“Dad Rock”に受けた影響
──4人とも音楽の趣味は全員バラバラのようですが、どうやってその音楽性をまとめていくんですか?
Washiyama まとまってないですよ、たぶん。まとまったらもうみんな大人になったって感じで。そこが辞めどきなのかな?
Sawada そうだろうね。
Washiyama みんなの個性が目立たなくなると思うんで。それってもうサスフォーとしてやる意味ないんじゃないかな? 彼(Fukuda)が例えばほかのバンドでベース弾いてスラップしてたら「うるせー」と言われるくらいの演奏をしてたほうがカッケーじゃないですか。ドラムもほかのバンドで、「あいつのドラムしか聞こえん」ってなってた方が魅力的じゃないですか。でもサスフォーって、みんなそうなんすよ。そういうのがずっとあるから、逆にまとまってるのかなみたいな。ある意味。
──その一方でメロディがめちゃめちゃポップですよね。一緒に歌えるぐらいの。
Washiyama キャッチーなのが好きなんで。歌ってもらえるのが一番調子いいなと思ってる。
──サスフォーって演奏はめちゃくちゃシャープでテクニカルだけど、歌がすごくポップというか。日本のロックの王道みたいな、みんなで共有できるメロディになってるところが面白いと思います。
Washiyama 6曲目の「ヨンヨンゼロ」だっけ? 俺がドリカムっぽく歌おうと思ったら、めっちゃミスチルになったっていう。
Sawada ミスチルだった。俺はあれ好きだったよ。
Fukuda 俺も好きだった。
──ドリカムとかミスチルとか、そういうアーティストも意識するんですね。
Washiyama ミスチルはマジで意識してなかったですけどね。曲がドリカムっぽいと思って。だからそういうテイストで歌ったらハマりそうという話をしていて。
──こういうロックをやってる人がドリカムみたいな歌にしようとか思わないんじゃ?
Dennis その曲は僕が作ったんですけど、そのときCHAGE and ASKAにハマってたんです。
Washiyama すーぐ影響されるからね(笑)。
Dennis ハマってたからチャゲアスみたいな曲を作りたいなと思って。
──マジで?
Dennis はい(笑)。
Washiyama みんなそうじゃない? みんな何かに影響されがち。
──影響される対象が面白いですよね。ロックじゃないものからもどんどん取り込んでいて。
Washiyama ロックじゃないもののほうが影響されますね。というか、ロック自体がもう定石すぎて。
Sawada それこそ古典芸能感がある。
Washiyama Dennisが言ってたのは“ダッドロック”だっけ? その話を聞いてからめっちゃ嫌だもん(笑)。
Dennis そう。海外だといわゆるオヤジが聴く音楽を“Dad Rock”と言うんです。1960年代から80年代ぐらいまでの音楽を海外の子供たちに聴かせると、「お父さんの車で流れてた曲だ!」と言うんですよ。めっちゃカッコ悪くないすか(笑)。
──でもWashiyamaさんもDennisさんも、そういう音楽に影響されているんですよね。
Washiyama そうです(笑)。
Dennis 自分なんてDadどころか“グランパロック”だもん(笑)。
誰にとっても最強の音楽を
──ダッドロックの影響が少なからずあるサスフォーを今の音楽に昇華して、現代人にアピールするためには、何が一番必要だと思います?
Washiyama エゴを隠そうとしてる雰囲気があえて伝わったほうがいい。極力、君たちに寄せた音楽なんだぜと言いながらナイフを突き刺そうとする感じ。それが一番刺さるような。
Dennis こんなにキャッチーな曲ができるのに、リハとかの音が漏れ聴いてると、めっちゃ攻めた曲もやってるよね?みたいな雰囲気。
Washiyama うん。そういう殺意が漏れている状態で出すのが一番いいかな。いろんな人に刺さると思う。
──二重構造というか。
Washiyama うんうん。だからどっちかがなくなったら、ちょっとウケが悪くなると思う。
──考えてるんですね、いろいろと。
Washiyama めちゃくちゃ考えてます……。
一同 (笑)。
Sawada 考えてますねえ。実はけっこう知能犯。
Fukuda 意外と野生的じゃないんで。
Washiyama 全然野生じゃないっす! めちゃめちゃビジネスやってますからね(笑)。
──同年代のバンドはそういうこと考えてると思いますか?
Washiyama 考えてないでしょうね。
Sawada 「俺の音楽を聴け!」みたいな感じが多い。
Washiyama 俺もそういうところはあるんですけどね。「俺の音楽を聴け!」はあるけど、俺の作った「誰にとっても最強の音楽を聴け」って感じなんですよ。
Sawada ああ。なるほどね。
Washiyama 俺の音楽を聴けーではなく、たぶん40歳の人でも刺さるよー?みたいな気持ち。
──じゃあ今のサスフォーの音楽的な状況は、ある意味意識的に作ってきた部分があるし、ある程度計算通りに広まってきた感じもある?
Washiyama 計算でしかないっすね。
──言い切りましたね(笑)。
Washiyama 自分はけっこう裏付けがないとダメで。例えば曲を書いてるときも音楽理論的に、ん?ってなったらやり直します。だから音楽的にもマネジメント的にも、これがこうだからこうなるっていうのが確定してからすべてやってる感じです。
──確信が持ててから。
Washiyama そうそう。そこはずっと、バンドを始めたときから。もちろんそれが外れることもあるんですけど。それはそれで勉強になりますよね。それの繰り返しで。
Sawada 繰り返しと積み重ねで、今に至る感じかな。
──今回PIZZAと契約することになって、どんなことを期待しますか?
Washiyama えーと……WANIMAぐらいまではいきたいですねえ。
──超具体的な名前が出てきましたけど。
Sawada 「WANIMAぐらい」って、相当やで(笑)。
一同 わはははは!(笑)
Dennis でもダッドロックならぬグランパロックの愛好者としては伝説にならないといけないんで。とりあえずWANIMAぐらいはいきたい。
──でも路上ライブは粛々と続ける?
Sawada もちろん。粛々といつも通りやります。
Dennis 曲も作り続けますし。
Sawada PIZZA OF DEATHに加入したからといって、サスフォーがガラッと変わることはないと思います。今のところは。
Washiyama そうだし、たぶんお互いが望んでないんで、そこは。
──そりゃそうでしょうね。期待してます。
一同 ありがとうございます!
ツアー情報
- Suspended 4th "GIANTSTAMP Tour"
-
- 2019年9月19日(木)大阪府 LIVE HOUSE Pangea <出演者> Suspended 4th / w.o.d.
- 2019年9月20日(金)愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL <出演者> Suspended 4th / w.o.d.
- 2019年9月27日(金)東京都 TSUTAYA O-Crest <出演者> Suspended 4th / and more