今、私は満開です!
──オーケストラライブでいち早く披露されていた「Bloom」という楽曲が今回シングルとしてリリースされることになりました。キラキラしたサウンドと柔らかなボーカルが響くこの曲には、新たなベクトルの“癒し”が込められていますね。
この曲はけっこう前からあって、前回のツアーが終わった段階で「次に歌うんだったらこういう優しい曲がいいな」とずっと思っていたんです。で、ツアーが終わって活動をお休みすることになってしまったわけですけど、その間にも頭の中でこの曲がずっと流れていて。「これはよっぽど好きだぞ」と思ったので、復帰後にまず聴いてもらうのは絶対この曲だなと。
──「Bloom」というタイトルには、2008年リリースの「愛をこめて花束を」のジャケットで越智さんの頭を飾っていた花が、10年の時を経てより大きく花開いたという意味が込められているそうですね。
はい。あれからの10年でいろんなことを学び、以前よりもきれいなお花を咲かせられるようになったかなっていう心境と共に、これまでの感謝の気持ちを楽曲として伝えられたらいいかなと思ったんですよね。
──同タイトルが掲げられていたオーケストラライブのステージ上にも大量の花が咲き乱れていましたから。
すさまじい量でしたよね(笑)。でもあれだけの花に囲まれながらも、自分の気持ちが負けていない実感もあったんですよ。「今、私は満開です!」みたいな気持ちでちゃんとステージに立てたと言うか。そういう心境になれたことは、本当にこの10年の活動があったからこそだなと思いましたね。
10周年のゴールの先まで描かれた「Bloom」
──「Bloom」の作曲と編曲は蔦谷好位置さんが担当されました。ライブアレンジと同様に柔らかなストリングスアレンジになっていますね。
私はこの曲のBメロのメロディがすごく好きなんですよ。簡潔なメロディなんだけど、同時にすごく美しさがある。それがオーケストラアレンジになったことでより引き立ったような印象がありましたね。曲に強い意志が生まれた気もしたし、何かがグッと動き出す、走り出すような画が見えてきたと言うか。いろんな楽器が絡み合うことで生命を感じる部分もあったので、そこに身を委ねて歌うのもすごく楽しかったです。
──歌詞はいしわたり淳治さんが手がけています。
いしわたりさんには「愛をこめて花束を」のときにも手を貸していただいたので、その10年後のストーリーみたいなものを書いていただけたらと思ってお願いしました。そうしたらものすごく深い歌詞を書いてくださったんですよ。シンプルなラブソングとして聴くこともできるし、歌詞の中にある“あなた”をファンの方として聴くこともできる。そうやっていろんな想像を掻き立てられる歌詞だからこそ、どう歌おうかっていうのはすごく悩みましたね。結果、過去の自分と今の自分を対比させて歌ってみたんですけど。
──歌録りはいつ頃行われたんですか?
去年の夏、8月くらいですかね。オーケストラライブを11月に控えていたので、歌う感覚を取り戻しつつ、ちょっとずつ練習しながら録りました。キーのトップもそれほど高くない曲なので、とにかく優しく。自分が休んでいるときに家で口ずさんでいた感覚で歌いました。鼻歌みたいな感じと言うか。
──ナチュラルな雰囲気ではありますけど、ものすごく丁寧に、繊細に歌われていますよね。
曲調が柔らかい雰囲気なので、言葉がしっかり聴こえるよう丁寧に歌うことを心がけました。あとはオーケストラとちゃんと絡み合い、掛け合えるようにあまり自分の歌を主張させすぎないようにしたところもあります。弦の音に共鳴するように、寄り添って歌えたらいいなって。
──10年の活動を総括しつつ、今の越智さんの心情を色濃く反映させた仕上がりですが、ここから先の未来に向けた決意もしっかり見えています。そこもこの曲のいいところだなあと。
そうそう。いしわたりさんがそういう歌詞を書いてくださったんですよ。「愛をこめて花束を」の10年後を描いた愛の歌という意味では、ある種、これがゴールとも言えるじゃないですか。花も満開になったわけなので。でも、そこで終わりにするのではなく、その先のこともちゃんと描いてくれていて。さすがだなって思いましたね。
──感謝の気持ちが込められたこの曲を、リリースに先駆けてライブで聴くことができたファンはうれしかったでしょうね。
喜んでくれていましたね。ライブが終わったあとには「新曲よかった!」っていう声がたくさん聞こえてきましたし。ライブで初披露する新曲って、一生懸命聴いてるうちにあっという間に終わっちゃうじゃないですか(笑)。だからちゃんと届くか不安だったんですけど、しっかり受け取ってもらえたのでうれしかったです。
──ライブでの歌声には、音源とはまた一味違った感情も見えている気もしますね。
