ジャンルの壁がものすごく厚い
──「AGAKU」のリリースをきっかけにして、日本武道館ライブに向けた動きもさらに大きくなりそうですね。
チケットの一般発売が始まったんですけど、まだそんなに宣伝もしてないし、今のところはファンだけが買ってくれてる状況ですね。よくも悪くも予想通りと言うか(笑)。もうすでに実行していることもありますが、ここからどうやって伸ばしていくか考えなくちゃいけない。できれば対バンのライブをやりたいんですよね。
──対バン相手のお客さんも取り込もうと?
はい。10周年だから10本やろうと思ってたんだけど、なかなか対バン相手が決まらなくて。1回仕切り直しと言うか、再考しましょうということになってます。昔からそうなんですけど、全然対バンができないんですよ、SuGは。バンド同士が「一緒にやりましょう」と盛り上がっても、なぜか実現できなかったり。SuGのスタート地点がビジュアル系だからなのか、ジャンルの壁がものすごく厚いんですよね。正直に言いますけど、それは本当に悔しいです。
──ほかのバンドとの関わりが作れないという課題は、確かに以前からずっと抱えてますよね。
そうなんですよね。メンバーに社交性がないっていうのも原因だと思うんですけど(笑)。先輩のバンドとしっかり関わってるメンバーもいないし……僕もそこまで社交的じゃないんですよ。本当に興味があるバンドじゃないとライブも観ないから、つながりもできないし。一見ジャンルが違っても、すごくいい感じで仲良くなれるバンドもいるんですよ。この前もTHE ORAL CIGARETTERSのメンバーと話して、お互いに「めっちゃカッコいいですよね」って盛り上がって。ただ、現時点では独自の道を進むしかないのかなと思ってますけどね。
──徐々にジャンルの壁を超えつつあると思いますけどね。「AGAKU」を聴いて「ビジュアル系っぽい」と思う人もいないだろうし。
そうですよね。「AGAKU」を聴いても「ビジュアル系」と言われるなら、もうどうでもいいです(笑)。開き直ってるわけではないけど、「これでわかってもらえないんだったら、しょうがないな」という気持ちもあるので。対バンのことばかり気にしてる時間もないですからね。自分でコントロールできないことに対してムカついても意味はないし、だったら自分ができることをしっかりやろうと。MVの編集とかアートワークとか、得意なことをやったほうがいいですから。
「そんなことまでするんだ?」と思ってほしい
──7月には全国ツアー「39 LIVE ADDICT chapter2 AGAKU」が開催されます。9月の日本武道館公演に向けて、大きな意味を持つツアーですよね。
「AGAKU」のツアーだから、文字通り、あがくツアーにしようと思っています。まだ決定してないんですけど、武道館のチケットを手売りしたいと考えてるんですよ。それを9月2日のギリギリまで続けたいなって。「そんなことまでするんだ?」と思ってほしいというか。話が戻っちゃうけど、だから対バンライブをやりたいんですよね。
──ファン以外の幅広いオーディエンスにSuGのリアルな姿を見せたい、と。
はい。武道館に対してはやっぱり怖さもあるけど、それを含めて、全部を見せたいんですよ。どうしてそんな無謀な挑戦をするのか、そのためにどんなことをやってるのかも知ってほしいなと。自分でも思いますけどね。「もっと楽な方法があるのに、どうしてきつい道ばかり選ぶんだろう」って。
──その答えは見つかってるんですか?
結局は退屈が嫌なんでしょうね。この前ヨーロッパに遊びに行って、ひさしぶりにゆっくり考える時間があったんだけど、そのときも改めて感じたんですよね。「人のためとか、そんなことはどうでもいい。普通に生きてるのはつまらないから、こういうことをやってるんだな」と。安全パイを選ぶのは嫌だし、誰も観たことがないようなものを作りたい。それをやろうとすると、つらいことばかりに直面しちゃうんですよ。でも、結局はそれが楽しいっていう。
──なるほど。
「AGAKU」の歌詞でも「僕らは綱渡りだった 傷だらけだった そして未来もそうであれ」と書いてる通り、このやり方を続けるしかないので。そういう意味でも「AGAKU」はすごく自分らしい、SuGらしい曲だと思うんですよね。「10年間で一番よい曲ができた」という感覚もあるし、だからこそ最初から「これだ!」と思ったんだろうなって。
──ライブで「AGAKU」が聴けるのも楽しみです。
この前初めてライブでやったんですけど、めちゃくちゃ難しいんですよ(笑)。制作のときにライブのことはまったく考えてなくて、とにかくよい音源、よいMVを作ることに集中していたので。あとはもう、がんばるしかないっていう状況ですね。「AGAKU」をライブでカッコよくやれるように、これからあがきたいと思います(笑)。
- SuG「AGAKU」
- 2017年7月5日発売 / ポニーキャニオン
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LIMITED EDITION
[CD+DVD]
1700円 / PCCA-04547 -
STANDARD EDITION
[CD]
1200円 / PCCA-04548
- CD収録曲
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SE. mark
- AGAKU
- 赤春
- CUT
- LIMITED EDITION付属DVD収録内容
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- 「AGAKU」Music Video
- 「AGAKU」Music Video Shooting OFFSHOT
ライブ情報
- 39 LIVE ADDICT chapter2 AGAKU
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- 2017年7月5日(水)東京都 WWW X
- 2017年7月7日(金)静岡県 HAMAMATSU FORCE
- 2017年7月8日(土)兵庫県 神戸VARIT.
- 2017年7月14日(金)石川県 vanvanV4
- 2017年7月21日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2017年7月22日(土)福島県 郡山CLUB #9
- 2017年7月28日(金)福岡県 DRUM Be-1
- 2017年7月29日(土)広島県 CAVE-BE
- HEAVY POSITIVE ROCK
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2017年9月2日(土)東京都 日本武道館
- SuG(サグ)
- 2007年に結成された、武瑠(Vo)、masato(G)、yuji(G)、Chiyu(B)、shinpei(Dr)の5人からなるロックバンド。バンド名はスラング「Thug」に由来し、「周りの意見を気にせずに自分たちの思った通りに進む人たち」や「悪友」という意味を持つ。結成当初より「HEAVY POSITIVE ROCK」というコンセプトを掲げ、前向きなメッセージを乗せたキャッチーな楽曲で人気を博す。2010年1月、シングル「gr8 story」でメジャーデビュー。メンバー全員が作曲を行い、作詞とそれに基づいたミュージックビデオ、衣装などのアートワーク全般を武瑠が手がける。2012年10月に突然の活動休止を発表し、同年12月29日の東京・国立代々木競技場第二体育館でのライブをもってバンド活動を休止。その後はメンバーそれぞれ独自の音楽活動を続けていたが、2013年12月に国立代々木競技場第二体育館で復活ライブを開催した。2015年3月にアルバム「BLACK」を発表し、結成10周年を迎える2017年3月にはベストアルバム「MIXTAPE」をリリース。7月に新作CD「AGAKU」を発売したのち、9月2日に初の東京・日本武道館公演を行う。