音楽ナタリー PowerPush - sukekiyo
京が体現する“予定調和外”
DIR EN GREYだったらできないことを
──そういえば去年、京さんが以前から敬愛しているアレハンドロ・ホドロフスキー監督にも会ったんですよね?
はい。めっちゃしゃべりましたけど、結果的に「パワーの塊やな」って言うしかなくて。あの年齢(85歳)で「次はこういう映画を撮りたい」ってずっと言ってたし、ものすごく貪欲なんですよね。僕もやりたいことが尽きなくて。Toshlさん、三上さん、ホドロフスキーもそうですけど、どんどん好きな人と共演する夢が叶っているし。
──京さんがほかにコラボレーションしたいアーティストはいるんですか?
いますよ、それは。
──sukekiyoを立ち上げなかったら、実現しなかったこともある。
そうなんですよね。ディルではボーカリスト同士でコラボはできないだろうし。やっぱりバンドのイメージがありますからね。sukekiyoはなんでもありのバンドだから。あとファンの人が喜んでくれてるんですよね。僕が三上さんやホドロフスキーを好きなことを知ってる方も多いから、「夢が叶ってよかったですね」って言ってくれて。それを自分のパワーに変えてくれてる方もいるみたいなんですよ。
──「京さんが夢を叶えたように、自分もがんばろう」と。
うん。自己満足だけでは終わってないというか。そういうことを聞くだけでも、このコラボレーションをやってよかったなって思いますね。
──sukekiyoの活動を通して、京さん自身も刺激を受けているだろうし。DIR EN GREYへの影響もありますか?
それがねえ、あんまりないんですよ。ディルもsukekiyoも曲に呼ばれて出てきた歌詩とメロディで作っていくから、作り方も変わらないし。ただ、一緒にやってるメンバーが違うのは大きいですね。出てくる音もバンドの空気も全然違うので、自然と自分の役割も変わってくるというか。あまり意識しないで自然にやってますけどね。
怠けてる人間からは何も感じない
──スケジュールは大変なことになってますよね、きっと。
忙しいのは苦じゃないんですけどね、全然。今回のミニアルバムを作ってるときもディルのアルバムの制作とだだ被りで、その時期に20数曲レコーディングしたんですよ。大変は大変だけど、それも全然苦じゃないというか……。ただ今の季節は乾燥がねえ。忙しさよりも、喉の乾燥対策のほうが大変です。ライブも多いんですけど、ホテルによっては乾燥がきついところもあるので。ツアー中はできるだけしゃべらないようにしたり、食べ物も制限してますけど。
──体力作りも?
しないほうが体は休められるんですけどね。まあ、普通に走ったりとか、筋トレするくらいですかね。それは体力作りとかではなくて、精神的なものなんですよ。怠けてるのがイヤなので、気持ちをキープするために朝6時半から動いてます。10時くらいまで寝てしまったら、自分に対して腹が立つんですよ。
──「怠けてるのがイヤ」ってストイックですね。
怠けてる人間からは何も感じないんですよね。若いときは体力もあるし、それなりにがんばれるじゃないですか。年齢を重ねると体力的にはしんどくなるけど、だからこそ、若いとき以上にしんどいことをやることに意味があるんじゃないかって。そのぶん、観てる人に伝わるものも大きくなると思うし。
──しんどい思いをしながら体力作りをするのは、すべて歌うためですよね。京さんにとって優先順位が一番高いのは音楽なんですね。
そうですね。酒も全然飲まなくなったから、友達がかなり減りましたけど(笑)。ライブが終わったあともすぐ帰りたいんですよ。すぐ帰って、すぐ風呂に入って、すぐ寝たい。普段も11時くらいには寝てますからね。1回、早朝にライブをやってみたいんですよね。ほかの人がランニングとかをしてる中で、黒い服の人たちが1カ所に集まるっていう。
──異様な光景ですね(笑)。ミニアルバムのリリース後はライブが控えていますが、このあとのビジョンもあるんですか?
