音楽ナタリー Power Push - 日本工学院ミュージックカレッジ presents Summer Rise 2015

ザ・チャレンジ×伊東歌詞太郎×学生座談会&レポートで振り返る「Summer Rise 2015」

日本工学院ミュージックカレッジによるライブイベント「Summer Rise 2015」が7月18日に東京・赤坂BLITZで開催された。これは同校の八王子キャンパス ミュージックカレッジ コンサート・イベント科の学生たちが企画および運営したイベント。ライブにはザ・チャレンジと伊東歌詞太郎が出演し、チケットはソールドアウト。会場は満員で熱気溢れるイベントとなった。

音楽ナタリーではザ・チャレンジと歌詞太郎のライブレポート、学生スタッフの活動レポート、さらにはライブ終了後に沢田チャレンジ(Vo / ザ・チャレンジ)、歌詞太郎、学生5名による座談会を実施。演者と裏方、双方の目線から「Summer Rise 2015」当日の様子を振り返る。

取材・文 / 石橋果奈 ライブ撮影 / Kenpo

「Summer Rise 2015」ライブレポート ザ・チャレンジ×伊東歌詞太郎、“イケメン学院”先輩後輩が熱演
ザ・チャレンジ

この日のトップバッターはザ・チャレンジ。SEが流れると紗幕に担当色のライトで照らされたメンバー1人ひとりの影が映る。紗幕が落ちると沢田チャレンジ(Vo)は「会いたかったかーい!」と声を上げ、バンドは「会いたい 会いたい ちょー会いたい」でライブをスタートさせた。MCでこの日のライブの企画および運営を学生たちが手がけていることに触れた沢田は「袖に普段の15倍の人がいる」「『すいませーん!』って呼ぶと一気に5人くらいのスタッフの子たちが集まってきてくれる」とユーモアを交えながら学生たちに感謝を表していた。

ザ・チャレンジ

ライブ中盤には沢田、チャレンジオノマック(Vo, G)、タラコチャレンジ(Vo, G)による力強いシンガロングが響き渡った「すっぽんぽん」、沢田が赤いジュリ扇で観客を煽った「LOVEってる」、曲中にコール&レスポンスが行われた「マイガール」が続けて披露され、場内はぐんぐんとヒートアップしていった。沢田が「わたくしは“イケメン学院”ってところを卒業したんですけど」と前置きしてから「なんとですね、歌詞太郎くんと僕は中学高校が同じなんですよ!」と明かすとフロアから驚きの声が上がる。続けて「歌詞太郎くんもたぶん同じ“イケメン学院”出身だと思うんですけども」と述べると会場は笑いに包まれた。その後バンドは「花金ダンス」「お願いミュージック」とアッパーチューンを連投して観客の体を揺らしたのちステージを降りた。

伊東歌詞太郎

転換中にはスクリーンにライブ当日に至るまでの学生の姿を捉えたVTRが映し出され、一般客は学生に向けて大きな拍手を送っていた。その後突如骨太なバンドサウンドが鳴ると、ファンは緑色のサイリウムを一斉に掲げる。そして伊東歌詞太郎がSEとして反町隆史「POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~」を歌いながら登場。大歓声が起こる中、1曲目に披露された「START」ではサポートベーシストのレフティモンスターがステージ前方で観客を煽る。続く「トワイライト」で歌詞太郎はメロディアスなキーボードの音色に乗せ、ファルセットを交えた美しい歌声を届けた。レフティモンスターはMCで歌詞太郎とイトヲカシというユニットでも活動していることを説明したのち、歌詞太郎に向けて「今日は“伊東歌詞太郎”さんとして出てるんですよね?」と疑問を口にする。歌詞太郎は「イトヲカシとして出たいなって思ったんだけど大人の事情っていうのがあって……!」と話したあと、「サポートベースにレフティモンスターっていう裏技を使った」と述べて観客の笑いを誘っていた。

伊東歌詞太郎

この日初披露された「ブルースプリングティーン」ではレフティモンスターの「みんな歌えるかー!?」という声に、観客は初見にも関わらずシンガロングで応えていた。歌詞太郎はライブ終盤で「今日は学校の先輩と対バンできるってことで……伊東チャレンジになるぜ、いいかい! レフティチャレンジになるぜ、いいかい!」と声を上げる。そして披露された「Share, we are」の曲中に彼は「大合唱チャレンジしようぜ!」と叫び、フロアにマイクを向けた。歌詞太郎はオーディエンスの声を聴いて「ありがとう! ひとつになれた気がするよ!」と感謝を述べ、「僕だけのロックスター」を力強く歌唱し本編を締めくくった。

