素のまま4年続けて存在自体がアイドルに

──5年目に突入するしゃちほこはこのまま素の感じでやっていけそうですか？

咲良　なんかこういう感じでやってていいのかなって気がするよね。だって素で売れる人なんているの？ 超天才じゃない？ そんな人。

伊藤　お笑い芸人さんとかもさ、テレビに出てるときはめっちゃ面白いけど、裏だと真面目な人が多いもんね。

大黒　確かにね。

咲良　でもさ、アーティストってさ、人柄とか関係なく音楽で評価される人が多いじゃん。だけどアイドルってタレントとアーティストの中間だから自然体で売れるというのはすごく難しいと思うんだよね。アイドルってつまりはローラさんが歌って踊ってるのと一緒だよ？

坂本　ローラさんはモデルさんのときめっちゃカッコいいもんね。

咲良　そうそう。ローラさんいいよね。ああいうふうになりたい。自然体でキャラが立って、なおかつモデルのときはバシッと決めてて。最近私さ、本当素でいすぎて笑顔が減ってる気がする。

坂本　作り笑顔をしないからでしょ？ 自然体だからいいんだよ。

咲良　そう？ あ、っていうことはさ、存在自体がアイドルになってるっていうことなんじゃない？ 無理しなくてもアイドルってことだよ？

伊藤　あ、そっか！ 最初、菜緒はアイドルになろうとがんばってたんだもんね。それが今となっては自然体でいるだけでアイドルって呼ばれてる。

咲良　うちら、自然体でアイドルなんだよ。それって強くない？

──それがこの4年間でたどりついたところなんじゃないですか？

咲良　ヤバいよね。かなりすごいと思う。素過ぎてちょっと不安になるときもあるけど（笑）。

これくらいやっても大丈夫

──今年の「俺の藤井 2016 in さいたまスーパーアリーナ ～Tynamite!!～」の初日公演「第1回 ワンデイワールドリーグ戦」のトーナメントで、ももクロに勝ったのがすごく記憶に残っていて（参照：先駆者の意地みせた！8組激闘の「俺の藤井」初日、ももクロが最高王者に）。チームしゃちほこには、ああいう火事場の馬鹿力みたいなものをすごく感じるんですよ。

大黒　あー、今年の「俺の藤井」はうちらにとって大きかったよね。自信になった。

秋本　うん。終わったあとに自分たちでも「あのときの自分たちはカッコよかった」って話し合ってたぐらい。一昨年ぐらいからお立ち台制度（ステージ前方のお立ち台を自由に使う決まり）ができて、その頃からその場のテンションで動けるようになってきたのかもしれない。

大黒　うん。あのときの私たちは本当にカッコよかった。エビ中ちゃんに負けたとき、18年間生きてきた中で一番悔しかった。

──しゃちほこってその場その場の判断力というか、瞬発力があるなと思うんですが、これまでの活動で6人の信頼関係ができてきたからなんですかね。

秋本　そうかも。ほかの人の動きを見てフォーメーションを整えたりとか、レッスンではしてないことを本番でできるようになりました。

大黒　リハーサルは先生やスタッフさんしか観てないからちゃんとやらなきゃっていう意識があるけど、本番では自分たちらしく崩せるように徐々になってきたよね。

秋本　うん。「これくらいやっても大丈夫」っていう加減がわかったというか。

大黒　そうそう。それぞれのキャラが立ってきてから、そういうバランスが取れるようになったような気がします。ちょっとお馬鹿なメンバーがいてもしっかり者のメンバーがうまいことまとめてくれたりね。メンバーそれぞれが柔軟にやって来れた気がします。