SUPER★DRAGON|無二のミクスチャーユニットを形作る 9人9色のアイデンティティ

06.「Strike Up The Band」

Produced by 玲於

──玲於さんはどんなイメージでこの曲をプロデュースしましたか?

志村玲於
志村玲於

玲於 僕、UVERworldさんやONE OK ROCKさんの熱いライブが本当に好きなんです。一瞬一瞬に全力をかけて、自分の中にあるものをすべて出し切るような。なので、「熱い、ロックな曲をやりたいです」と言って、こういう曲に仕上がりました。歌詞も暑苦しく感じるかもしれないけど、「9menと体験」とか「リズムに掴まれた All my life」とか、等身大の自分たちを感じられるというか。

 うん。

玲於 自分自身スパドラに入ってから、自分たちの曲に衝撃を受けた経験がけっこうあるんです。「こんな音あるんだ!」「こんな曲できるんだ!」って。そういうときって体に電気が走るようで、パフォーマンスしている自分を想像するだけで気持ちがたかぶる。そういった瞬間が1つひとつ重なっていった4年間なんです。今回の曲も、すごくパフォーマンスに身が入る曲になったと思います。「見たことない世界へ もっとLoud」っていうところも、これから進むべき場所に向かって全力で取り組む僕らの姿勢にマッチしていると思うし、ファンのみんなには“見たことない世界”を見せるつもりでいるから。だからひと言で言うと……「ついて来い!」って曲ですね(笑)。

 出だしから男らしい暑苦しさを感じて「玲於らしいな」って思ったし、MVからは「ホントにダンスが好きなんだな」って伝わるよね。玲於が背中で語ってるシーンがあるんですけど、「Pendulum Beat!」(2017年)のMVでもそのシーンがあったことを僕は思い出して。

玲於 気付きました?(笑)

 そこからまた成長して大きくなった彼を見られたことで「玲於のこれまでの努力の集大成なんだな」と思ったし。ライブでも絶対盛り上がる曲だよね。いつも先陣切って盛り上げる玲於らしさを感じました。

──湖の中に設置されたステージの上で踊るシーンはかなりのインパクトでした。

玲於 めちゃくちゃ踊りづらかったです(笑)。でもやっぱり、気持ちはすごく入りましたね。いろんな人が僕のために動いてくれているのを感じて気合いが入ったし、スパドラという看板を背負ってる以上、ヘタなものは見せられないんで。なんと言うか、結局負けず嫌いなんですよね。そういう自分の性格も踏まえての、挑戦的なMVになったんじゃないかなと思います。

07.「Dragonfly」

Produced by

──颯さんはどういったイメージでこの「Dragonfly」をプロデュースしましたか?

 自分の中でライブ中に感情が一番ノってくるのが、「BROTHERHOOD」とか「SOUL FLAG」とか、仲間との絆を歌った曲を披露している瞬間なんです。自然と感情が乗って表現できるので、「今回もそういう曲ができたらいいな」と思い、テーマを「絆」にしました。「Dragonfly」はトンボのことなんですけど、トンボって日本では縁起物とされているんですよね。まっすぐ目標に向かって飛んで行く様子を、僕たちが夢に向かって羽ばたく姿にも重ねて。

──そうだったんですね。

飯島颯
飯島颯

 まっすぐ飛んでいくには絆や信頼関係も必要だと思いますし、そんな自分の思いも込めつつ。曲調はすごく疾走感があって、プラス全編英詞。ここで「2nd Emotion」との差というか、成長も表せたらと思って。海外の方にもなじみやすい曲になってくれたらという思いもあるんです。

ジャン スパドラの中で一番仲間思いの颯だから、絆やまっすぐ目標に向かってがんばる姿を描く曲はすごくマッチしてるなと思いました。全編英詞という部分に関しては、自分もSoundCloudに上げる曲は全部英詞で書いているんですけど、より多くの海外の方が耳に入れてくれるリアクションは確かに感じているので。自分たちとは違った視点からの感想をもらえると思うし、MVのコメント欄も楽しみに見ていますよ。

 ありがとう。

ジャン あと、僕と颯はMVがお互いにすごく関与しているから、撮影現場でも颯のことを間近で見てたんですけど……アクションシーンとか、彼だからできるところがすごくありましたね。

