STU48「花は誰のもの?」インタビュー|初の試み“トライアングルセンター”、“3本の矢”が結束して次のフェーズへ

STU48の8枚目のシングル「花は誰のもの?」が4月13日にリリースされる。

結成時からグループを支えてきたAKB48岡田奈々の兼任が解除になり、次のフェーズに歩みを進めることになったSTU48。今作の表題曲「花は誰のもの?」ではAKB48グループ史上初の試みとして、石田千穂、瀧野由美子、中村舞の3人が“トライアングルセンター”を務め、広島の戦国武将・毛利元就の「三本の矢の教え」のように結束してさらなる前進を目指す。音楽ナタリーでは石田、瀧野、中村にインタビューし、トライアングルセンター制の見どころ、3人それぞれの魅力、新曲や新生STU48の注目ポイントなどを語ってもらった。

取材・文 / 小野田衛撮影 / 塚原孝顕

前代未聞の新システム“トライアングルセンター”とは?

──新シングル「花は誰のもの?」は石田さん、瀧野さん、中村さんによる“トライアングルセンター”体制が特徴となっています。聞き慣れない言葉ですが、これはいわゆるトリプルセンターとは違うんでしょうか?

瀧野由美子 センターが2人いる状態はダブルセンター、3人いる状態はトリプルセンターと通常は言われますよね。今回のトライアングルセンターは、披露する場所によってセンターが変わっていくシステムなんです。歌番組、バラエティ番組、通常の公演、イベント、取材……3人のメンバーのうち、誰が主役になるのかは蓋を開けてみないとわからない。ポスターやCDジャケットも、センターはバラバラですし。

石田千穂 たぶん同じ公演でも、日によってセンターが変わることになると思います。「たぶん」とか「思う」と言っているのは、前代未聞すぎて私たちも手探りの状態だからなのですが(笑)。もしそういう見せ方になったら、ファンの方にも一層ハラハラ、ドキドキしながら楽しんでいただけるんじゃないかと考えています。

──戦国武将・毛利元就の教えになぞらえ、「3本の矢」も今回のキーワードになっているそうですね。

中村舞 毛利さんは広島(安芸)出身なんです。3本の矢の意味は、「矢が1本だと折れやすいけど、3本まとまったら強いよねえ」……みたいな感じ?

瀧野 意味は大体合っているんじゃないかな。毛利さんがそんな優しい話し方をしていたかはわからないけど(笑)。「今のSTU48で3本の矢といえば、この3人!」ということで私たちが選ばれた形です。

写真左から石田千穂、瀧野由美子、中村舞。

写真左から石田千穂、瀧野由美子、中村舞。

──今回、中村さんはシングル表題曲初センターということになります。

中村 選んでいただけてものすごくうれしかったです。不安が全然ないと言ったら嘘になるし、「私なんかでいいの?」という気持ちに最初はなりましたけど、センターはいつか立ちたいと考えていた場所なので。「花は誰のもの?」ではセンター経験者の2人と一緒だから、その点では本当に心強く感じています。

瀧野 今回、センターが発表されたのが生配信番組の中で、ファンの方と同じタイミングで私たちも知ることになったんですよ。そもそも8枚目のシングルが出ること自体も寝耳に水でしたし。発表では最初に石田千穂ちゃんの名前が呼ばれたんです。それで「センターは千穂ちゃんなんだ。おめでとう!」と思っていたら、「瀧野由美子!」って自分の名前が呼ばれまして。その時点では「ん? ダブルセンターということ?」と思っていたんですけど、「中村舞!」「今回はトライアングルセンターです!」と発表が続いたので、もはや理解不能で……。千穂ちゃんなんて「なんじゃ、こりゃ!」とか口走っていましたから(笑)。

石田 確かに言いました(笑)。聞いたことがないシステムだったから、戸惑いというか、頭の中が「?」マークでいっぱいになっちゃったんですよね。

瀧野 私はこれまで何度かセンターをやらせていただいてきたんですけど(過去6作で単独センターを担当)、今回は気持ち的にまったく違っていまして。センターってプレッシャーがかかるし、心細く感じることも多いんですよ。「花は誰のもの?」では2人と相談し合いながら力を合わせ、今まで以上にパワーアップしたSTU48をお見せしていきたいと考えています。

