、前回ほど具体的に細かい指示ではなかったですよね。
茂木 うん。楽曲のジャンルとテンション感……シリアスなのか激しいのかみたいなイメージくらいでしたね、お伝えしたのは。この「WORLD'S END」に関してはシリアスなテンションで作ってほしいというイメージだったんですけど、kzくんとはもう何度も一緒に仕事をしてきた関係性があるので、その仕上がりはある程度想像が付くところがあったというか。だからそれほど細かく指示しなくても大丈夫だなと。でも3rdライブのあとに確認されましたけどね。「僕なりにかみ砕いて作っていいんですよね?」って(笑)。
第2期オープニングのイメージってなんだよ!
──そこで提示された楽曲のジャンルがロックだったわけですね。
茂木 はい。当初はデジロックって言い方をしてましたけど、僕なりに「この人のこういう曲の感じで」っていう明確なサンプルと共にお願いしました。
kz エモとかスクリーモとか、そんなイメージでしたよね。僕としては、このタイミングでセブンスがそういうジャンルをやることは全然アリだなと思ったんですよ。ナナシスの世界を今まで以上に知ってもらうきっかけになった「SEVENTH HAVEN」という楽曲以降、自分なりにどう立ち回っていこうかなと考えていたところがあったんですけど、「SEVENTH HAVEN」であそこまでバチバチに振り切ったことをやったんだからもはやなんでもアリだしなって言う(笑)。
茂木 あははは(笑)。そうだね。
kz それにセブンスがやるロックは確実にほかとは違う独自性のあるものになるだろうなっていう確信もあったんですよね。それはたぶんナナシスと4年くらい付き合ってきたからこその感覚だと思う。結果的に、一般的なアイドルが歌うロック、アイドルポップスとはまったく違う楽曲になりましたからね。
茂木 今思い出しましたけど、最初にお渡しした指示書には「アニメの第2期オープニングのイメージで」って書いたんですよね。たいていアニメって第2期になると過去編が始まったりしてちょっとシリアスになるじゃないですか。そういう雰囲気に合った曲がいいなと。
kz あー、そうでしたね。イメージはわかりやすかった。でも、ナナシスのアニメはまだ第1期も作られてないのに、いきなり第2期オープニングのイメージってなんだよ!ってちょっと思いましたけど(笑)。
茂木 あははは(笑)。でも上がってきた楽曲はバッチリでしたね。想像以上の仕上がりで。もうちょっと激しい感じになるのかなって思ってたところもあったんですけど、ピアノで始まるイントロとか、よりシリアスな雰囲気で。かなりグッときました。
──「SEVENTH HAVEN」での対談時「セブンスシスターズのいろんなイメージをバランスよく曲に配分する感覚がわかったから次からはもっとやりやすくなるだろう」とおっしゃっていましたよね。それは今回の制作で生かせました?
kz いや、やっぱセブンスのことはわかんないっすね。わかった気になったけど、全然わかんない(笑)。今回の楽曲のイメージ自体、自分の予測外ではありましたから。ただ、彼女たちのラスボス感、ナナシス世界での存在の大きさみたいなところは「SEVENTH HAVEN」でしっかり出せたと思うので、そこに関しては幾分のやりやすさはあったかな。とは言え、今度はそのカリスマ性をどう維持していくのかみたいなプレッシャーが大きくなったりもしたんですけど(笑)。
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あ、ロックをやっても大丈夫だな
- セブンスシスターズ「WORLD'S END」
- 2017年7月26日発売 / Victor Entertainment
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初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / VIZL-1191 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37292
- CD収録曲
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- WORLD'S END
- PUNCH'D RANKER
- WORLD'S END -OFF VOCAL-
- PUNCH'D RANKER -OFF VOCAL-
- 初回限定盤DVD収録内容
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- t7s .LIVE -INTO THE 2ND GEAR 2.5-
- 777☆SISTERS「タイトル未定」
- 2017年8月30日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / VIZL-1192 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37293
- Tokyo 7th シスターズ「t7s 3rd Anniversary Live 17'→XX -CHAIN THE BLOSSOM- in Makuhari Messe」
- 2017年9月27日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤 [Blu-ray+フォトブック+オリジナルコースター]
10800円 / VIZL-1247 -
通常盤 [Blu-ray]
8640円 / VIXL-199
- Tokyo 7th シスターズ(トウキョウセブンスシスターズ)
- 2014年2月にサービスインしたスマートフォン向けのアイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム。“アイドル氷河期の西暦2034年”を舞台にアイドルを育成&プロデュースしていく。ゲーム中にはメインユニット・777☆SISTERSをはじめ多くのアイドルグループやユニットが登場する。
- 茂木伸太郎(モテギシンタロウ)
- 株式会社Donutsに在籍するクリエイター。「Tokyo 7th シスターズ」の総監督兼総合音楽プロデューサーとして同作品のビジュアル、脚本、楽曲の企画や制作、ライブ制作に携わっている。
- kz(livetune)(ケーゼット)
- アニメソング、ゲーム音楽、J-POPなど幅広いジャンルの楽曲制作および編曲を手がける音楽プロデューサー。DJとしても活躍し「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「COUNTDOWN JAPAN」「ULTRA JAPAN」「ニコニコ超会議」などさまざまなフェスやイベントに出演している。ソロプロジェクトのlivetune名義では「Google Chrome-初音ミク篇-」のCM曲「Tell Your World」や初音ミク関連のイベント「マジカルミライ2015」のテーマソング「Hand in Hand」などVocaloid楽曲を発表しているほか、SEKAI NO OWARIのFukase、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔といったボーカリストとのコラボ曲もリリース。また2015年10月には、ボーカリストにやのあんなを迎えたユニットlivetune+を始動させた。