ナタリー PowerPush - SUPER BEAVER
原点回帰の一歩先へ “あなた”に向けた自信作「361°」
「自分たちでケリをつけろ!」
──2013年10月には東京・下北沢CLUB 251で過去の自分と対バンするという斬新なコンセプトのワンマンライブ「SUPER BEAVER vs SUPER BEAVER('05~'10)」をやりましたが、これはどういった経緯で?
柳沢 ケリをつけるってことです。もともとは普通にツーマンの予定だったんですけどね。
渋谷 251って結成当初から出てたライブハウスだったので、いい機会だし「過去の自分らと対峙する」っていうコンセプトでワンマンをやってみようということになって。それで具体的には「2005年から2010年までのSUPER BEAVER」対「現在に至るSUPER BEAVER」の2部制でやろうと。
──そのライブを発表したときの反響はいかがでしたか?
渋谷 ニュースにも取り上げていただきましたし(参照:対バン相手は過去の自分!? SUPER BEAVER東京公演詳細)、お世話になったメジャーレーベルの方から突然「このタイミングで今のビーバー対過去のビーバーはすげえいいと思うよ。自分らでケリつけろ!」って激励メールが届いたんですよ(笑)。この日のライブでは1部と2部の転換時間を15分くらい設けて、そこでレコーディング風景とかをスクリーンに流しつつ、[NOiD](Shibuya eggmanスタッフ・YUMAが立ち上げたロックレーベル)と一緒にやるってことと、今回のアルバムを出しますっていう発表をしたんです。そのあとに幕を開けてもらって2部が始まるっていうふうにやったんですけど。完全に対バンっていう感じでやれて、あれはよかった。
──かなり実りのあるライブになったと?
柳沢 そうですね。涙が出たとかっていうわけではなかったんですけど、「やりきった感」はあった。
渋谷 すごく手応えはありましたね、よしっ!って。
柳沢 みんなが「圧倒的に2部(今のSUPER BEAVER)のほうがよかった!」って言ってくれて。演奏のクオリティとかそういう単純なこともあったのかもしれないですけど、漂ってる空気が全然違ったんじゃないですかね。
人と人とのつながりに勝るものはなかった
──Shibuya eggmanのYUMAさんが主宰するロックレーベル、[NOiD]と一緒にやろうと思ったきっかけは?
柳沢 「世界が目を覚ますのなら」(2013年4月発売のミニアルバム)を出したときに、YUMAが「すごいいいよ!」とか「自主になってこれだけいい曲を作れるならもっとそれに集中してほしい。裏方のことは俺がやるから」って言ってくれて。明確に「好きだ」って言ってくれる人とやりたいなって当時思ってたところで、露骨にそれを表してくれたのがあいつ(YUMA)だったんで、[NOiD]とやることになりました。
──YUMAさんみたいな熱い人にはメジャーのときは出会わなかったんですか。
柳沢 うん、関わってくれてる人がいるっていうのはもちろんわかってた。けど……なんだろう。
渋谷 あの当時と今とでは音楽以外のところでも人との関わり方が違うと思いますね。1つの儀式で終わっちゃうような関わりがメジャーの頃はすごくあって、挨拶しても響かないっていうか、それ以上にならない瞬間が多くて。活動できるならいいじゃないかとも考えたんですが、実際は「そうじゃないよ、ちゃんと密に話をしたいよ」ってずっと思ってた。
──でもそういった環境の中で活動し続けるアーティストもたくさんいると思うんですが。
渋谷 正直、やろうと思ったらできたと思います。できないこともないはずなんです。ただその環境を不自然だと思っちゃったんで。
柳沢 できないことはないよね(笑)。人と人とのつながりに勝るものはなかったって思ったのは、1人ひとりと密に関わったほうが面白いってことに気付いたってことなんですよね。
朝起きたら豪勢なコーラスが入ってた
──今回のレコーディングは合宿形式で行ったそうですが、どんな感触だったんですか?
柳沢 レコーディングって楽しいんだって気付きました。サクサク進行しましたし、楽しかったっすね。
藤原 作業終わったあと、深夜にみんなでその日録ったやつを爆音で聴くっていうのは楽しいよね。
上杉 酔っ払いながら(笑)。
柳沢 「音楽最高!」みたいな感じになるもんね(笑)。
──スタジオ合宿ならではのメリットってほかにもありましたか?
