新鮮なことばかりの撮影だった
──ドラマシーンは、江戸時代から昭和初期までの町並みが残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている広島の御手洗町並み保存地区、ダンスシーンは呉港と御手洗の歴史の見える丘公園で撮影されました。
薮下 私たちは呉港のほうでダンスシーンを撮りました。振り付けは前作の「無謀な夢は覚めることがない」に引き続き辻本(知彦)先生に手がけていただいたんですが、とてもノリがいい方で、私たちの笑顔を引き出そうと、カメラの後ろから笑わせようとしてくるんですよ。辻本先生が一番楽しんでたんじゃないかなと思うくらいで、そうやってみんなで作り上げたこのダンスシーンは私のお気に入りです。
石田 かわいい雰囲気の曲なので、振り付けもそれに合わせてかわいい感じになっていて。レッスンのときに辻本先生と話して、少し振り付けを変えた部分もあるんです。辻本先生とタッグを組ませていただくのはこれで3回目で、最初は正直ちょっと怖かったんですが(笑)、今は疑問に思ったことをなんでも聞けるし、逆に私たちに気さくに話しかけてくださいます。
──2期研究生は辻本先生による指導は初めてだったと思いますが、振りを覚えるのは苦労しました?
立仙 そうですね。同じ振りを繰り返すところが少なくて、みんなでそろえるのが難しかったです。私たちは歴史の見える丘公園でダンスシーンを撮影したんですが、みんなでがんばって覚えたダンスをそこでうまく踊れたときは達成感があって感動しました。景色がすごくきれいだったし、ドローンカメラも使ったし、新鮮なことばかりで。あと、演技のシーンでは告白する場面があって、メンバーに見られながら演じるのがちょっと恥ずかしかったです(笑)。
高雄 学校の校舎の中でも撮影して、楽しかったよね。
STU48がいい方向に進むための別れ
──7月には船上劇場のSTU48号が来春をもって専用劇場としての役目を終えることが発表されました。紆余曲折を経て昨年4月にやっとオープンを迎えただけに、正直かなりショックだったんじゃないですか?
今村 STU48は最初のオーディションのときから“船上のアイドル”というコンセプトだったので、船上劇場がなくなってしまうなんて想像してなかったです。専用劇場としての役目を終えると聞いたときはホントにびっくりして信じられなかったんですけど、今は私たちがいい方向に進むための別れでもあるのかなとも思っています。瀬戸内7県の中でまだ数回しか公演をできていないところもありますし、来春までにできる限り各県を回りたいです。
瀧野 活動を始めたときから「いつ船上劇場ができるんだろう」と楽しみにしていたし、2年半待って念願のオープンを迎えたときのうれしかった気持ちを思い返すと、すごく寂しいです。でも、船上劇場という特別なステージがあることは当たり前のことじゃなかったんだなと気付くことができました。残りの時間をすべてファンの方と一緒に過ごすことは難しいかもしれないですが、私たちが船上劇場に立つ姿をたくさんお届けできたらいいなと思います。
──船上劇場はSTU48のシンボルのような存在ですが、今後STU48を象徴するものやグループの最大の特徴は何になってくると思いますか? 例えばSKE48はダンス、NMB48はトークがグループの持つ武器として昔から挙げられていますが。
石田 えー、なんだろう。何にする?
薮下 今決めるの?(笑)
石田 (笑)。でも、今後も瀬戸内7県と1つの海を拠点に活動することに変わりはないので、そこはやっぱりSTU48ならではの特徴だと思います。船ではなく、これからは足で各県を回ることになるのかな?(笑) そして引き続き瀬戸内海のよさを伝えてきたいです。
薮下 あと、衣装やビジュアル面に瀬戸内らしい純朴な雰囲気があるというか。瀬戸内出身じゃないメンバーもいるんですけど、みんなでもっと瀬戸内に染まっていけたらいいなと思います。
──AKB48グループは「会いに行けるアイドル」をコンセプトに劇場公演や握手会をメインに活動してきただけに、コロナの影響で大きく活動方法を変える局面に来ていると思います。逆に言うと新しいことに挑戦できるチャンスでもあると思いますが、今後はどんな活動を展開していきたいですか?
石田 船上劇場での公演がなくなることで逆にいろんなところに行ける機会が増えていくと思うんです。私は大きい野原みたいなところでみんなで歌いたいです(笑)。
瀧野 この間、4日間にわたって「Drive in LIVE」というライブ企画をやったんですよ。ファンの方が車の中から私たちの屋外のステージを観るというものだったんですけど、それがめちゃくちゃ楽しくて。この機会に今までできなかったことをSTU48が率先してやっていきたいです。4日間も連続で開催できたのは2期研究生が入ってきて人数が増えたからで、少人数に分かれてそれぞれいろんなところに行ったらもっと新しいことができそうだなと思っています。
立仙 コロナの影響で予定が変わったことで、私はまだ瀬戸内では広島でしか公演をやったことがないんです。なので、ファンの人と瀬戸内のいろんなところで会えるイベントをどんどんやっていきたいです。
高雄 2期研究生全員では握手会もまだ1回しかやったことがなくて。直接会えていないファンの方もいるので、オンラインであってもコミュニケーションができる機会をもっと増やしていきたいです。