──MV、アクティブな場面が満載でしたね。

 普段ファンの方は僕らのパフォーマンスの表現や表情を観ていると思うけど、それ以外の一面をソロMVという貴重な機会を生かして届けたいなと思って、ストーリー性のある映像にしました。演技シーンも多めに作って、陰と陽の対比されている表情だったりを表現することに挑戦しようかなって。

──キレのある飛び蹴りも印象的でした。

 アクションはもともと興味があったんです。でも、あそこまで本格的なものになるとは思いませんでした(笑)。ただ自分は好きでアクロバットとかもやっているから「もっともっと教えて!」という感じ。これを機にもっといろんなことを学びたいと興味が湧きました。

──さきほどジャンさんの話にもありましたが、ジャンさんが登場する場面もあります。

 そういう意味ではホントに何度も観てほしくて。ほかのメンバーのMVとリンクしている部分を「なぜここで交わっているのか?」と考えてもらったり。解釈は人それぞれだと思うので、ぜひ感想をもらいたいですね。

08.「New Game」

Produced by ジャン

──ジャンさんは「New Game」に曲作りから携わっているんですよね。

ジャン そうですね。まずいただいたトラックに歌詞とラップフロウを付けて一度提出して、そこから作家さんと共同作業で仕上げていきました。歌詞のテーマはですね、僕、SoundCloudに上げている曲は1つも自分視点のものがないんですけど、逆にスパドラで作る曲は自分視点にするようにしているんです。で、今回の視点というのが、自分で言うのもアレなんですけど、僕、昔中二病だった時期がありまして……。

壮吾 あははは(笑)。

ジャン 今も完全に抜けてはないんです。いや、街中で(剣を振りかざす仕草で)「剣ー!」みたいなことはさすがにしないですけど(笑)。頭の中でいろいろ考えちゃうんですよ。

──なるほど(笑)。

ジャン海渡
ジャン海渡

ジャン 例えば現実世界でうまくいかないとき……ゲームの世界ってCPUが与えられたクエストをこなしていって、自分がその世界の主軸となってハッピーエンドで終わるというのが定番としてあるじゃないですか。そういった世界が楽で居心地がいいから、逃げてしまいたいとか。そんなイメージで歌詞は書いていきました。「現実世界のバニーちゃんにPreach」というフレーズがあって、これはなんで「バニーちゃん」という表現にしたかと言うと、自分の中でウサギって弱い動物のイメージなんです。そういうイメージの「バニーちゃん」という言葉を男性に向かって言うことで、皮肉を込めていたりとか。

壮吾 そうなんだ。

ジャン それでMVにもバニーちゃんのキャラクターが印象的に登場するんですけど。コミカルだけど、内容はけっこうエグいのかなと思います。あと、曲中で「この世界ならいらない」「あの世界ならいらない」という対比を作っているのもこだわりですね。「この世界」というのは、最初に主人公がいる現実世界のこと。主人公が自分の意思で“New Game”の中に入って、最後には「この世界」だったものが「あの世界」になっているんです。主人公のいる場所の変化を表現しています。歌詞の内容も満足するものになったかなと思います。

──MV撮影はどうでしたか?

ジャン マーケットを貸し切りにして撮影させてもらったり外を歩いたり、さまざまな場所で撮影しました。それこそ傘で「バーン」と撃つシーンは、中二病心をくすぐるというか(笑)。個人的に好きなシーンですね。ただ、終始狂った世界観を表現しなきゃいけなくて、表情なんかも常に怪しげに見えるようにと意識していたから、内面的なエネルギーをすごく使いましたね。

壮吾 すごく面白かった。ウサギちゃんかわいかったし(笑)。シーンの1つひとつに深い意味が込められていて、よく考えられたMVだなと思いながら観てました。

ジャン あと、全体的に「ダサカッコいい」を意識した面もあります。歌詞にもコミカルさを意識した言葉をあえて選んでいるし、MVもどこかコミカル。クールなトラックの上にそういった言葉や映像を乗せることで生まれるカッコよさというのを、ぜひ見てほしいなと思います。