あります。「VITIUM」が完成した直後から次の音源のことを考えているというか、メンバー個々の中でも音のイメージがあるみたいなんで。ライブのやり方も音のクオリティも、またどんどん変化していくと思います。
──でも、目指している音楽性や具体的なゴールは存在しないんですよね?
ないんですよ、それは。そういう話をメンバーとしたこともないし。ただこの間インタビューを受けてるときに、ほかのメンバーが「次のビジョンが見えた」って言ってて。僕も見えてたから「どんな感じなん?」って聞いてみたら、そのビジョンがまったく同じだったんですよね。「やっぱりそうなるよな。じゃあ、大丈夫だ」っていう。もちろんそれが一致していないメンバーがいてもいいんですけどね。そっちのほうが面白いというか、混ざることで違う変化ができるので。
──まったく予測はできないですが、さらに面白くなりそうですね。
ええ。作品が完成して、すぐにそういう話が出てくるのがすごいなって思います。「出しきって満足」とか「今は次のことはわからない」ではなく、やりたいことが見えているのは強いですよね。
ライブ情報
- 二〇一五年公演「The Unified Field」-双卵の眼-(※終了分は割愛)
-
2015年2月4日(水)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
<出演者>
sukekiyo / THE NOVEMBERS2015年2月5日(木)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
<出演者>
sukekiyo / THE NOVEMBERS / MERRY - sukekiyo 二〇一五年公演「The Unified Field」
- 2015年2月9日(月)東京都 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
2015年2月10日(火)東京都 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
2015年2月16日(月)京都府 京都劇場
2015年2月17日(火)京都府 京都劇場 - sukekiyo 二〇一五年公演「The Unified Field」-VITIUM-
- 2015年2月28日(土)東京都 調布市グリーンホール
- sukekiyo 二〇一五年公演「The Unified Field」
- 2015年3月15日(日)中国 上海浅水湾文化芸術中心2F q.house
- 1stミニアルバム「VITIUM」 / 2015年2月4日発売 / FIREWALL DIV.
- 初回限定盤 [CD2枚組] 3240円 / SFCD-0150~1
- 通常盤 [CD] 2700円 / SFCD-0152
- 京公式オンラインストア限定販売
- 「VITIUM」
- 豪華盤 [Blu-spec CD2+CD+Blu-ray+Tシャツ+ブックレット] 10000円 / PZSK-007~9
- 初回限定盤 [Blu-spec CD2+CD+Blu-ray+ブックレット] 7500円 / PZSK-007~9
CD収録曲
- leather field
- dunes
- dot
- foster mother
- 雨上がりの優詩
- maniera
- 白露
- celeste
- focus
初回限定盤および京公式オンラインストア限定豪華盤 / 初回限定盤特典CD収録内容
Collaboration Track
- 雨上がりの優詩 Collaboration with Toshl
- focus Collaboration with 三上博史
- elisabeth addict Remixed by Renholder
- latour Collaboration with Wes Borland
京公式オンラインストア限定豪華盤 / 初回限定盤Blu-ray収録内容
- Music Video
- 雨上がりの優詩
- focus
- LIVE FOOTAGE(sukekiyo 二〇一四年公演「別れを惜しむフリは貴方の為」 2014年5月6日 京都劇場)
- aftermath
- hidden one
- scars like velvet
- zephyr
- mama
- in all weathers
- DOCUMENTARY FOOTAGE
sukekiyo(スケキヨ)
DIR EN GREYのボーカリスト・京のソロプロジェクトとして2013年10月より始動した。2013年12月29日に行われたSUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN)のツアー「SUGIZO TOUR 2013 THRIVE TO REALIZE」のSHIBUYA-AX公演で初ライブを行い、年末の「COUNTDOWN JAPAN 13/14」に出演する。2014年元日にメンバーを含むプロジェクトの全貌を明らかにし、初音源「aftermath」のビデオクリップを配信。4月に1stアルバム「IMMORTALIS」を発表し、その後初ツアーを開催する。2015年2月に1stミニアルバム「VITIUM」をリリース。