音楽ナタリー PowerPush - SuG
10年かけて結実したカラフルな集大成「BLACK」
次のページ » 「BLACK」楽曲解説(3)
- ニューアルバム「BLACK」2015年3月4日発売 / ポニーキャニオン
- 3939BOX [CD+DVD] 5940円 / PCCA-04155
- LIMITED EDITION [CD+DVD] 4212円 / PCCA-04156
- STANDARD EDITION [CD ]3240円 / PCCA-04157
CD収録曲
- street gothic
- MISSING
- HELLYEAH
- overflow
- night market
- B.A.B.Y.
- DEAD or DEAD
- hey 俗 funk you
- FRIDAY!!
- sweeToxic
- 神様の悪戯
- Time after time
- CRY OUT
- SOS
- 一蓮托生
- 影炎
- BLACK
3939BOX DVD収録内容
- BLACK -Music Video-
- BLACK -Music Video 撮影&制作ドキュメント
- SuG 8th Birthday“一蓮托生”(2015.1.12)ダイジェスト&ドキュメント
LIMITED EDITION DVD収録内容
- CRY OUT -20141018 Live Ver. Music Video ?
- M-ON 「SuG Special」 Director's Cut
SuG(サグ)
2006年に結成された5人組ロックバンド。現在のメンバーは武瑠(Vo)、masato(G)、yuji(G)、Chiyu(B)、shinpei(Dr)。バンド名はスラング「Thug」に由来し、「周りの意見を気にせずに自分たちの思った通りに進む人たち」や「悪友」という意味を持つ。結成当初より「HEAVY POSITIVE ROCK」というコンセプトを掲げ、前向きなメッセージを乗せたキャッチーな楽曲で人気を博す。2010年1月、シングル「gr8 story」でメジャーデビュー。メンバー全員が作曲を行い、作詞とそれにもとづいたPV、衣装などのアートワーク全般を武瑠が手がける。2012年10月に突然の活動休止を発表し、同年12月29日の国立代々木競技場第二体育館でのライブをもってバンド活動を休止。その後はメンバーそれぞれ独自の音楽活動を続けていたが、2013年9月に東京・原宿でサプライズライブを行い活動再開を宣言。同年12月に国立代々木競技場第二体育館で復活ライブを行った。2014年に入ると2月に「MISSING」、7月に「B.A.B.Y.」、11月に「CRY OUT」とシングルを3作立て続けに発表。同年8月には多ジャンルにわたるアーティストをゲストに迎えた主催イベント「渋谷 SuG Fes 2014 夏」を3日間実施した。2015年3月にニューアルバム「BLACK」をリリース。
07. DEAD or DEAD
──ポップな「B.A.B.Y.」から一転して、「DEAD or DEAD」はデジタルサウンド全開のヘビーでアグレッシブな1曲ですね。
これも小説のストーリーが密接に絡んでいて、再生医療で復活した人間が“リバースヒューマン”って呼ばれて特別視されてるっていう設定にしてるんですね。「あいつリバースしてるから完璧だよね」みたいに言われてて。彼らはリバースヒューマンだけのチームを作って、政党にも入ろうとしている。そいつらの仲間になるためには、死ぬしかないっていうことを歌ってるんです。
──この曲はアルバムの中では唯一の全編英語詞の曲ですね。
ええ。リバースヒューマンのチームに入るには死ぬしかないから、「どうやって死にますか?」って問いかけてる内容なんですけど、日本語で書いてもあんまりワクワクしなかったんです。それで英語詞になったんですけど、特に意識して英語詞にしているわけではなくて、曲に呼ばれて合わせた感じですね。
08. hey 俗 funk you
──この曲は1分半のショートトラックですが、グルーヴィなファンクサウンドと、英語と日本語を融合させた歌詞がユニークです。
「つまんないやつ死ね」っていうことを、ちょっとひねって言ってる曲ですね。以前ある音楽番組に出演したときに、歌詞にある「『FUCK YOU』を別の言葉に変えてください」って言われて、「FUNK YOU」に変えて歌ったんです。それがきっかけで実際に歌詞で使ってみようと思って今回登場させてます。もともとインストだったんで、そこに言葉を乗せて作りました。
09. FRIDAY!!
──このあたりからサウンドの振り幅がさらに広がり、AOR的なアプローチが入るなど少し大人な雰囲気になっていきます。
(アルバムの)後半は、今までやりたかったけどできなかったことや、これまでとは違う歌い方に挑戦してますね。俺はSuGを始めた頃から活動休止前まで歌の“抜け”ばっかり気にしてて、子供っぽい歌い方をするようにしてたんですよ。でも活動休止期間中に自分の歌い方を見つめ直して、曲の表情に声を合わせることを意識できるようになったんです。そうしたら大人な雰囲気の曲も歌えるようになった。やりたかったけどできなかったサウンドを、いろんなことを経験したからやっとできる。それこそ“カラフルな経験”をして、自分たちが表現したい音にたどり着いた感じがします。
──金曜日の高揚感を歌った1曲ですが、ちなみに武瑠さんは金曜日になるとテンションがアガるタイプですか?
職業柄あんまりないですね(笑)。でもみんなが俺らのライブに来るときってこういう気持ちなんだろうなと思って、ファンへの思いを歌った曲なんです。それぞれの時間や休みを使って俺たちのライブに遊びに来てくれる感じを表現しました。
10. sweeToxic
──こちらは2012年9月にリリースされた曲で、「BLACK」に収録されているシングルの中では一番古い曲です。
活動休止前にこの曲を作れたことで、自信が出た部分がありますね。当時すでに「BLACK」のコンセプトや全体像が見えていたけど、実際にどうやって作っていったらいいかわからない状態だったんですよ。「sweeToxic」ができたことで、10年間温めてきた題材を形にできるんじゃないかって思えましたね。
──シングルタイミングのインタビュー(参照:SuG「sweeToxic」インタビュー)では、展開もサウンドもいろんな要素を詰め込んだ1曲とおっしゃってましたね。
そうですね。リリースした当初から、「BLACK」のコンセプトと直結したナンバーになっていたと思います。
11. 神様の悪戯
──「神様の悪戯」はアルバムの中でもひと際しっとりした雰囲気の1曲です。
小説の中で「神様」っていうキャラクターが出てきて、それがすごい重要な役割を果たしているんです。そのキャラクターについて歌った曲ですね。今までのアルバムにもこういったタイプのミディアムチューンは入ってたんですけど、自分ではやり切れている感じがしなかったんですね。今やっと声が追い付いてきて、ミディアムな曲に合ってきた感じがします。自分でも気に入っていて、アルバムの中で一番聴いてます。
──SuGの曲は音の密度が高くてハイボルテージな曲が多いですが、この曲はかなり音数が少ないですよね。
はい。個人的には余白があるほうが好きですね(笑)。
12. Time after time
──「Time after time」は「神様の悪戯」の流れを組むような曲調で、歌詞がとても幻想的でした。
この曲には、再生医療を繰り返し受けている物語の主人公の姿を投影してますね。森林の中でふわっとした雰囲気の中でまどろんでいるようなイメージです。アルバムのクライマックスに向けての布石のような1曲になっています。