音楽ナタリー Power Push - 「MERRY ROCK PARADE 2015」
東海地区最大の冬フェス「MERRY ROCK PARADE」全出演者27組ライブレポート
2015年12月20日に愛知・ポートメッセなごや第1~3展示館でサンデーフォークプロモーション主催のロックフェス「MERRY ROCK PARADE 2015」が開催された。2014年の初回に続き2回目を迎えた同フェスの動員数は、昨年を上回る2万人。フェス当日は、BLESS STAGE、NOEL STAGE、ORB GARDENの3ステージのライブパフォーマンスのみならず、会場内に設置された大型クリスマスツリーの点灯式、地元グルメを堪能できるブースの出店など多数の催しが参加者を楽しませた。
この特集では2015年の「メリロ」に出演した全27組のライブレポートを掲載する。
取材・文 / 鵜飼亮次、中野明子、小林千絵
MERRY ROCK PARADE 2015 LINE UP
BLESS STAGE
NOEL STAGE
クリスマスクリスマスツリー点灯式
「MERRY ROCK PARADE」はポートメッセなごや第3展示館のステージ「ORB GARDEN」後方に設置された大型クリスマスツリーの点灯式から始まる。ライトアップを担当するのは「Parade Starter」と呼ばれるアーティストで、2014年のねごとに続き、2015年はMAGIC OF LiFEがツリー点灯の役目を果たした。MCの呼び込みでORB GARDENのステージ上にMAGIC OF LiFEが登場すると、彼らはさっそく「始まるよー!」と観客に呼びかけ、点灯前に理想のクリスマスにまつわるトークを行った。そしていよいよツリーの点灯へ。メンバーと観客でカウントダウンし、最後にメンバーがボタンを押すとクリスマスツリーは色とりどりの照明に彩られる。ツリーの両脇からは赤と緑のテープが噴射され、華々しくイベントの始まりが告げられた。
BLESS STAGE
SHISHAMO
ステージ頭上の天窓から午前の陽光が入り込む中、「おはよう!」と挨拶してオープニングナンバー「バンドマン」でライブを開始させたのは、一番手のSHISHAMO。2014年に続き2連続出場となる彼女たちは、会場に集まった大勢のオーディエンスを前に小気味よいギターロックサウンドをドーム状の会場いっぱいに響き渡らせる。宮崎朝子(G, Vo)はMCにてイベント2日後に誕生日を迎えることを明かし、聴衆から拍手を浴びながら「2年連続で誕生日の時期に大好きな『MERRY ROCK PARADE』に出られてうれしいです」と喜びを語る。そして3人はラストチューンに最新シングル曲「君とゲレンデ」を届け、オーディエンスを目一杯に踊らせてステージを降りた。
セットリスト
- バンドマン
- 僕、実は
- 生きるガール
- 僕に彼女ができたんだ
- さよならの季節
- 君とゲレンデ
KEYTALK
『MERRY ROCK PARADE』のシンボルである羊のぬいぐるみをステージ前方に置いてライブをスタートさせたKEYTALKは、四つ打ちビートを主体としたダンスロックでオーディエンスを楽しませていく。オープニング曲「スターリングスター」で手拍子を、「パラレル」で合唱を自然発生させたのちに、小野武正(G, Cho)は「イベントは夜まで続きますがまずはここで僕らがブチ上げますんでよろしく!」と声を発する。後半には「太陽系リフレイン」「MONSTER DANCE」と勢いのあるナンバーを投入して観客の熱量を上げていき、最後は「YURAMEKI SUMMER」で最高潮の盛り上がりを形成した。
セットリスト
- スターリングスター
- 桜花爛漫
- パラレル
- お祭りセンセーション
- 太陽系リフレイン
- MONSTER DANCE
- YURAMEKI SUMMER
氣志團
氣志團は30分という持ち時間の中にエンタテインメント性を凝縮したパフォーマンスを展開。SEKAI NO OWARI「Dragon Night」を歌いながら登場した綾小路翔(Dragon Voice)は、「週末大パニック!超激突!!」の歌詞を「年末大パニック」に変えて盛り上げ、RCサクセション「キモちE」を歌いながらステージを左右に移動してコマネチを繰り出し、会場を沸かせる。バンドで「One Night Carnival」を披露して一体感を作り上げた彼は満足そうに感謝の言葉を伝えてから中部地区限定「Kウインナー」のCMのモノマネも披露。ラストチューン「愛 羅 武 勇」を披露したのちに綾小路は「今日はギグ納め。まだ帰りたくない!」と駄々をこね、「ようかい体操第一」を歌唱するところをスタッフに強制退場させられた。
セットリスト
- 週末大パニック!超激突!!
