眉間にしわを寄せながらレコーディング
──「独り言で語るくらいなら」はサビで3拍子になる展開が特徴的で、曲全体に幻想的な雰囲気があります。
石田 初めて曲を聴いたときは3拍子の展開に驚きました。だいたいの曲はAメロ、Bメロと聴いてくうちに曲の全体像を想像できますが、この曲は全然違って。ファンの方にも同じ体験をしてもらって、何回も繰り返し聴いてほしいです。
──石田さんの歌唱による力強い歌い出しも印象的ですね。
石田 反抗的な内容の歌詞なので、レコーディングでは眉間にしわを寄せながら歌いました。スタッフさんに「臭いものを嗅いでいるときの顔で歌って」と言われて(笑)。
──石田さん以外の3人はこの曲に対してどのような感想を抱きましたか?
原田 最初に聴いたとき、今までのSTU48にないタイプの楽曲だと思って衝撃を受けたのを覚えています。聴いていくうちに心が澄んでいく感じがあって、寒い日に駅のホームのベンチに座って、感傷に浸りながら聴くとより世界観に入り込めると思います。
今村 4拍子と3拍子が入り混じってたり、壮大な曲調になっていたり、変化球のような曲というか、聴いていてすごく引き込まれる曲だと思うので、STU48ファン以外のたくさんの方にも聴いていただきたいです。
──2ndシングル「風を待つ」はナイアガラサウンドを彷彿とさせる楽曲でしたし、STU48は音にこだわった曲が多いですよね。
高雄 聴けば聴くほど好きになっていく曲ばかりで、今回もどんどん深みにハマっていくような感覚があります。歌詞も大好きで、普段思っていても言えない気持ちを代弁してくれる言葉が並んでいるので、言いたいことを口に出して言えないタイプの人にとってスカッとするような曲になっていると思います。
100テイク踊ったMV撮影
──「独り言で語るくらいなら」のMVは、上下逆さまに映し出されたメンバーたちがそれぞれ違う振りを踊っているシーンが印象的です。
今村 今回、同じメロディに対して5種類の振り付けがあるので、それを覚えるのがとにかく大変でした。それぞれの振りの細かいところにも違いがあって、撮影前ギリギリまで練習しましたし、撮影中もダンスの辻本(知彦)先生に次に踊る振りを教えていただきながらがんばりました。
高雄 振りが5種類あると最初に聞いたとき、1期生の先輩方がみんな驚愕して「これは大変だ!」と言っているのを見て、「どうしよう……」と不安になりました。撮影では100テイクも踊って、みんな足が限界になって。でも最後のほうでは1周回って、逆に清々しい気持ちになりました(笑)。
原田 16人の選抜メンバーの中で2期研究生は私たち2人だけだったので、初めてのことがいっぱいでずっと緊張していました。先輩方はみんな振りを覚えるのが早くて、それに付いていくのが大変だったんですけど、撮影が始まる直前まで辻本先生のアシスタントの方に1対1で教えていただいたりして、なんとか乗り越えることができました。
高雄 撮影の期間、私たち2人はホテルで同じ部屋に泊まったんですけど、さやかりんは全然寝なかったんですよ。
原田 2時間くらいは寝たかな……?
高雄 「私は練習する」って言って、ずっと練習していて。
原田 私、ホントにダンスが苦手で、振りを全然覚えられないんですよ。足を引っ張っちゃいけないと思って一生懸命がんばりました。
──今回のMVは今までの楽曲と違ってほとんどスタジオ内での撮影だったそうですが、決して楽ではなかったんですね。撮影では石田さんがワイヤーに吊るされながら演技をする場面もあったとか。
石田 私は高いところや絶叫マシンが好きなので、楽しく撮影できました(笑)。でも呼吸の仕方で前に進んだり後ろに戻ったり、体勢が変わったりするので、バランスを取るのが大変でした。
──コンサートでもワイヤーに挑戦してみたくなったんじゃないですか?