アンコールでは歌詞太郎とレフティモンスターが2人で登場。レフティモンスターと軽妙なトークを繰り広げた歌詞太郎は「そんなイトヲカシのライブだったんですけども」と口を滑らせ、「言っちゃった……!」と苦笑いを浮かべる。そしてイトヲカシとして最初に作った曲だという「You」をレフティモンスターのキーボード演奏に乗せて情感たっぷりに歌い上げ、ステージをあとにした。その後スクリーンに出演者やライブを作り上げた学生スタッフの名前がエンドロールとして流れ、場内が大きな拍手で包まれる中イベントは幕を閉じた。

ザ・チャレンジ セットリスト
  1. 会いたい 会いたい ちょー会いたい
  2. キラキラ
  3. すっぽんぽん
  4. LOVEってる
  5. マイガール
  6. 花金ダンス
  7. お願いミュージック
伊東歌詞太郎 セットリスト
  1. START
  2. トワイライト
  3. やくそく
  4. ブルースプリングティーン
  5. パラボラ~ガリレオの夢~
  6. 黄泉比良坂
  7. Share, we are
  8. 僕だけのロックスター

<アンコール>

  1. You
学生活動レポート 学生の力で作り上げた「Summer Rise 2015」の裏側

コンサート制作コース

ライブの企画、運営、プロモーション、ブッキングなどライブ制作に関わる仕事に就くためのノウハウを学ぶコース。「Summer Rise 2015」で嶋田一輝さんは運営のリーダーを務めた。

コンサートPAコース

音響機材のセッティングから、チューニング、エフェクターの操作、ミキシング技術など、PAエンジニアに必要な知識・技術を学ぶコース。天野皓太さんは「Summer Rise 2015」当日、伊東歌詞太郎のマイクセッティングやセットチェンジを行った。

コンサート照明コース

照明の基礎知識やライティングのテクニックなど、照明スタッフになるための知識および技術を学ぶコース。今野舞さんは「Summer Rise 2015」でザ・チャレンジのムービングライトを担当した。

コンサート舞台コース

舞台の制作および設営から本番の進行まで、ステージスタッフになるためのスキルを習得するコンサート舞台コース。「Summer Rise 2015」で長濱純奈さんは舞台監督および進行を担当した。

イベント企画コース

音楽にとどまらず、お笑いライブ、ファッションショーなどさまざまなイベントのプランニングを学ぶコース。大石美佑さんは「Summer Rise 2015」でイベントを迎えるまでの学生たちの実習の模様を収めた映像を企画および制作し、ライブの転換中に放映した。

Contents Index
ライブレポート&学生活動レポート
沢田チャレンジ×伊東歌詞太郎×学生座談会
日本工学院ミュージックカレッジ

日本工学院ミュージックカレッジのコンサート・イベント科は、コンサート制作コース、コンサートPAコース、コンサート照明コース、コンサート舞台コース、イベント企画コースの5コースで構成される学科。コンサート・イベントの最前線で活躍するスタッフを育成している。八王子キャンパスでは学校内にある1000人収容のホールで授業および実習が行われ、プロの現場と同じ環境で学ぶことが可能。毎年夏と冬には東京・赤坂BLITZやオリンパスホール八王子で、学生たちの手によって作り上げられたイベントが開催される。

ザ・チャレンジ

ザ・チャレンジ

沢田チャレンジ(Vo)、チャレンジオノマック(Vo, G)、タラコチャレンジ(Vo, G)、ヤンキーチャレンジ(B)、ドラゴンチャレンジ(Dr)の5人からなるロックバンド。2010年に沢田チャレンジの「バンドやりてえなー」というつぶやきをきっかけに、彼と交友のあったメンバーで結成された。“アミューズメントロックバンド”というテーマを掲げており、さまざまな挑戦を行ってファンを楽しませている。2015年4月にEMI Recordsからミニアルバム「スター誕生」でメジャーデビューを果たす。同年8月にはメジャー1stシングル「すっぽんぽん」を発表する。

伊東歌詞太郎(イトウカシタロウ)

伊東歌詞太郎

2012年1月に動画共有サイトに“歌ってみた”動画を初投稿。ボーカロイド楽曲などのカバーで大きな注目を集める。現在の動画総再生数は2000万を超え、ロックからバラードまで幅広く歌いこなす歌唱力から「歌唱力おばけ」とも称される。2014年1月、TOY'S FACTORYより「一意専心」でCDデビューし、2015年4月に2ndアルバム「二律背反」をリリース。またボカロP・レフティモンスターとのユニット「イトヲカシ」としても活動しており、日本47都道府県での路上ライブのほかタイ、シンガポール、フランス、オランダ、ドバイでも世界路上ライブツアーを実施した。