選ばれし3本の矢の魅力

──新生STU48の出港に際し、3人が「選ばれた3本の矢」であることはよくわかりました。ここで改めてそれぞれの「強み」「特徴」「意外な一面」など、キャラクター面について教えていただけますか? まずは中村さんからお願いします。

中村舞

中村舞

中村舞

中村舞

瀧野 舞ちゃんはミステリアスな部分が最大の魅力だと思います。私自身も同じグループのメンバーでありながら、「もっと知りたい!」「もっと話したい!」と感じることがよくありまして。謎めいた存在だからこそ、惹かれるというのは、おそらくファンの方も同じなんじゃないかな。

石田 画伯なんですよ、舞ちゃんは。独特なテイストのイラストにぜひとも注目していただけたらと思います。舞ちゃんの描いたイラストはSTU48のグッズにもなっていますし。Instagramでは自分の描いた絵にナレーションを乗せて、アニメ……と言えばいいのかな?

中村 アニメという本格的な作品ではなく、パラパラマンガみたいなイメージで考えてください(笑)。

石田 こればかりは「実際に見てください」としか言いようがないんですけど、舞ちゃんの摩訶不思議な魅力はイラストからもきっと伝わるはず! 私自身も中村画伯のファンなので、もっと世の中に広まってほしいなと思っているんです。

──次は瀧野さんの魅力を解説してください。

瀧野由美子

瀧野由美子

瀧野由美子

瀧野由美子

石田 多才ですね。サックスが吹けたり、鉄道に詳しかったり、あと犬を溺愛していたり……。話をしていてもいろんなジャンルに詳しいから、ファンの方からすると親しみやすくて接しやすい存在だと思います。

中村 さっき私は「謎めいている」とか言われましたけど、私から言わせると、ゆみりんさんこそ謎めいた存在! 予想外の動きをするから、考えが読めないんですよ。一例を挙げると、家の中でもコートを着て過ごしていて……かと思うと同じ格好でかき氷を食べているし(笑)。

瀧野 違うんですよ、それには理由があるんです! その日は電動かき氷機を手に入れたばかりだったから、どうしてもかき氷を食べたかったんです。だけど私は家の中で暖房を入れない派なので、そうなると寒くて仕方ない。だからコートを着ながらかき氷を食べたんです。別に私は謎めいていないですよ(笑)。

中村 コート&かき氷の件以外にも、例えば靴下の柄が毎回のように左右バラバラだったりするんですよ。予想外の動きを連発するから、本当に目が離せません。「STU48のエース」とか「王道アイドル」みたいに言われることが多いはずですけど、それ以外の部分にも目を向けてほしいなと思います!

──最後に石田さんは?

石田千穂

石田千穂

石田千穂

石田千穂

瀧野 千穂ちゃんは独特な言葉遣いが注目ポイントかな。擬音がやたらと多いんですよ。取材中も記者さんに対して「なんかホニョホニョしていて~」とか説明しているから、「これで伝わるのかな?」といつも心配になっています(笑)。

石田 知らなかった! そんなに心配されていたなんて……(笑)。

瀧野 だけどふわふわした天然な面が目立つ一方で、感情をストレートに伝えることも多いんですよ。ファンの方の前で「センターに立ちたい」とはっきり伝えて、そのために日々コツコツと努力していますし。みんなが考えてる以上に“熱い女”です。

中村 私の中で千穂さんは“平和の象徴”。常にゆる~い空気が漂っていて、近くにいるだけでほっこりしちゃうような存在です。誰かと言い争ったりする姿が想像できないんですよね。2期生ともすごく距離が近い感じで一緒にいるんですけど、それって後輩からすると話しやすい先輩として慕っているってことだと思うんです。私は人見知りで後輩と上手に接することができないので、うらやましすぎます!