- 喧嘩上等
- One Night Carnival
- 我ら思う、故に我ら在り
- 愛 羅 武 勇
THE BAWDIES
オープニングSEのウィルソン・ピケット「ダンス天国」で観客と「ナーナナナナー」の合唱を行ったTHE BAWDIES。彼らは「NO WAY」「JUST BE COOL」とロックンロールナンバーを立て続けにプレイしたのちに、ROY(Vo, B)の「心を裸にしてください。そこへ光を届けるような新曲を作りました!」という言葉から「SUNSHINE」を届けた。後半には靴下の代わりにパンを用意したJIM(G, Cho)のためにサンタ役のROYがソーセージをプレゼントするクリスマスの夜の様子を描いた寸劇を展開し、アグレッシブに「HOT DOG」を演奏した。「SING YOUR SONG」で観客と合唱した彼らは「IT’S TOO LATE」を届け、一礼ののちに会場をあとにした。
セットリスト
- NO WAY
- JUST BE COOL
- ROCK ME BABY
- SUNSHINE
- HOT DOG
- SING YOUR SONG
- IT’S TOO LATE
TOTALFAT
TOTALFATはJose(Vo, G)の「歌って踊って笑って帰れよ!」という声を皮切りに「宴の合図」「PARTY PARTY」を放ち、祝祭感あふれるライブを展開。彼らは「ひと足早いクリスマスプレゼントを!」と言い、「Room45」など4曲を一挙に繰り出すメドレーで観客を楽しませた。後半にはShun(Vo, B)が「俺たちはいろんなイベントに出て、音楽の力を思い知る1年になりました。フェスを企画する運営側も俺たちも会場を作ることしかできない。そこへあなたたちが来るから奇跡みたいな時間ができるんだ!」と気持ちを伝えて拍手を浴び、バンドによる「This Life」の熱演でライブを終了させた。
セットリスト
- 宴の合図
- PARTY PARTY
- Room45~World of Glory~Life Like Movies~夏のトカゲ
- Place to Try
- This Life
KANA-BOON
人でぎっしりと埋まったポートメッセなごや第1展示館にて「フルドライブ」「ウォーリーヒーロー」と疾走感のあるロックチューンを冒頭から連発し、オーディエンスのジャンプによってアスファルトの地面が揺れるほどの盛り上がりを作ったKANA-BOON。彼らは冬ソング「結晶星」でメロウなギターサウンドを、「talking」でグルーヴィなベース音を響かせ、谷口鮪(Vo, G)は「新しい環境に飛び込む人に向けて、走っている人に刺さってほしいな」と発売前の新曲「ランアンドラン」をプレゼント。ラストチューンとなった「シルエット」の演奏時には観客の大合唱が巻き起こった。
セットリスト
- フルドライブ
- ウォーリーヒーロー
- 結晶星
- talking
- なんでもねだり
- ランアンドラン
- シルエット
10-FEET
10-FEETはオープニングナンバーとしてファストなパンクチューン「goes on」をプレイし、フロアをいきなりクライマックスのような興奮状態に変えていく。TAKUMA(Vo, G)は「名古屋の人たちはどうやって楽しむの? 分かりやすい形で見せてくれよ!」と誘って会場のあちこちにモッシュサークルを発生させた。彼は1曲歌うごとに「ありがとうございました! 10-FEETでした! アンコール始めます!」と煽ったり、一瞬だけ長渕剛「乾杯」のカバーを披露したりといった小ネタを挟みながら楽曲を演奏。バンドは7曲を怒涛の勢いでパフォーマンスし、「その向こうへ」の後半ではTAKUMAが「来年もしぶとく生きろよ! 今夜もケガする寸前までいけよ!」とオーディエンスにエールを送った。
セットリスト
- goes on
- STONE COLD BREAK
- 2%
- 風
- RIVER
- 1sec.
- その向こうへ
MAN WITH A MISSION
MAN WITH A MISSIONはキラーチューンの1つ「Get Off of My Way」を1曲目にプレイして場を温め、Jean-Ken Johnny(Vo, G)の「楽シンデマスカ人間ノ皆ノ衆。クリスマス前デスケド踊ッテ歌ッテ、最高ノ1日ニシマショウ!」というMC通り、終始激しくもハッピーな雰囲気のステージを展開した。イントロの段階でオーディエンスをざわめかせた「database」にて10-FEETのTAKUMAをゲストに迎え、「プレゼントニ似タニュースヲオ届ケシタイト思イマス」とニューアルバム「The World's On Fire」のリリース発表と新曲「Memories」の初披露でどんどん観客のテンションを高める。ラストチューン「FLY AGAIN」ではTokyo Tanaka(Vo)がステージを降り、聴衆の目の前で至近距離から楽曲を歌い上げた。
セットリスト
- Get Off of My Way
- Raise your flag
- higher
- Emotions
- database feat. TAKUMA(10-FEET)
- Memories
- FLY AGAIN
SiM
2015年の「MERRY ROCK PARADE」のフィナーレを飾るアクトは2年連続出場のSiM。待ち構えたオーディエンスに向かってアンセム「KiLLiNG ME」を放って攻撃的なサウンドをビリビリと響かせる。「GUNSHOTS」の演奏時にはMAH(Vo)が「モンキーダンスしようぜー!」と叫び、フロア全体をダンスフロアに一変させた。そしてMCでは同フェスで禁止されているダイブ行為についてバンドとしては許容したいという意見を述べ、彼らが今回の出演条件として翌日に愛知・DIAMOND HALLでフリーライブの実施を要求したこと、それを叶えたことを発表して喝采を浴びた。その後サンデーフォークへのリスペクトを示した彼らは、より一体感を増したフロアに向かって「EXiSTENCE」「Blah Blah Blah」をぶつけてオーディエンスのテンションを高めに高め、ラストチューン「f.a.i.t.h.」で大団円のフィナーレを築き上げた。
セットリスト
- KiLLiNG ME
- CROWS
- SUCCUBUS
- GUNSHOTS
- Amy.
- Fall In Love With You
- EXiSTENCE
- Blah Blah Blah
- f.a.i.t.h
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