日本最大級の都市型フェスとして、音楽ファンの夏の恒例行事となった「SUMMER SONIC」。8月19日と20日に千葉・幕張と大阪・舞洲で同時開催される今年は、いずれも同フェス初出演であるカルヴィン・ハリスとFoo Fightersが2日間のヘッドライナーを務めるほか、10年ぶりの出演となるBlack Eyed Peas、メインステージであるMARINE STAGEへの出演が初となるBABYMETALなど、国内外の話題のアーティストが続々登場する。

この特集では19日の幕張公演のBEACH STAGEに出演するベッド・インが、「SUMMER SONIC」を主催するクリエイティブマンプロダクションの清水直樹代表取締役社長と初対面。観客として「サマソニ」経験者の益子寺かおり（Vo）と、ロックフェス初心者だと言う中尊寺まい（Vo, G）に、「SUMMER SONIC」の魅力や今年の見どころについて清水社長に聞いてもらった。

取材・文 / 橋本尚平　撮影 / 西槇太一

ようやくポスターに名前が載りました！

──ベッド・インは去年初めて「SUMMER SONIC」に出たんですよね。

中尊寺まい　はい、100％…So!かもねってな具合にロストヴァージンさせていただきました♡

清水直樹　ははは（笑）。去年ベッド・インがSIDE-SHOW（フードコート脇のミニステージ）にものすごい人数を集めて、とにかく盛り上がったというのは聞いてました。どうでした？ ロストバージンしてみて。

益子寺かおり　実は私、ガラスの十代の頃から何度も「SUMMER SONIC」を観に行かせていただいていたので、まさか自分が“出演する側”になれるなんて、夢のようで……歓喜のあまり、心のポケベルが鳴りっぱなしでした！ 私たちは今、バブル文化をリスペクトしながら“地下セクシーアイドル”として活動しているんですけど、もともとは2人共バンドマンだったので、バンド形式で「SUMMER SONIC」に出演させていただけたことが、何よりうれしかったです。本当にサンクスモニカです！

清水　「SUMMER SONIC」に来ていたときは主にどんなアーティストを観ていたんですか？

かおり　初めて行ったのは確か2005年で、その年はNine Inch Nails、Slipknot、THE MAD CAPSULE MARKETS、Deep Purpleとかを観て、ビションコになりながら朝から晩まで踊りまくってました！ あと、私は熱狂的にToolがスキスキスーなので……。

清水　MetallicaとLinkin Parkが出た2006年だね。ToolはSONIC STAGEのヘッドライナーだった。

かおり　そうですそうです！ んもう、Toolワールド全開のステージで最高でした！ その年はMuseや当時大好きだったMumも観たりして。そのほかにも、Grizzly BearやDream Theater、Aphex Twin、スティーヴィー・ワンダーさんとかを目当てに、何回も通わせていただいてるんです♡

清水　へえ、幅広く聴いてるんだね。じゃあ「LOUD PARK」も行ってた？

かおり　ロンモチです！ 「LOUD PARK」は初年度の2006年から行ってます！ んもう、初年度のとき「スラッシュメタル四天王がほぼそろうという、こんな“やまだかつてない”フェスがあるなんて！」と興奮状態で……！ 2日間朝から晩まで、ほぼ最前列にかじりついて観てました（笑）。本当にクリマンさんが主催するフェスや幕張メッセには思い出がいっぱいでして……だから去年の「SUMMER SONIC」は「あの憧れのステージに、今自分が立っているなんて……」って、じーんときちゃいました！

清水　今年はいよいよBEACH STAGEですね。

まい　はい、景気よくビーチクSTAGE……アッ！ 間違えました！ BEACH STAGEに出演させていただけるということで感慨深いです。去年はタイムテーブルには名前が載らないSIDE-SHOWへの出演だったので。

かおり　今年はようやく、ポスターに「ベッド・イン」の名前を載せていただけて……！ はあ、本当に夢みたい……♡

清水　Foo Fightersとかカルヴィン・ハリスとかの名前と並んでね（笑）。

今年のMARINE STAGEは日によってカラーが違う

──まいさんは過去にサマソニに行ったことはあるんですか？

まい　実は私、チョづいた言い方をさせていただくと「サマソニには出たことしかない」んです（笑）。経験が少なくてお恥ずかしいですし、社長を目の前にして無礼で本当に申しワケありません……メンゴメンゴでございますぅ!! 暗い学生時代を送っておりまして、山崎ハコを1人で聴く夏休みを過ごしていたんです（笑）。そんな感じの学生時代でしたので、なんとなくフェスというものを勝手に縁遠いものに感じていたんですけども、紆余曲折あってベッド・インになりまして、こういう華々しい舞台に出させていただけるようになって。

──山崎ハコが好きな人がベッド・インになるって、当時は誰も予想できなかったでしょうね（笑）。

まい　自分でもぶっとびぃ～ッ！からのサンタフェ～ッ！でございます（笑）。「SUMMER SONIC」については相方から熱い思いを聞いていたんですが、私の中では「雲の上の存在みたいな海外アーティストがたくさん来る」っていうイメージがなんとなくあるだけで。

清水　そのイメージの通りですね（笑）。ただ、始まったときに“洋楽を中心としたロックフェス”だったのは間違いないんだけど、それを踏まえつついろんなチャレンジをしてきたフェスでもあって。例えば「ロックフェスにアイドルやお笑い芸人が出演する」っていうのは「SUMMER SONIC」が初だったりするし。軸がブレなければ面白いものをどんどん取り入れようっていう、なんでもありのフェスが「SUMMER SONIC」なんで、そうやって進化していくうちに、ベッド・インに行き着いたということじゃないですかね（笑）。

かおり　きゃー！ マンモスうれピーです！

まい　きゃーのきゃーの！ まだおマクラもしてませんのに！

かおり　でも確かに、海外のロックバンドからJ-POPまで……例えば過去にはTOKIOさんまで出演されたり、ジャンルレスにアーティストが集うのは「SUMMER SONIC」ならではの魅力ですよね！

──今年のサマソニが例年と比べて違う部分は何かありますか？

清水　最近の「SUMMER SONIC」って、ロックだけでなくポップスやダンスミュージックも楽しめるのが特色になっているけど、今年はMARINE STAGEのカラーが、日によってはっきり分かれてるんだよね。1日目がカルヴィン・ハリスやBlack Eyed Peasのようなダンスミュージックで、2日目がFoo Fighters、BABYMETAL、MAN WITH A MISSIONのようなロック。どっちの趣味の人にもMARINE STAGEを堪能してもらえるし、別のステージに行けばほかのジャンルの音楽も聴けるので、結局両日来ても楽しめると思います。