生半可な気持ちじゃできない「YouTuberみのりんご」
──タイミング的に、レコーディングはいろいろと大変な時期でしたよね。
北川 今回はあんまり人が集まっちゃいけないということで、バンドで集まって録ることもできなかったんですよ。僕はよくスタジオで動画を撮ったり、それをSNSにアップしたりしてるんだけど、今回はできなかった。みのりちゃんもなかなか参加できなくて大変だったよね。
鈴木 混んだ電車に乗るのも心配だったので、レコーディングスタジオに自転車で通ってました(笑)。
福田 何度も延期になったもんね。ミックスも最後はリモートになっちゃったしね。
北川 いつもはバンドのみんなで集合して「もうちょっとこうしよう」とその場で微調整ができたんですけど、今回はそれができなくて。
──今の時期にYouTubeを始めたアーティストはたくさんいましたけど、鈴木さんが「YouTuberみのりんご」を始めたのは1月末で、コロナ禍とは関係ないんですよね。
鈴木 そうなんですよ。4thシングル「夜空」の発売記念で始めて。
──アルバムの初回限定盤“しお盤”には番外編「出張版みのりんご」として撮り下ろし映像も2本入っています。すごく積極的ですけど、そもそもYouTubeはご自身でやりたくて始めたんですか?
鈴木 YouTuberになりたかったわけじゃないんですけど、私はもともとYouTuberが大好きで普段からよく観てたんです。でも、YouTuberが好きだからこそこだわりが強くて、生半可な気持ちじゃできないなって。クオリティをすごく求めてしまって大変なんですよ(笑)。
「音楽は尊敬と感謝でできている」
──先のことがなかなか見えにくい状況ではありますが、このアルバムで新しい一面を見せた鈴木さんはここからどこに向かっていくのか、プロデューサーのお二方はどこに向かってほしいと考えているのか、それぞれ教えてもらえますか?
北川 保護者面談みたいだね(笑)。
福田 これは鈴木みのりに限った思いではないですけど……亡くなった加藤和彦さんが遺した「音楽は尊敬と感謝でできている」という言葉は僕の座右の銘で。先人たちが偉大な音楽を作ってきたことへの尊敬と、今自分が音楽を作らせてもらえている、スタッフやファンへの感謝の気持ちを忘れないこと。この2つが音楽を形作っているんだと和彦さんはおっしゃっていて、僕はその言葉にすごく感銘を受けたんですね。尊敬と感謝を忘れないアーティストになってほしいというのが一番の願いです。結局ね、歌がうまいとか顔がかわいいとかスタイルがいいとか、そういう人は世の中にいっぱいいるんですよ。最後に何がアーティストとしての武器になるかと言うと、僕はやっぱり人間力やキャラクターだと思うんです。そこで勝負できるアーティストになってほしいなと。歌のうまさだとか地力は持っている子だから、人間力も含めて「ああ、鈴木みのりってやっぱりすごいよね」と言われるアーティストになってほしいです。
北川 2枚のアルバムに参加しましたけど、まだまだ彼女にやってほしいこと、歌ってほしい曲がたくさんあるんですよ。ライブでお客さんの前で歌っていけば本人も曲も成長していくだろうし、その先でやってみたいことが僕にはまだまだあるんで、長い目で一緒に作り上げていきたいなと思っています。ここで「やったね!」という気持ちでは全然なくて、まだまだ第1歩第2歩だと思うので。
鈴木 自分が思う一番の武器は、思いをちゃんと歌で届けることだと思うので、いざみんなの前に立てる日が来たときにしっかりと届けられるよう歌をいっぱい練習しておきたいと思います。
ツアー情報
- 鈴木みのり 2nd LIVE TOUR 2020~Now Is The Time!~
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- 2020年11月21日(土)福岡県 イムズホール
- 2020年11月27日(金)大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
- 2020年11月28日(土)愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
- 2020年12月2日(水)東京都 日本青年館ホール
※チケット料金や販売スケジュールなどは追って発表