愛がない音楽はダメ

──「VIRGIN」のリリース後は全国ツアーが始まります。「初期衝動」というテーマが体現されるツアーになるんでしょうか？

yuji　そうですね。一時期は「ライブを作り込み過ぎてるかもしれない」と思うこともあったんですけど、「VIRGIN」をきっかけにしてもっと純粋にライブを楽しみたいと思っています。

Chiyu　作り込むライブもいいと思うけど、新しいお客さんが入りづらいこともあったのかなと。

武瑠　これまでは「演出でカバーするしかなかった」ということもあったと思うんですよ。今はそうじゃなくて、自分たちの音楽に自信が持てているんです。

masato　ショーを作るという感じのライブが多かったんですけど、楽曲もよくなってるし、バンドのスキルも上がってきたことで、演奏だけで勝負できる状態になってるんじゃないかなって。

shinpei　活動を再開してから、バンド力は確実に上がってますからね。

──2013年末の活動再開から2年以上が経って、ようやくSuGの新しいスタイルが定着してきたのかもしれないですね。復活後のバンドの変化について、Tom-H@ckさんはどう思っていますか？

Tom-H@ck　個人的には「だいぶ音が変わったな」という印象を持っていたんですよね。「大人っぽくなった」とか「ハードになった」とか、いろんな言い方ができると思うんですけど、全体的にかなりカラーが変わった気がしていて。メロディもさらに高水準を狙っていると思ったし、ビジュアルも変化してきてる。

武瑠　自分の感覚としては「引き算ができるようになった」というところが大きいんですよね。その中心にあるのは、「SICK'S」という曲だと思っていて。最近のライブでも「SICK'S」をやるとすごい歓声が上がるんですよ。新曲でそういう反応があるのはいいことだし、その手応えは「VIRGIN」にもつながってる。

Tom-H@ck　音楽の幅という意味では、今までの活動ですでに皆さんに伝わっていると思うんです。今はそこではなくて、SuGというバンドの芯の部分を見せていくべきだと思っていて。

──現在のSuGの芯を示すのが「SICK'S」ということなんですね。

武瑠　そうですね。曲も歌詞もMVも、すごくうまくいったと思うので。

Tom-H@ck　それを1回だけではなくて、何度も繰り返して示したほうがいいと思いますね。あとはもう、みんなが幸せでいてくれたらいいなと。

全員　ハハハハハ！（笑）

yuji　いきなり精神的な話になりましたね（笑）。

Tom-H@ck　幸せだったら、楽しいこともいろいろ考えられるしね。

──そういえば武瑠さんも以前、「身体の調子がよくないと、暗いことは考えられない」って言ってましたよね。

Tom-H@ck　いいこと言うねえ。

shinpei　響いちゃってますね（笑）。

──（笑）。それにしてもTom-H@ckさんとSuGのメンバーは、本当に距離が近いですよね。

Tom-H@ck　うん、そうですね。それは幸せなことだと思いますよ、お互いに。やっぱりね、大事なのは愛ですから。

武瑠　このインタビューをきっかけにして、モテようとしてませんか？

Tom-H@ck　いやいや、愛がない音楽はダメなんだよ、マジメな話。流れ作業みたいに作られた音楽は、ホントによくないから。

yuji　（笑）。何かあったんですか？

Tom-H@ck　何もないよ（笑）。これはね、俺の信念なんだよね。愛を持って音楽に関わって、ヒットも望む。それでみんながハッピーになれたら、一番いいでしょ。