SUPER★DRAGON|衝撃の先の感情爆発 成長刻んだ2ndアルバム完成

SUPER★DRAGONが2ndアルバム「2nd Emotion」を完成させた。

グループ誕生の“衝撃”を描いた前作のアルバム「1st Impact」から約2年2カ月ぶりにリリースされる今作は“感情”をテーマに制作された。スパドラが初めて「怒り」の表現に挑戦したリード曲「WARNING」を始め、3MCで歌われる「Set It Off」、毅と彪馬によるさわやかなポップソング「Song For You」など、アルバムには全15曲を収録。弾けるような感情表現と共に、ミクスチャーユニットとしての楽曲の多彩さ、表現の幅広さも楽しめる作品に仕上がっている。

リリースを記念し、音楽ナタリーではメンバーにインタビューを実施。1stアルバムからの進化を刻み込んだ新作に込めた思いを聞いた。

取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 須田卓馬

振れ幅が広がった2年

──前作のアルバム「1st Impact」から2年2カ月を経ての2ndアルバムリリースです。まずは、この2年間でSUPER★DRAGONがどんなふうに成長し、変わったか、皆さん自身はどう感じているのでしょうか?

玲於
玲於

玲於 ダンスに関しては各々の表現力や「そろえよう」とする意識が上がりましたし、一番大きな変化は「こうしたほうがいいんじゃないか」みたいなことを明確に言えるようになったこと。「もっとそろえたい、もっと自分を出していきたい」という向上心、ハングリー精神が沸き出てきたので、そういった面が2年前とは全然違うなあと思います。

ジャン ラップチーム(ジャン、洸希、和哉)に関してはですね、洸希はわからないけど、俺と和哉はラップに対する愛が……。

洸希 オイ!(笑)

一同 あはははは!(笑)

ジャン 3人共ラップに対する愛や知識が深まったから、それはやっぱりスキルにも反映されていると思います。

和哉 「自分で音楽を作りたい」という気持ちも強くなっているよね。

──それはいつ頃芽生えた感情なんですか?

ジャン 3人それぞれ違うよね。

和哉 僕は2018年に入ってからです。「ラッパーとして自覚を持っていろんなものに触れていかなきゃいけないな」と強く思い始めて、いろんなヒップホップの曲を聴いて行くうちにより好きになって「こういうラップをやりたいな」という意志も明確になってきたんです。

ジャン 僕は2017年後半に作曲のための機材を集め始めて、自分で曲を作るようになりました。だから去年はほかのアーティストさんの曲を聴くよりも、自分の曲を聴いている時間のほうが長かったです。今は自分のスタイルを確立できるように模索しているところで、声の出し方なんかも研究してますね。

洸希 それを言うと、僕も2018年はいろいろと探った年でした。歌やラップに関して、「自分に合う表現のジャンルってどんなものだろう?」と探していて。「これだ!」というものは完璧に見つかったわけではないので、今後も探りつつ歌やラップの技術を上げていきたいなと思ってます。

──ではボーカルに関してはどうですか?

 振れ幅がホントに広がったなと思います。「1st Impact」のときは僕ら、結成して1年経たないくらいだったと思うんですけど、1stアルバムはSUPER★DRAGONの軸というか、“立ち方”を見せた、みたいな感じだったと思うんです。「ミクスチャーユニットとして、ロックを軸にいろんな表現に挑戦していくよ」って。それが今回の「2nd Emotion」ではもっともっと……例えばヒップホップをガッツリやったり、R&Bに挑戦してみたり、表現の幅がホントに広がったなと思っていて。みんなが言っているように個々のスキルも高くなっているし、単純に声も成長している。表現の仕方はすごく変わったと思うし、貪欲な部分が見えていると思います。

彪馬 自分は1stアルバムと比べると声変わりしているから、前の曲を聴いていると「ホントに声が若いな」と思います。今回のアルバムでは声の成長もそうですし……あと、個人的には1つひとつの曲への感情の入れ方も2年間学んできたことを発揮できたと思うので、注目して聴いてほしいです。それと、英語詞の曲など初挑戦も多かったのですが、それを「初めて」と思われたくないという気持ちがあって。今までもやってきたことかのようにスッと耳に入ってこないと曲として成り立たないと思っていたので、そこは試行錯誤しながら、自分たちなりにがんばって表現した部分だったと思います。

まだまだ可能性があるということを示せた

毅
毅
ジャン

──毅さんがおっしゃったように、「1st Impact」が「これがスパドラです」という自己紹介的な作品だとしたら、「2nd Emotion」はスパドラのキャラクターが多角的に深く知れるような作品になっていて。