そうですね。みんながまだ聴いたことのない曲を歌うわけなので、そこで歌詞の内容までをしっかり聴き取ってもらわないといけないという部分では、レコーディングとはまた違ったやりがいがあるんです。実際あのライブではそこへの手ごたえもちゃんと感じることができたので、シングルではぜひスタジオ録音されたものとライブ音源とを聴き比べてもらえたらなって思いますね。
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タイアップにヒントを得て自分の中に存在していたものが引き出される
- Superfly「Bloom」
- 2018年6月6日発売 / WARNER MUSIC JAPAN
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初回限定盤(DVD) [2CD+DVD]
4320円 / WPZL-31444~6 -
初回限定盤(Blu-ray) [2CD+Blu-ray]
5400円 / WPZL-31447~9 -
通常盤 [2CD]
2916円 / WPCL-12862~3
- DISC 1(CD)収録曲
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- Bloom
- Fall
- ユニゾン
- Force -Orchestra Ver.-
- DISC 2(CD)収録曲
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Superfly 10th Anniversary Premium LIVE "Bloom" オーケストラ・アレンジ盤
- Prelude
- 愛をこめて花束を
- やさしい気持ちで
- 春のまぼろし
- 愛に抱かれて
- 輝く月のように
- You & Me
- あぁ
- Wildflower
- Good-bye
- Beautiful
- Force
- Alright!!
- “FIRE” Medley(タマシイレボリューション / 恋する瞳は美しい / Bi-Li-Li Emotion / Free Planet)
- 愛をからだに吹き込んで
- Bloom
- DISC 3(BD/DVD)収録内容
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Superfly 10th Anniversary Premium LIVE "Bloom"
- Prelude
- 愛をこめて花束を
- やさしい気持ちで
- 春のまぼろし
- 愛に抱かれて
- 輝く月のように
- You & Me
- あぁ
- Wildflower
- Good-bye
- Beautiful
- Force
- Alright!!
- “FIRE” Medley(タマシイレボリューション / 恋する瞳は美しい / Bi-Li-Li Emotion / Free Planet)
- 愛をからだに吹き込んで
- Bloom
- 愛をこめて花束を
- Superfly(スーパーフライ)
- 2004年に結成。越智志帆のパワフルかつソウルフルな歌声、60年代、70年代の洋楽を思わせるブルージーなサウンドが注目を集め、2007年4月にシングル「ハロー・ハロー」でデビュー。2008年に発表した1stアルバム「Superfly」、2ndアルバム「Box Emotions」がともにチャートで1位を記録し、2009年12月には初の日本武道館ライブを成功に収めた。その後も多くのヒット曲を連発し、2011年には3rdアルバム 「Mind Travel」でアルバム4作連続1位を達成。初のアリーナツアーも大成功に収める。2015年5月に2年8カ月ぶりのオリジナルアルバム「WHITE」をリリースし、7月からは33都市39公演のホールツアーを開催。2016年1月からは7都市全11公演のアリーナツアーを実施した。デビュー10周年を迎えた2017年4月にファン投票で選曲したベストアルバム「Superfly 10th Anniversary Greatest Hits "LOVE, PEACE & FIRE"」を発表。11月には東京・東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアルにてライブ「Superfly 10th Anniversary Premium LIVE "Bloom"」を行い、年末には2015年以来2年ぶり2度目となる「NHK紅白歌合戦」に出演した。6月6日に23枚目のシングル「Bloom」をリリースする。