石田 いいですね! ぜひやりたいです……!
結成5年目に向けて突き進んでいきたい
──「独り言で語るくらいなら」は1月15日に東京・日本武道館で行われた単独コンサート「新春STU48コンサート2021~瀬戸内からGO TO 武道館~」にて初披露されました。
石田 武道館は知らない人がいないくらいの会場ですし、まずそこでコンサートができると聞いたとき、ホントにびっくりしました。うれしくて言葉が出なかったですね。オンラインお話し会の休憩時間に聞いたので、そのあとのお話し会ではファンの方に早く伝えたくてうずうずしてました(笑)。
今村 武道館はアーティストにとっての憧れの場所、誰しもが1度は立ってみたい場所というイメージが強かったので、「自分たちがあの場所に立てるのか」と私もびっくりしました! 信じられなかったです。
原田 「独り言で語るくらいなら」を初披露するということで、2期研究生から私と高雄さやかちゃんも参加させていただけると聞いたときは、「私たちが出ていいのかな」という思いもありました。大きなステージに立たせていただく経験は去年の舞浜アンフィシアター以来2回目で、正直とても不安でした。
──コンサート当日は楽しんでパフォーマンスできましたか?
今村 本当に幸せで、あっという間でした。特に印象に残っているのは、1曲目の「出航」の出だしをソロで歌わせていただいたことです! すごい経験ができました。
石田 今村美月ちゃんのソロで始まって、そのあとみんなで歌う演出にすごく一体感がありました。課外活動ユニットのメドレーもグループごとの色が出ていて楽しかったです。あと、私は「チームB推し」がとても好きな曲で「いつかSTU48でやりたい!」と思っていたので「チームSTU推し」として披露できてうれしかったです。曲中のメンバー紹介があいうえお順で、私は最初だったのでなんだかラッキーでした(笑)。そして「独り言で語るくらいなら」を初披露させていただき、私がセンターだと発表されたときの空気感や緊張感は今でも忘れられません!
原田 武道館は会場の広さ、観てくださる方の熱量、ペンライトの数、すべてがすごくて! ステージに出ていったとき、一瞬圧倒されましたが、私推しのうちわやペンライトを見たら落ち着きを取り戻すことができました。ステージから見た景色はとても素敵で、今でも目に焼き付いています。「独り言で語るくらいなら」のパフォーマンスも緊張で頭が真っ白にならないかずっと心配だったんですけど、無事に大きなミスもなく披露できてよかったです。
高雄 夢のステージで「独り言で語るくらいなら」を初披露できたことは、ずっと忘れられない思い出です。あと「ペダルと車輪と来た道と」でスクリーンにメンバー1人ひとりが書いたそれぞれの夢を映して、それをお客さんに見ていただけたことも心に残っていて。「まだまだSTU48は続くんだ!」と強く思えました。
──日本武道館の次はどこを見据えて活動していくんでしょう?
石田 次に大きな会場でライブをやるとしたら地元広島のグリーンアリーナがいいですね。過去にグリーンアリーナでのAKB48の全国握手会に行ったことがあるので、今度はステージに立つ側として会場に行きたいんです。
今村 私もいつか広島のグリーンアリーナやエディオンスタジアムでライブがしたいです! 武道館公演を通してみんなで1つになれたので、グループへの気持ちを胸に結成5年目に向けて突き進んでいきたいです。ファンの方と会えない期間が続きますが、皆さんに何かお届けできるようにこれからもがんばります。見ていてください!
高雄 次は2期研究生も含めてSTU48のメンバー全員で武道館のステージに立つことが目標です。今はまだコロナの影響でできませんが、会場の後ろの席までお客さんでいっぱいに埋まるほどたくさんの方に愛されるグループになって、その一員として輝きたいと思います。
原田 自分はまだ未熟者でダメだなと思うことばかりなんですが、少しでも先輩方に追いつけるように、多くの方にSTU48のよさを知っていただけるようにがんばります!