 そうですね。

 さらに今回は「感情」がテーマになっているんです。今の僕らにしかない様々な感情をベースに、今までSUPER★DRAGONが表現してこなかった“怒り”の感情も全3曲で表現していて。そこでまた新たなジャンルのサウンドも取り入れているので、そういったところでは僕らにはまだまだ可能性があるということを示せたアルバムになったかなと思います。これからさらにいろんなジャンルに挑戦していくと思うんですけど、そのきっかけにもなるアルバムなのかなって。

 初めて“怒り”を表現したけれど、アルバムで聴いて「どんなパフォーマンスをするんだろう?」と思ってもらえたらうれしいです。ライブでも、曲に乗せて感情を表現する僕らのパフォーマンスを観てほしいなって思います。

──ちなみに、メンバーの中で感情が表に出やすいのは?

 怒るときにわかりやすいのは洸希だよね。

ジャン でも洸希の場合は、ガチ怒りというか……。

壮吾 キレキャラみたいな感じだもんね(笑)。

 カンニング竹山さんみたいな。

一同 ああー。

玲於 わかる(笑)。

 キレ芸ですね!

彪馬 ビジネスギレ(笑)。

洸希 なんというか、誰かが言ったことに対して全然反応がないのとか、イヤじゃないですか。静かな空気が好きじゃないから、大きいリアクションをしたいんですよ(笑)。だからキレるときも、静かなトーンじゃなく大声を出したり。シーンとしたら変な空気になっちゃうので「大きい声出そう」って……。

一同 おおー。

ジャン でも実際、ラジオとかでも洸希がいると大きなリアクションをしてくれるから、すごくいい放送になるんですよ。

 思ったより深い(笑)。

壮吾 リアクション芸を極めたプロフェッショナルだった。

和哉 あと、颯くんの驚きはわかりやすいです。

一同 そうそう!

和哉 テンション高いときは特になんですけど、ホントに芸人さんみたい。いつだか、歩いているときにジャンくんが「あ、スタバあるやん!」とあからさまなボケを言ったんですけど、その瞬間に颯くんがめちゃくちゃ大きい声で「どこー!?」って(笑)。

ジャン わかるわかる。あったね(笑)。

和哉 そのリアクションはめちゃくちゃ面白いです。

 テンション高いと、ボケにノっちゃうんです。

洸希 パリピだ。

玲於 パリピー!(笑)

 ステージに上がると、特にそうなることが多いです。

一同 確かに!

「何してくれてんだ自分!」みたいな

ジャン

──ここからは収録曲について聞いていきたいのですが、まずはリード曲の「WARNING」について。この曲は怒りをテーマにした3曲のうちの1つで、ダーティサウスに挑戦されています。

彪馬 これまでに経験したことのないリズムの取り方をするところがあって、すごく新鮮でした。「どうやって歌ったらいいんだろう?」って。自分の中では、新しい表現に挑戦した感じです。

 この曲は時間をかけてレコーディングしたんですよ。最初は1日で録り切る予定だったんですけど、2日かけたんです。終盤に僕と彪馬のかけあいがあるんですけど、その前に自分が1人で高音を出し続けるパートがあって。その部分が、今まで出してきた高音より群を抜いて高かった。だからいつもとは違う発声をしなければならなかったんですけど、それに慣れず試行錯誤しました。がんばった分、いいものが録れたと思います。

彪馬 高音パートの表現は今後も歌っていくうえでのテーマになると思うので、リード曲でその課題に立ち向かって突破できたのはよかったよね。

和哉 あとこの曲、仮歌が全部英詞だったんです。ラップパートに関して言うと、英語のラップは小節間の隙間がないというか、スッとフロウが入ってくるから……歌詞が日本語に変わったとき、英語詞で表現されていた気持ちいいフロウを日本語で再現するのがすごく難しかった。なのでなるべく小節と小節の間が埋まるように、ギリギリまで溜めることを意識しながら歌いました。

──“怒り”の表現にフォーカスすると、いかがですか?

洸希 この曲は「過去の自分に対する怒り」がテーマになっているんです。僕はメロを歌っているんですけど、どう自分なりに表現できるかが大切だと思いました。他人に対しての怒りではないという表現が、少し難易度高めだったかなと思います。

──実際に過去の自分への怒りを思い返すようなことはあったんですか?

洸希 そうですね。それはけっこうありました。「何してくれてんだ自分!」みたいな(笑)。まあ、そんな思いも入れつつ……あとは歌だけじゃなく、ダンスやミュージックビデオでも表現したので観てもらいたいですね。