「こういう青春を過ごしたかったな」って……
──カップリング曲はタイプ別に「Ringing, Love」と「Summer Breeze」という2曲が完成しました。「Ringing, Love」について話を聞いてもいいですか?
彪馬 この曲は自分的に、すごく好みの楽曲でした。この曲を歌ううえで、毅くんと僕のボーカル組は「日本語を英語っぽく歌う」というのをテーマにして臨んだんですけど、僕はすごく苦戦しましたね。
──そうだったんですね。
彪馬 でも曲調が途中でガラリと変わったり、通して聴いてすごく飽きない曲に仕上がったなと思います。最初の僕のフェイクを聴いてほしいなと思いますし、ライブで披露するのもすごく楽しみな曲です。
──毅さんとのボーカルワークで言うと、どの曲も息がぴったりだなという印象でしたが、今作での2人のコンビネーションについてはどうですか?
彪馬 僕と毅くんは声質が真逆だと感じていて。毅くんはハスキーな声質で僕はハイトーン系のはっきりした声質なので、声の区別がスパドラの楽曲の中でいいスパイスになっていると思うんですけど……今回の3曲はこれまでのスパドラの曲よりも、より区別がついているかなと思います。その効果によって、さらに聴き心地がよくなってくれたらいいなって。
──以前、ラップ組のジャンさん、洸希さん、和哉さんが声の差別化を大事なテーマにしているというお話を聞いたんですが、ボーカル組もそういった意識はあるんですか?
彪馬 僕らは声質がすごく違うから、ラップ組のような意識はないかもしれません。今回毅くんと話したのは「前より自然にそれぞれの色が声に乗るようになってきたかな」っていうことですね。
──なるほど。ちなみに、「Ringing, Love」と「Summer Breeze」は歌詞の世界観がつながっている連作のような2曲ですが、玲於さんはどちらがお気に入り、といったようなことはありますか?
玲於 お気に入りと言うか、「Summer Breeze」を聴くと「こういう青春を過ごしたかったな」って……。
壮吾・彪馬 あはははは!(笑)
玲於 単純に憧れますね!(笑) 夏の海で理想的な出会いをしつつも切なさがあって……という歌詞の世界観がすごく刺さりました。
壮吾 僕も「Summer Breeze」は好きですね。
玲於 なんで? 電車出てくるから?(※壮吾は鉄道オタク)
壮吾 それもそうだけど(笑)。情景がイメージがしやすいです。2曲がつながっていて、ホントに面白いなって感じますね。
もう、完全に自滅ですよね
──ちなみに「夏の思い出」と言うと、皆さんはどんな光景が浮かびますか?
彪馬 もう、夏と言えば去年の合宿の思い出が一番に来ちゃうなあ……(笑)。
玲於・壮吾 そうだね。
彪馬 合宿という形でメンバーと1日中一緒にいる経験は初めてだったから純粋に楽しめましたし、1泊2日の間でいろんな感情が生まれて、それを通して絆も深まりました。すごくいい時間だったんですよ。だからこそ、毎年恒例化しそうな予感もするので今ちょっとドキドキしているんですけど……(笑)。
玲於 音楽が鳴り出したら踊らなきゃいけないっていうルールを僕が考えて設定したんですけど、途中からつらくなってきちゃって……。
彪馬 もう、完全に自滅ですよね(笑)。今年もしあるとしたら、去年よりも曲数が増えてることが怖いよ。
壮吾 あとは雨が降らないようにね。大雨の中で踊ったりもしたので、それだけはもうやりたくないです……(笑)。
いろいろ考えていたら感情があふれてしまったんです
──少し振り返って、今春にあったホールツアーの話をお聞きしたいのですが。このツアーを終えて皆さんの中で変わったことや成長したことがあれば教えてもらえますか?
壮吾 このツアーでは、みんなでこれまでの曲のパフォーマンスを固め直したんです。振りやフォーメーションを全曲合わせ直したら動きや認識がズレているところも見つかって、修正することができました。僕らパフォーマンスはまだまだ磨いている途中ですけど、ツアーを通してこういう機会を持てたことでグループとして一歩進めたんじゃないかなって思います。
──そうだったんですね。で、ツアーファイナルでは、最後に玲於さんが感極まって……。
彪馬 号泣しましたね。
──はい。そのシーンがやはり目に焼き付いているんですが、玲於さんはあのときはどんな気持ちを抱いていたんですか?
玲於 そうですね……メンバーと何時間も話し合って振り合わせを必死にやったり、ツアー中にレコーディングや振り入れもやったり。やっぱりハプニングもあったし、それぞれが自分がイメージしている理想のためにと必死になってやっていたと思うんですけど、そんなことをいろいろ考えていたら感情があふれてしまったんです(笑)。「ここ悔しかっただろうな、もっとできたって思うだろうな」ってメンバーのことを考える気持ちと、「やっと終わった」っていう安心感と「もう終わってしまう」っていう寂しさが入り混じって、ぐちゃぐちゃになって出てきたっていう感じでしたね。
──そして、次のステップとして来春のライブハウスツアーの発表がありました。今年のホールツアーでの経験を踏まえ、皆さんはどう進んでいきたいと思っていますか?
彪馬 時間を有意義に使いたいと思います。ツアーまでの時間でできることはたくさんあると思うので、それをいかに上手に使ってツアーにぶつけるかっていうところを意識しようと思います。皆さんにはツアーにかける僕たちの思いを感じてもらいたいし、そのときに出せる全力を生で体感してもらいたい。なので、1人でも多くの方に来てもらうためにも準備期間を無駄にしないように進んでいきたいです。
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ジャン×颯×和哉インタビュー