上杉 常にいろんな楽器が置いてあるんで、そこでのアイデアもいろいろ出たよね。
柳沢 今回「まだ」って曲にはピアノが入ってるんですが、スタジオにグランドピアノがなかったらそういう発想にもならなかったでしょうし。あれは僕が弾いたんですけど、渋谷とせーのでやったんだよね。
渋谷 そうそう。
上杉 合宿のときは俺がごはん作ってるんですけど、作り終わって帰ってきたら、アレンジがすごいことになってることも多かったですね。
柳沢 それはお互いに任せあえるようになったっていうのがデカいですね。渋谷が朝起きてきたら豪勢なコーラスが入ってるときとかあったよね(笑)。
渋谷 僕はだいたい歌録り終えるとゆっくりお風呂入ってすぐ寝ちゃうんですけど、起きてきたらコーラスがすさまじいことになってて。「誰と誰が歌ってるのこれ!?」みたいなワクワクすることがたくさんありました。改めて「音楽って楽しいことなんだよな」って再認識できる現場っていうのはすごく素敵だと思うんですよね。
収録曲
- →
- 361°
- あなた
- 愛の愛の
- センチメンタル
- ×
- まだ
- サイレン
- 鼓動
- ありがとう
- 約束。
ツアー情報
SUPER BEAVER「361°」Release Tour 2014~周回する、ラクダ~
- 2014年3月1日(土)東京都 Shibuya eggman
<出演者>
SUPER BEAVER / 撃鉄 / QOOLAND - 2014年3月13日(木)京都府 KYOTO MUSE
<出演者>
SUPER BEAVER / HaKU / ユビキタス / and more - 2014年3月14日(金)兵庫県 music zoo KOBE 太陽と虎
<出演者>
SUPER BEAVER / Large House Satisfaction / QOOLAND / iTuca / PRIMAL CURVE - 2014年3月23日(日)北海道 COLONY
<出演者>
SUPER BEAVER / HaKU / カフカ / Vianka - 2014年4月5日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
<出演者>
SUPER BEAVER / DIRTY OLD MEN / Mop of Head / and more - 2014年4月6日(日)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
<出演者>
SUPER BEAVER / DIRTY OLD MEN / Mop of Head / Large House Satisfaction / FLiP - 2014年4月17日(木)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
<出演者>
SUPER BEAVER / DIRTY OLD MEN / Mop of Head / and more - 2014年4月19日(土)福岡県 Queblick
<出演者>
SUPER BEAVER / DIRTY OLD MEN / Mop of Head - 2014年4月20日(日)広島県 CAVE-BE
<出演者>
SUPER BEAVER / DIRTY OLD MEN / Mop of Head / ラジオボタン / ソライアオ - 2014年5月11日(日)愛知県 池下CLUB UPSET
<出演者>
SUPER BEAVER / and more - 2014年5月17日(土)大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
<出演者>
SUPER BEAVER / and more - 2014年5月23日(金)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
<出演者>
SUPER BEAVER(※ワンマンライブ)
SUPER BEAVER(すーぱーびーばー)
渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“25歳”広明(Dr)の4人により2005年に東京で結成されたロックバンド。ギターロックを基調としたエモーショナルなサウンドと、メッセージ性あふれるまっすぐな歌詞を特徴とする。2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビュー。2010年10月にリリースされたミニアルバム「SUPER BEAVER」の収録曲「ささやかな」が、映画「ソラニン」のラストシーンで使用され、話題を呼んだ。2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを敢行。2012年に自主レーベル「I×L×P× RECORDS」を立ち上げ、シングル「歓びの明日に」を発表する。その後も精力的なライブ活動を続け、ミニアルバム「未来の始めかた」のレコ発ツアーではバンド史上最大の動員数を記録。2013年には東京・Shibuya eggmanのスタッフ・YUMAが「mini muff records」内に発足させたロックレーベル[NOiD]とタッグを組むことを発表し、2014年2月にフルアルバム「361°」をリリース。3月からは全国ツアー「SUPER BEAVER『361°』Release Tour 2014~周回する、ラクダ~」を開催する。